12月15日

 深夜や朝早く外を歩くと、雪の匂いがする。つんと鼻孔の奥に染みるような氷っぽい匂い……っていっても、よく分らないよね。でも、雪が降る前には必ずこの香りがすごく強くなって、全身の細肪に浸透して、そしてあたしは風邪を引くんだ。だからこの匂いは雪からの伝言。

 この前、大好きなビョークの出演する映画「ダンサー イン ザ ダーク」の試写会を見て、めちゃめちゃ感動した。だって、随分前にこの映画のサントラ版を買って、「死ぬほどいいー」って思ってた曲をスクリーンの中で本物のビョークが歌ったり踊ったりするなんて、なんか信じられなかったよ。最後は涙涙涙……。
 ビョークは子供を守るために必死に戦う、いずれ失明する運命の母親セルマ役を演じてて、本当にセルマの魂が乗り移ったみたいだった。
 監督は「奇跡の海」で一躍、有名になった人だけど、あたし的にはビョークが監督兼シナリオ兼音楽兼主演。何からなにまでビョークの映画。
 今、世界中で一番会いたいアーティストはビョーク……って書いとけば、いつかチャンスが来るかも……ってちょっと淡い期待をしてるんだけど。
 あたしは一回、ほれ込むとかなりディープに一直線なんだ。この恋がいつかかないますように。

「ダンサー イン ザ ダーク」についてのインタビューで、彼女はものすごく共感することを言ってる。どんな不幸な運命にある人でも、ただ悲劇の犠牲になるだけなんてあり得ない。一番シアワセなこと、一番楽しい瞬間をちゃんと持っていて、辛い時はそういう力を使って、のりこえていくんだって。そういう知恵を持ってるひとが、人生の本当の勝者なんだって……かなりダイジェストだけど……セルマがにとってミュージカルがそうだったみたいにね。

 もう一つ、試写を見た「あなたのために」って言う映画も、同じ事が言える。主演は「レオン」のナタリー・ポートマン。母親に捨てられたヒロインは妊娠してて引越しのドライブ中に彼に捨てられ、なんと夜中のスーパーで出産しちゃう。で、一躍マスコミのスターになったんだけど、やっと会いにきてくれたと思った母親は、もっと酷い仕打ちをして消える。
 普通に見れば「悲劇のヒロイン」なんだけど、彼女はいつも春の風みたいにほんわかしてて、自分の心のまま着実に前に一歩ずつ歩いていく。そしていつか、カメラマンになりたいっていう夢まで実現させちゃう。

 自分の置かれた状況がどんなに理不尽で冷たいものでも、心の中までは支配できない。だって「あたしはシアワセ」「あたしは不幸」って感じるのは、自分自身の感受性で、他人の視線じゃないから。心の中に楽園を持っている人は、その楽園の美しさ、楽しさに住むことができる。そしてもし決して諦めさえしなければ、周囲を楽園にしてしまうことだってとできる。
 楽園を見つけて、そこに空まで届く高い城を建てよう。言葉や音楽や絵や人の輪で……。そうすれば、どんな寒い時でも心から溢れ出る虹色の光が、あたしたちを守ってくれる。



11月24日

 さて、今日はいよいよ予告してたマイ・フェバリット・ソングの公開! もともとこの計画は、あたしが松崎ナオちゃんのライヴにいったときに、思いついた構想数カ月のグレートなもので……なんてかなりおおげさかな。とにかくもともとナオちゃんの不思議な歌声が大好きだったあたしは、彼女がライヴの一番最後に歌った未発表の曲「風になる」がすっごく気にいっちゃったんだ。
 で、この歌は『シンクロニシティ』の「シンクロソング」として、みんなにぜひ聞いてもらいたいと考えたのです。ナオちゃんも大賛成してくれた。エピック・ソニーの方々に色々ムリを言って、ついに今日、ここで聞いてもらえることになりました。といってもじかに音源を貼り付けるのはやっぱりムリなので、ここからナオちゃんページにダイレクトで飛んで、歌を聞けるようにしました。
 レコードの発売はもう少し後だけど、一足先に「風になる」っていうタイトルにぴったりな歌声を聞いてみてね。『シンクロニシティ』のラストシーンを思い浮かべながら聞いてもらうと・・・・・ほら、映画のBGMみたいにめっちゃシンクロするよね。

ナオちゃんの「風になる」を聞いてみたい人はこちら
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/NaoMatsuzaki/disco_s.html


 さて、いよいよ写真小説集『FIREFLY』がもうすぐ発売!あたし的にはめっちゃうれしい。だってこの作品は、色んなカタチで関わってくれたたくさんの人の作品だから。じゃあまずここでスタッフ紹介しちゃおう。

MAOちゃん=もちろん『FIREFLY』の主役を演じる、もうおなじみの女の子。撮影のあき時間にはいつも歌をうたっているかおしゃべりをしているかの、陽気で明るい13歳。でもミカにカメラを向けられると、その瞬間、眼差しがすっと変る凄いプロ魂を持ってるよ。せつなさ、淋しさ、背伸びした色気、無垢なあどけなさ……たくさんのきらきらした表情と、今の時代にシンクロする最高の「美」を見せてくれるMAOちゃんに、スタッフ全員、「未来の大女優」を感じました。

