先日、男友達の家で鍋パーティをした。
 パーティといっても、彼とその恋人の家にわたしがおよばれしただけなのだが。
 ひとしきり美味しいお鍋を食べて、わたしと彼の恋人がお喋りに夢中になっていると、彼は女たちのかしましいお喋りに飽きたのか、一人、テレビゲームを始めた。
 彼の家には五十インチはあろうかという大きなテレビがあり、彼は大画面でプレステをプレイすることを何よりのストレス発散法にしていた。
 人様の家に遊びに行って、その家の主をひとりぼっちにさせるのはなんだかな、と思い、「面白い?」と声をかけてみた。
彼は、
 「面白くなかったらすぐに売るんだ」
 と、なぜか胸を張って言った。
 彼はゲームを買って、二日くらいでクリアし、それをまた中古ゲーム屋に売る、という行為を繰り返しているらしい。
 「一万円で買ったものが六千円くらいで買い取ってもらえる。一日二千円で遊べるんだからすごいだろう」
 と、彼は得意気に繰り返す。
 彼の恋人を見ると、しょうがないなあ、というような、お母さんみたいな表情を浮かべていた。
 わたしはそれを見ていたら、おかしくてたまらなくなった。
 なんて可愛いんだろう、と思ってしまったのだ。
 彼はわたしより一回りも年上だ。社会的にも信用ある職業につき、けして収入だって少なくない。マンションだって持ってる。なのに、ゲームをし終わったらまた売るということを胸を張って話すのだ。そんな、自慢にならないことを。小学生みたいだ。なんて可愛い。
 男の人を、愛しいなあって思う瞬間だった。
 そういえば、わたしは男の人を可愛いと思う瞬間がたくさんある。
 大抵はすごく些細なことなんだけれど。
 この間は、打ち合わせ中にお水を大きなグラスでがぶがぶと飲む男の人を可愛いなあと思った。
 それから、煙草を吸う人が灰皿の中に吸殻をきちんと並べているのを見るときも、可愛いなあと思う。
 可愛いと思う男の人が増えたってことは、わたし自身の「可愛げ」が減ったってことかもしれないけれど、でも可愛い男の人を見るのはとても楽しいので、もっともっと可愛い男が増えたら幸せだなあ、などと思っている。




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