ミカ=写真家。目くるめく色彩と光の魔術師(魔女?)。この本はミカの写真集の中でも、一番新しいミカティストがめいっぱい見られるよ。『French kiss』が「ナチュラルビューティー」なら、『FIREFLY』は「ジュエリービューティー」っていう感じ。今回はノリにのって、早朝4時の夜明けの撮影から、普段はあまりやらないスタジオ撮り、都内をかけまわっての屋外撮影まで、とにかくエネルギッシュに、溢れる才能を惜しみなく出し切ってくれました。

かっちゃん=ミカのラブラブなだんなさま。ビデオ作家でカメラマン。ジッパーの表紙とかも撮ってる凄腕写真家です。『FIREFLY』では、すべての撮影現場で、最高の写真がとれるように、セッティングや光量、ロケ場所や素材の選定とかで、みんなを導いてくれました。素早い決断力にはいつもながらリスペクト! ちなみに表紙の十字架はかっちゃんの手作りの作品です。

清川あさみちゃん=スタイリスト。色んな雑誌で読者モデルをやってたり、ポスターなんかにも出てるから、きっとみんなにもおなじみなはず。体はちっちゃくてカワイイけど、がはははって豪快に笑うプリティななにわっ子だよ。MAOちゃんの着る素敵な服や小物をえらんでくれました。この本には彼女が働いてる「dog」っていう古着屋さんも登場するよ。

WANI=ヘアメイクの鉄人。飄々としてすごく面白いキャラクターのお兄さんで、何と『FIREFLY』にも登場しちゃいます。それもすごく大切な役柄で。WANIの大きな指先がアイライナーやパウダーでMAOちゃんの顔を「清楚な少女」や「オトナの女」に変えていくのを見るのはすごく楽しいよ。結構ワルめな過去をもってて、ドラマティックな人生を送ってます。

畑佐っち=ミカの事務所のマネージャーさん。なにかとみんなの面倒を見てくれる優しいお兄さん。煙草をくゆらす後ろ姿に男の哀愁が漂う。年齢不詳。てきぱきしたポジティブで才能ある女の人が好み(ごめん。関係ないか)。ロケバスのドライバーもしてくれました。

日野っち=いわずとしれた担当編集者。ぜんぶの取りまとめ役でかなり大変だったよ
ね。この作品の製作スケジュールとiモードのスタートがかさなっちゃったので、常
に目を真っ赤に充血させて走り回ってました。お疲れさま。どっかで会ったら肩をも
んであげよう。

亜美=小説担当兼スタイリストの助手兼ヘビを追い払う係。ヘビって何の事……? っていうのは次号のお楽しみに。

 みんな、本当にありがとう。この作品は一本のドラマティックな映画を撮るぐらい気合を入れて作ったから、そんな風に見て欲しいなと思ってる。
 もうすぐ本格的な冬がくるけど、あたしの心は真夏みたいに熱いぞ。



11月14日

 自分のこと、好きか嫌いかって聞かれたら、何て答える?
 あたしは「嫌いなところも結構あるけど、やっぱり好きな自分でいられるように、がんばってる」って答えるかな。だって、毎日毎日ずーっと付き合わなきゃならないのに、大嫌いだったらやっぱりつらい。
 今、自分を嫌いな人も、「大好き」まではいえなくても、いつか「結構いいヤツじゃん」と思えるようになればいいね。

 あたしの中には『シンクロニシティ』の瑠璃とangelみたいに、全然、正反対の性格の二人がいて、何か行動しようとする度に、お互い「そんなのへん」とか「あんたって性格悪い」とかいつも言い合ってる。だから、ほんとはどっちなのかよく分からなくなるけど、結局、最後は、二人が妥協するって感じ。
これって血液型がABのせい? まさかね。
 分裂とか多重人格とかおおげさなものじゃないけど、誰でもきっとそんな風に、心の中に何人かの自分がいるんだと思う。
 人を好きになると、そういう自分たちが、みんなばらばらなことを言い出すから大変。「好きなら素直に気持をぶちまけちゃえ」「でも、そんなのプライドが許さない」「フン、あんなのより、もっとずっといい男がいるじゃん」「でもやっぱり好き」「もっとオトナになりなよ」とか……。1人5役ぐらいやっちゃったりね。
 でもきっと、そんな「分身」たちが集まって作り出すハーモニーが、ほんとの自分の声なんだと思う。だから、小さな自分の感情の波を拡大してじっと見つめてるより、少し遠くから「分身」たちの集合を見る方が、かえって自分がよく理解できるのかもしれない。

 自分の気持を知る、一番いい亜美的方法を教えるよ。
 決めなくちゃならないことをしばらく遠くへ放り投げて、全然別のことに熱中してみること。たとえばクラブに行ってオールで踊るとか、特大サイズの絵を描いてみるとか、チャリでふらっと旅行に出るとか……。特にカラダを目一杯使うことがベスト。その間は、とにかく目の前のことに全神経を集中させて、思いっきり楽しんじゃう.。で、ふらふらになるほど疲れきって、「やったー」って充実した気持になって空を見上げたときに、初めてもう一度、考えてよう。
 不思議なことに、あれほど迷ってたことが、ほつれた糸がほぐれるみたいにすっきり整理がついて、自分が何をすべきなのか分かるようになってるよ。これはいつもあたしが使ってる方法。90パーセント、上手くいくから、是非ためしてみて。


突然ですが……

 亜美のすごくバカな失敗シリーズ その1

 あたしは「もんじゃ焼き」ってたべたことがなくて、ずっとどんな食べ物なのか気になってた。で、ある日、「今日こそ、もんじゃを食べてみよう」と決心して、渋谷道玄坂のお好み焼き・もんじゃ屋さんに入ったんだ。
 もんじゃを注文して、出てきた小麦粉とか水とか野菜をぐるぐる混ぜて、そのまま鉄板にどばっ。「もんじゃ=お好み焼きのニューバージョン」と信じて疑わなかったあたしは、液がどんどん鉄板の隅に流れていくのを見て、てっきり店の人が配合を間違えたんだと思った。
「文句をいわなきゃ」と思いつつ、でもまあ、いつかは焼けるだろう、とじりじりしながら鉄板を見つめてたけど、いつになっても液体は液体のまま。
 三十分、苛々しながら待った末に、頭にきて一口も食べないままレジでお勘定。よせばいいのにお店の人に「あのーもんじゃって、すくって飲む食べ物なんですか?」
とイヤミをいったら、思いっきり爆笑された。
 みんな、もんじゃを食べるときは、かっこつけず焼き方をちゃんと教えてもらおうね。

<もんじゃの正しい焼き方>

最初、鉄板の真ん中に、キャベツや具で円形の「土手」を作り、液をうすーくその中に流し入れる。固まっててきたら具とまぜあわせて、焦げ焦げになったところを、へらですくって食べる……そうです。



10月30日

 今日はかなりハイテンション。なぜかというと、12月の写真小説集の色校があがってきたから。最高にいいー!! ミカの目眩がしそうな色の洪水の中で、MAOちゃんが、コスモスみたいに儚い女の子と、ルビーの原石みたいにクールな輝きを持ったオトナの女の間を、自由に行ったり来たりする。それを眺めてるだけで、なんか白昼夢の世界に連れて行かれちゃうのです。
 
 本のタイトルは「FIREFLY」に決定!

 あたしもスタイリストをしてくれた清川阿佐美ちゃんと一緒に、服選びをしました。彼女はジッパーとかキューティーで読者モデルとして大人気の子だよ。だからMAOちゃんのファッョンションもにも注目! ロケの時の面白い話がいっぱいあるから、11月末ごろになったら、「making of FIREFLY」として、ここにアップするね。

 ファッションっていえば、最近、イケナイと思いつつかなり衝動買いしてる。今、「Firered」の気分なので、スカートもジャケットも、みんな赤やボルドーばっかり。もともとウィンドーショッピングが大好きで、時間のある時は、半日ぐらいずーっと服ばっかり見てても飽きないよ。場所は渋谷のパルコとかシモキタや代官山の古着屋さんとかが多い。
 アナ・スイとかヴィヴィアンとかディーゼルとかも大好きだけど、古着屋さんで掘り出し物を見つけた時が、アミ的には一番うれしい。最近の収穫はバーバリーチェックのミニスカートとお揃いの帽子。誰かに大切に着られた服を、次に買ったあたしも大切に着てあげるのって、なんか服への愛情と歴史の輝きがあっていいな。前に着てた人は、どんな風にコーディネートしてたのかな、とか思ったりして。
 ブランドの何万円っていう服はそれだけでかっこいいけど、「服に着られてる」っていうのは寒い。だからブランドのロゴを全身に貼り付けて歩いてるみたいなファッションは、絶対ダサいと思う。時間をかけて発掘した一枚3000円とかの古着を、自分流のセンスでさりげなく着こなしてる人って、男でも女でもその人のテイストとか体温が伝わってきて、すてきだよね。 
 でも最近は時間がなくて、古着屋めぐりが出来ないのがちょっと寂しいけど。

 最近、「デルフィーヌの場合」っていう、これから公開されるフランス映画を見ました。ジェーン・バーキンの娘のルー・ドワイヨンっていう女優が出てて、ドレッドヘアもオシャレもさすがにかなりかっこよかった。
 まだウブで純情な高校生のデルフィーヌが、不良っぽい男の子を真剣に愛して突っ走って、彼のために売春みたいなことも我慢してやっちゃう。でも最後は……っていうちょっとショッキングなラブストーリー。主人公と親友役のルーとのあったかい友情がすごくジーンときて、あたしの小説ともどこかシンクロする部分があるな、と思ったよ。.ルーは自殺した姉のことが忘れられなくて、彼女のコピーのように振舞ってるんだ。恋人役の男の子は、在りし日のリバー・フェニックスに少し似た影のあるシャープな顔立ちで、あたし的には花マル。
 恋したり信じるのが怖いっていう人は、是非見てほしい。



10月13日 きょうはメッセージDAY

『シンクロニシティ』が出て、年6冊刊行=ドーバー海峡横断計画もあとは12月のアミ×ミカ=写真小説集を出すだけ。
 ここまで来れたのは、みんなのあったかい応援のおかげだよ。ほんとに感謝です。
 今回解説を書いてくれた松崎ナオちゃんに来週会うよ。みんなからメッセージがあったらBBSに書き込んでおいてね。
 それから、この小説で神戸のルミナリエの場面が出てくるけど、あの光の祭典をこの眼で見られたのは、クールで楽しいサイト「Bar Kajiura」のかじくん(第1回From Friendsに出演)が色々、詳しい情報を提供してくれたから。ありがとう! ルミナリエは資金不足で今年はどうなるかわからないらしいけど、ぜひやってもらいたいな。
 
この前書いた極秘計画のヒントをちょこっとだけ……。あたしは『シンクロニシティ』を書きながら、この本のオリジナル・テーマソングがあったらいいなー、って思ってたんだけど、そこから始まったアイデアだよ。みんなそう思わない? 映画やドラマみたいに、その本を見る度にメロディが浮かんできたら、もう一つ別の楽しみ方ができるかも。

 今回は、前回予告したドイツの旅の記念フォトストーリー……とかゆー大げさなもんじゃないけど、あたしが「面白い」とか「きれい」と思った街角や聖堂の光景をほんの少しだけアップしたよ。写真はすっごくヘタっていうか、テクニックゼロの素人だから、まあそのへんはヨロシクってことで。でも、自分の撮った写真を見ると、つくづくミカの偉大さを思い知る……。
 なにげなくお散歩してても、家の壁にカワイイ手作りの蝶がとまってたり、鐘がリボンみたいにいっぱいついてたり、みんなそれぞれ工夫してて、道を行く人に「見て見て!」って呼びかけてる。ステンドグラスはケルンの大聖堂。宝石のいっぱいついた人形は、たぶん戦争の時にナチスから宝物を守る為に集められたもの……だと思うけど、真相はナゾ。

 12月の写真小説、どんどん完成に近づいてるけど、ミカ×MAOちゃんの世界は、もう言葉もでないほどスゴイ。あのミカカラーと、MAOちゃんの瞳光線のリミックスは、史上最強だよ。「一冊の映画」っていう感じに近いドラマティックな作品になるので、ほんとに期待しててね。
 去年から「パソコン買うー」と言いつづけてまだ買ってないミカも、MAOちゃんもこのページに遊びにきて!



9月28日

 ただいまー。昨日の夜、フランクフルトから帰ってきましたー。
 時差ぼけで昼間ものすごく眠くなるし、まだ頭の中はドイツにいる気分。
 とゆーわけで(どんなわけだ?)、前半はこの前の松崎ナオちゃん&椎名林檎のライブ報告。後半はドイツで感じたことについて語ってみようと思います。
 あたしがナオちゃんを知ったのは、彼女がでてた「シンク」っていう映画を見た時。不思議な存在感にひかれてCDを買ったら、「電球」や「白いよ」、「もう一人のボク」とか大好きになった。女の子でも男の子でもない中性的な「ボク」が主語の歌詞。少し気だるくて、でも一度聞いたら忘れられない印象的な声。他の誰にも真似できない、ナオちゃんだけの透明なせつなさがすごく心地よかった。
『シンクロニシティ』ではある理由があって、どうしてもそんなナオちゃんに解説を書いて欲しかったんだ。その「理由」はもう少ししたら、みんなに大公開するから、楽しみにしててね。ぜーったい、みんなに超感動してもらえると思う。 
 10月中に、このHPでスペシャル計画の中身を発表しまーす。
 ナオちゃんに呼ばれてこの前、シモキタのキャパが100人ぐらいの小さなライブハウスに行った。そう、松崎ナオ+椎名林檎のシークレットライブ。4つめぐらいのグループで、顔を隠したショートヘアの女の子が振り向いたら、それが林檎ちゃん。みんな知らなかったらしくて、おーってどよめいてたよ。「罪と罰」とか「少女ロボット」とか、5、6曲歌ってくれたけど、どの歌もみんな彼女の魂から搾り出したものって実感できたし、曲の匂いも手触りも色もすべてアーティストのオブジェみたいに、1ミリでも動かしたり削ったりできないものだってよーく分かった。今度はロンドンのクラブかなんかで聞いてみたいな。
 最後はいよいよナオちゃん登場。細い体のどこから出てくるんだろうって思う、ものすごくクリアに響く声で、あたしの好きな曲をいっぱい歌ってくれた。どういう歌って表現するのは難しいけど、一度聞いたら絶対に忘れられない空気感があって、あたしにはそれがすごく心地いい。ナオちゃんは以前からあたしの小説を読んでてとっても感動してくれたんだけど、あたしも彼女の世界にはすっと風と一緒に入っていける。これも『シンクロニシティ』なのかも。この辺が「計画」の謎を解く鍵でーす。最高のライブの夜はふけ、立ちっぱなしの足はぱんぱじゃなく痛かったけど、とっても満ち足りた気分になったよ。
 で、ドイツ。いつもの放浪癖が出て、トモダチに会いにふらっと行ったんだけど、ほんとに優しい人ばっかりで楽しい旅だった。デュッセルドルフとかケルンとか西の方しか行けなかったけど、東京都庁ぐらいある巨大なケルンの大聖堂で聞いた賛美歌とか、人間の頭ぐらいある豚肉の塊アイスバイン(結構おいしい)や血のソーセージや冷えたドイツワインの味とか、なにげに入った美術館でダリやエルンストやクレーやキリコの傑作を見つけた時の感動とか、とにかく楽しかったなー……。
 列車に乗るとヘンゼルとグレーテルに出てくるような樅と白樺の森や、赤い三角屋根の家が並ぶ景色があちこちにあって、どの村にも教会の高い尖塔と古いお城が見えて、まるで絵本の世界に迷い込んだみたい。それにドイツ人やフランス人の学生や旅行者ともトモダチになれたし。かたこと英語でも全然平気だよ。
 今度は絶対に、ベルリンのラブパレードを見て、ユーロ新幹線でヨーロッパ中を回ろうと決心。ドイツレポート続編……はあるかどうか不明だけど。

 10日、いよいよ『シンクロニシティ』が出るよ、楽しみにしててね!!



9月14日

 最近、MONDOGROSSOの「MG4」にハマりまくりです。
 原稿書いてるときは、ずっとCDプレーヤーに入れてエンドレスに聞いてる。これって、ボーカルにマンディ・満ちるや、birdや参加してるんだね。
 今日初めて歌詞カードみたら、めちゃめちゃ良い詞でびっくり。「New Star」とか、「North Star」とか、サウンドも歌詞もほんとに最高。今日また「ザ マン フロム サクラ ヒルズ」をかったちゃった。楽しみー。みんな、絶対聞いてみて!

 気持いいこと。あたしを風みたいにどこか遠くに運び去ってくれること。はっとする新鮮な歌詞や音の連なり。音楽の中に込められた愛。それがあれば、世界はとてもキレイな色彩に塗りつぶせる。

 トモダチのカメラマンが、オーストラリアの風景をヘリから空撮して個展を開いたので、新宿に見にいった。グレートバリアリーフの珊瑚礁を空から見たショット。まるでターコイズの原石みたいなディープブルーの外海と、エメラルドブルーやサファイヤの浅瀬が、光の中で寄り添うように燦然と輝いてたよ。白砂の丘が幾重にも重なってる岸辺は、揺れるレースのカーテン。ネイティブのアボリジニーが住んでるダーウィンは、雨期になると森も海になってオオトカゲが出没する不思議な世界に変わる。
  
 決めた!! ダイビングのライセンス、必ずとる。これまでもとりたいとは思ってたけど、なかなかきっかけがなかったから……。もしライセンス、持ってる人がいたら、スクールとか情報教えてね。スーツと器材、一式買うと、海外旅行1回分ぐらいかかるらしい。でも、あんな目の眩むような海に潜れるなら、お金なんかって感じ。
 ダイブできるようになったら、沖縄の離島とグレートバリアリーフとマリアナ海溝とモルディブと……ぜんぶ制覇するんだー、って言うだけなら誰でもできるけど。

 ダイビングしたくなったもう1つの理由は、「イルカは1匹1匹名前がついていて、お互い、遠く離れてても、ちゃんと名前で呼び合う」っていう記事を何処かで読んだこと。すごいよね。たとえば「キー」とか「ギギ」とかいう名前なのかな。「キキ、元気? 今、あたしはハワイ南沖十キロのとこで、トモダチと遊んでるよ」とか「ギー、アイシテル。もうすぐ戻るからね」とかメッセージ送るのかな。
『トゥモロウズ・ソング』でも書いたけど、きっと海の中の世界の方が、陸上よりもっと大きな、包み込まれるような優しさに出会える気がする。


 ジャック・マイヨールみたいな人生っていいな。
 どこまでも深く深く潜る。太陽の光も届かない闇の海底。
 きっとそこは宇宙空間と同じ。
 聞こえる音楽は、とても低く静かな歌だけ。

 帰っておいで
 あなたを癒してあげる
 私の心臓の音を聞いて
 百万年よりもっと
 長くうち続けている
 ものみな生まれし始原の歌
   無窮の青
      風の生誕
         神の揺らす
           
            夢の孵化器



8月30日

 1カ月ぶりになっちゃったので、今日はちょっと濃ゆい話を……。
 最近、すっごくかんどーしたことが3つあった。それがみんな根のとこでは重なってるような気がしたんだ。
 その共通部分は「光」。

 1つ目は「ひかりのまち」っていうイギリスの映画。
 これはプログラムにあたしの感想エッセイが載っているから、是非見てね。監督は「ウェルカム・トゥ・サラエボ」っていうすっごくいいドキュメンタリー風の映画や、タトゥーとピアスと殺しと愛の風変わりな映画「バタフライ・キス」を撮ったウィンターボトム。
「ひかりのまち」っていうのは、ロンドンのこと。テレクラで恋人探しする女の子が主人公なんだけど、彼女もその姉妹や両親も誰もが心を暖めてくれる誰かを探してるのに、肝心なsomeoneには出会えなくて撥ね付けられたりすれ違いばかり。
 冷えたせつない心が、あたしの大好きなロンドンの夜の美しいイルミネーションに重なって、自分自身がひとりぼっちで夜の街を彷徨ってるような気分になる。でも見終わると、周りの人々に暖かくて優しい感情を抱きたくなった。夫婦、親子、別れた夫婦、一瞬だけの恋人ごっこ、姉妹……色んな人間関係の隙間が、一晩のささやかな事件でまた少しだけ埋まり、街の灯りや花火にとけていく。そんな「光」の映画。

 昨日まで沖縄の離島へ行ってたんだけど、そこでもすてきな光を見た。激しい土砂降りの後、急に海が燦々と明るくなって、物凄く大きな虹が、目の前に現れたんだ。
「虹のかけ橋」っていうけど、ほんとに七色の光のアーチを上っていったら、向こう側の世界へ行けそうだったよ。あんな大きくて鮮やかな色彩の虹を見たのは、生れて初めて。
 それまで悩んだり落ち込んでたことが、ウソみたいに虹に吸い込まれていっちゃった。大切なヒトとけんかをしても、苦しいことがあっても、誰かが、「見て。虹が出てる!!」って言った途端に忘れられちゃう。だって、虹はオーロラや流れ星や雲からこぼれる陽射しの作る天使の梯子と同じで、特別でミラクルなものだから。
 一緒に虹を見た相手とは、きっと希望を分かち合える。
 そういう日常の奇跡に「スゴイ」って思う気持ち、忘れたくない。
 雲が流れてきて、虹はほんのつかの間の夢みたいに消えちゃったけど、あの虹を見られただけで、最高の旅だった。

 そして今夜、大好きな沖縄から戻る飛行機の中で東京の赤や緑や青に瞬く、宝石箱をひっくり返したみたいな美しいイルミネーションを見た時も、不思議に心が揺れた。
 何度飛行機に乗っても、夜空から見る東京の夜景はきらきらしててほんとにきれい。
 空気が澱んでても、海が汚れてても、人の呼吸と体温が光の中に息づいてる優しさを感じるよ。
 
 台風のおかげで飛行機が5時間ぐらい遅れたし、風が強くてメチャ揺れたけど、やっぱり沖縄は何度行ってもいい!!
 珊瑚礁の透明な海に潜って熱帯魚と遊んだり、ゴーヤーチャンプルーや、ソーキそばを食べて、すっかり島のヒトになって帰ってきました。

 そろそろ夏休みも終わりだけど、1つでも自分の「光」を見つけられれば、最高だよね。あたしは小さい頃から学校とか集団で何かやることとかがニガテで、今でもたくさんのヒトの中にいると少し息苦しくなったりする。それでも何とかやってこれたのは、どんな時も虹や夜の街の灯りやがトモダチだって思えたからだと思う。
 自分も含めてちっぽけな人間の弱さ、悲しさ、醜さの上に降り注いで、別の何かに変えてくれるたくさんの光たちに、リスペクト&スペシャルサンクス……。


7月29日

 渋谷のパルコブックセンターで、ショーウィンドーに展示されてた洋書の写真集に一目ぼれした。2時間買おうかやめようか悩んで(別に悩むこともないんだけど、衝動買いが多いから)、結局買ってすごくハッピーなキモチになったので、今回はそれについて……。

Peter FischliとDavid Weissという2人のカメラマンの「Musee d'Art Moderne de la ville de Paris」という写真集だよ。二人のカメラマンについては何も知らないんだけど、これがめちゃめちゃファンタジックで耽美的な花と光と森の植物の写真ばかり。
 桜、石榴の実、リンドウ、タンポポ……どこにでもある森の木や花を、太陽の木漏れ日や周囲の緑や落ち葉や樹の根と組み合わせて、色彩の宝石箱みたいにきらきらした不思議な世界をつくり出してる。
 息を飲むように鮮やかなブルーの空とフーシャピンクの花、ブリリアントグリーンの草と光に輝くブロンズ色の落ち葉……森や野原を歩いていれば、誰でも見つけられる一コマが、こんな素敵なアートになるのは、やっぱり美しい光と色彩をキャッチする眼差しの魔術なんだよね。
 しかも、普通の本のように綴じられてなくて、1枚1枚折りたたんで重なっているだけ。だから、壁に貼ったりするのも簡単なんだ。

 とゆーわけで、今、あたしは大量に買い込んだ額に、この写真集をバラして入れて、部屋に飾ってる。疲れて憂鬱になったり、パソコンの使い過ぎで目が疲れた時、壁の写真を見ると、不思議の森に迷い込んだみたいで、凄く心が癒されるよ。

 あたしは人間の眼差しは、2つの役割があると思う。1つは普通にものを認識して危険のないように行動すること。そしてもう1つは、世界の美を探し出すこと。この前、ミカと話した時も「音感とおなじように、最も美しい色を見つける絶対色感ってあるよね」って話した。ミカは普通の何気ない街並みにカメラを向けて、彼女にしか見つけられない美しい色や、光と影を切り取る。

 人間の世界には、裏切りとか苦しみとか醜さがいっぱいあるけど、闇の向こうには光があるし、思いもかけない喜びも存在する。活字っていう道具を使って、それを巨大なタペストリーに織り込むのが小説なのかなって、あたしは思ってる。

 日常に疲れたら、月の出てる夜の街を一人で歩いみて(もちろん危険じゃないとこね)。色彩が消えた代わりに、今度は色んな静けさの音楽が聞こえるよね。
 風、眠り、孤独……沈黙の奏でる無音のメロディ。昼とは違う青白い月明かりの景色に、きっと別の自分が見つけられる。憂鬱でも悩んでても、心の眼差しが見つける世界の美しさは、どんな時も決して裏切らないトモダチだよ。


7月12日

 随分ひっぱっちゃったけど、いよいよ表紙モデルオーディションの完結篇!!
 最後に残ったのは前回書いたカップルの女の子と、不思議な雰囲気の中学生の女の子の2人。ミカたちと白熱の議論(!!)の末、これまで表紙を飾ってくれたマミちゃんの儚げで清冽な魅力と、少し違ったドキドキ感のある雰囲気にしてみようと、中学生のMAOちゃんに決定しました!! ぱちぱちぱち……。
 マミちゃん今までほんとうにどうもありがとう!!
 ネットよくやるっていってたから、これ見てくれてるかも。
 マミちゃんがモデルになってくれたこれまでの表紙は、あたしの一番の宝物。いつまでも風に揺れる淡いピンクのコスモスみたいな、シャイですてきな人でいて……。
 MAOちゃんは愛犬のゴールデン・レトリーヴァーのほか、プレーリードックや亀やたくさんの猫を飼ってる、動物大好きな女の子。だけど、初めて会ったとき、中学生でこんなに微妙ないろっぽさのオーラがでるのかって、かなり衝撃だった。
 そして彼女がミカの手で撮影されると、あどけなさとオトナっぽさの間で揺れる、神秘的なヒロインになっちゃうのです。実は選考会が終わってすぐ、8月発売の『ヴァーミリオン』の表紙を撮影しました。みんなは『ヴァーミリオン』で、MAOちゃんの不思議ワールドに出会ってね。

 最近、連続して「当たり!!」の映画を3本見たよ。
 アカデミー賞の「アメリカン・ビューティー」と、イラン映画の「太陽は僕の瞳」、それから「ボーイズ ドント クライ」。
「アメリカン・ビューティー」は父親が娘の友達に欲情したことから、音もなく崩壊していく普通の家庭の悲劇。登場人物の中でたった一人だけ、世界の意味をありきたりのビニール袋が風に舞う光景に見つけられる、隣りの家の不思議な少年リッキーにメチャ共感した。メッセージがストライクゾーンにはまる、凄くうまいシナリオの映画だなーと感心。
「太陽は僕の瞳」は、盲目にうまれつきながら、健常者よりずっと深く自然のエネルギーを感じ取ることができる、繊細で優しい心をもった少年が主人公。彼のせいで再婚できないと父親に疎まれて、一度は河の濁流に落ちて見殺しにされかけるけど、最後に奇跡が訪れて……。
 この映画は途中から涙涙涙で、ラストでは目が真っ赤に腫れてた。
 イランの美しい自然の中で、風や太陽や光を耳や感覚で知ることができる少年に、最初から最後まで感情移入しまくり。深い山の中から聞こえるカッコウや蛙の声が、まるで少年と同じ様に心に響いてくる。
 あんまり感動したから、もう一度見にいったら、また途中から涙涙涙……。
 これほど涙腺全開になったのは、「イル・ポスティーノ」以来だったなー。
『ヴァーミリオン』の解説は、幻冬舎Webマガジンでもおなじみの田口ランディさんが書いてくれてるんだけど、この映画のプログラムにも、とってもいい映画評を書いてる。映画を見た人はチェックしてみてね。
『ヴァーミリオン』の解説では、すっごく鋭くてナイスな分析をしてくれました。
 田口さん、ありがとう……って、ここを私信に使ってる(笑)。
 そして今日見たのが「ボーイズ ドント クライ」。身体は女で心は男っていう性同一障害者の主人公が、男として振舞って女の子に恋をする。でも偏見の強い地方だけに、不良たちに絡まれいじめられ、最後は悲劇的な結末になってしまう実話だよ。これもラストが余りにせつなくて、泣いた。性別がどうであれ愛する心に変わりはないのに、自分と異質なものを怖れたり排除する人の心ってただただ悲しい。あたしはバイとか性同一障害とか両方の性を持っている人は、女だけ、男だけよりずっと豊かな感覚の世界に住んでると思う。これも絶対おすすめ!

 NEWS
 今度このページのマスコットキャラが登場することになりました。あたしの提案でモデルはモモンガに決定!! みんな知ってる? モモンガって昼はボールみたいに丸まって寝てるけど、夜は両手をひろげて木から木へ鳥みたいに飛ぶのです。
 ペットにして飼うと、すごく人に慣れて、ポケットに入ったり身体の上を走り回ったりして遊ぶかわいー奴です。
 確か「クマのプーさん」にも出てきてたよね。とゆーわけで、ここに乗せたイラストはあたしの描いた原案。これがどう変わるか楽しみ。飛んだり跳ねたり仕事したりサボったりイジケたり、あたしになり代わって色々活躍するから、可愛がってやってね。
 それとこのホームページが大幅ボリュームアップしました。お待たせしていたBBSもついにオープン。みんなどんどんカキコして、盛り上げていってね。
 その他、メルマガやi-modeも始めちゃいます。忙しくなるかもしれないけど、いつもみんなの側にいられるように頑張っていきますので、応援よろしく!! バナーも作ったから、自分のページに貼ってください。

PS「ファイナル・ブルー」に出てきたウサギのプリンの隠れモデル、うちのロップイヤーラビット、チョコちゃんが死んでしまいました。享年5歳。
 ウサギって死ぬ直前にキーッって高い声で鳴くんだよ。心臓マッサージしてあげてるうちに呼吸がとまっちゃって……。まだあったかい身体を抱いたら、イタズラ好きだった子ウサギの頃を思い出して、思いっきり泣けてしまった……。
 ブランキーも解散しちゃうし。
 なんか今回は涙の話ばっかりになっちゃったなー。


6月28日

 「表紙モデルオーディション」最終選考の実況中継第2弾です。
 BGMは、今一番お気に入りのcoccoの新アルバム「ラプンツェル」。
 これはメチャいいです。詞もぞくぞくするほど……。
 coccoまいらぶ!!!

 この前、最終選考に残った女の子の中に、彼氏を連れてきた人がいるって書いたけど、彼女の話があまりにステキだったので、ちょっとここで紹介しちゃう。
 彼女は19歳、女優志望。彼氏は19歳、俳優志望。
 2年前、2人は静岡のとある小さな町で、別々の高校に通っていました。
 2人は通学路で毎朝出会うけど、学校は逆方向。
 お互い気になりながらも「こんにちは」と頭を下げるだけの日々。
 そんなある日、彼が勇気を奮って「友達になってください」と声をかけ、その日から2人はいつでも一緒の恋人同志に。

 でも彼女には悩みがありました。とてもマイペースで優しすぎる性格と、女優になりたいという夢ゆえ、家族の中では「変な子」「頭が悪い」と見られ、浮いた存在だったのです。
 そんな違和感から、あたしの小説の主人公に自分を重ねてを読むようになりました。
 おっとりしていても意志はかたく、高校を卒業してから「東京に出て、女優になる勉強をしたい」と、家族の猛反対を押し切って一人住まいをスタート。彼は彼女と離れている事に耐えられず、後を追って東京へ。
 今、彼女と彼は同じ喫茶店でアルバイトをしながら、夢を叶えるために色んな勉強をしています。「いつでもどこでも一緒」の2人は、とーぜんオーディションにも2人で来ました。
 もちろんフツーのオーディションは、カップルで来るなんて考えられないけど、この2人は余りにラブリーだったのでスペシャル待遇。
 2人の話にみんな、なんかあったかーい気持になり、記念にカップルの写真を撮ろうということに満場一致で決定。
 こーして2人がおでことおでこをくっつけて、眼差しで「アイシテル」と囁き合う、実花さんのすばらしい写真が誕生しました。

 なんかその撮影の光景を見てたら、カンドーして涙うるうる……純度150パーセントで愛し合い、信頼し合う2人って、周囲の人間の気持も自然にピュアにしちゃうのかな。
 このときのカップル写真、いつか何かの形で、必ずみんなにみてもらいたいなーと思ってます。

 もう1人、交わした会話が印象に残ったのは、外見はすごくキュートなのに、「君は優等生すぎて、つきあいきれない」という同じ理由で、3度つづけて恋に破れた女子大生。
 なぜか、こういう人を見るとがぜん燃えてきて、実花さんと2人で「ブラウスのボタンを3つめまではずして、煙草をけだるそうに吸って、たらした髪をかきあげて、口紅は真っ赤に……」とか、セクシービーム系ちょっとワル女の演技指導なんかしちゃったのでした。
 優等生をワルにするのは面白いけど、その逆は興味がわかないのはなぜ?

 とゆーわけで、みんなそれぞれ最高だったけど、決まったのは? ……次号のオーディション完結篇へ続く。

P.S. 吉報!! 最近、女性に人気沸騰中の幻冬舎の貴公子ことプリンス石原っちが、ステキな女性との楽しい語らいのひとときを希望中らしい。
 ちなみに石原っちのプロフィールは以下の通り。
 独身。優しさとクールの間で揺れ動くナイーブでビミョーな性格。椎名林檎大好き。女心のつかみはかんぺき。
 相手に求める条件はなんといっても、自分をめろめろに愛してくれること。その他、さっぱりしていて男っぽい性格だったり、時々「かわいいでちゅー!!」とバブバブ語で甘やかしてくれること。ってどーゆう人か、想像がつかない……。


6月15日

 今日はこの間、開催した「表紙モデルオーディション最終選考」のちょっと遅めの実況中継をしちゃいます。
 場所は、千駄ヶ谷の幻冬舎2階会議室。ずらっと並んだ選考委員はミカさん、文庫編集長の志儀っちと、編集の斎藤っち、日野っち(なぜかみんな、強引に「っち」にする!)、そしてあたし。それから雑誌「audition」の編集の人とカメラマン(この3人はとってもいい人たちでした)。それからなぜか某ノンフィクションライターの男性が1名。
 こんな多人数でずらっと机に並んでたら、なんか就職試験の面接みたいで、誰でも緊張するよね。でも、書類・写真選考に合格した14人の女の子たちとの会話は、めっちゃアットホームで楽しかった!! だってみんな、すごく個性的で、そのまま小説になりそうなヒストリー持ってる子ばっかりなんだもん。

 実はその前に、日野っちが第1次選考、ミカさんとあたしで何百通っていう応募書類をぜーんぶ見て、「第2次選考」をしたんだけど、これが色んな意味でケッサクぞろいだったよ。なかにはフラッシュが鏡に反射して、クビから上が電球みたいに白く光ってるだけの写真(つまり人間豆電球ね)とか、家のトイレに座ってヤンキーポーズをキメてる写真とか、レースクィーンみたいに水着でポーズ取ってるのとか、「egg」のブリテリ系とか彼氏とラブラブのキスしてる写真とか……もう楽しすぎー。
 あたしたちが真剣に選考してるときに、なぜか用もないプリンス石原っちがいつもの微笑みを浮かべながら登場して、「あーっ、この子かわいー!! この子もかわいー!!」とか鼻の下を伸ばして、去っていきました。
 ちなみに椎名林檎命・日野っちの選考基準は「胸が大きくて、自分が甘えられるようなお姉さんタイプ」だったので、彼の選んだ候補はほとんどミカさんとあたしに却下されたけど。
 今回のオーディションで、男の人はとりあえず「自分の彼女にしたい子」を選ぶってことがよーく分かった。

 で、残った14人の選考に戻るけど、小学5年生(!!)から中学生、高校生、美大生、モデル、女優の卵まで、色んな年齢の子が集まった。中には何とカレシ同伴で来て、2人のピュアでかわいいラブストーリーを語ってくれて、ラブシーンをミカさんに撮影されたラッキーガールも。みんな全員合格にしたいぐらい、素敵な女の子たちばっかりだったよ。
 だから次回も、「怒涛の選考過程」の続編いきます。アサヤンみたいだね。

P.S. 新刊『alones』出ました。登場人物みんなに、すっごく心をこめて書いたので、思い入れ深い作品です。江川達也さんの解説、とっても良かった。『東京大学物語』はハンサムで自意識超過剰な村上が、焦ってすっごくヘンなゾンビ顔になるところと、理想の相手・遥ちゃんといつまでたってもHできないくせに、他の女の子とはH全開のとこが、めちゃめちゃ笑えて大好き。「あーこういうの、あるある」って毎回納得してる。
 最終回、どういうふうに終わるのって聞いたら、ふふふふふって笑ってた。
 遥ちゃんのモデルは、江川さんの奥さんらしいです。なっとく。

またまたP.S. オーディションに応募してくれた、全国のたっくさんのみんな。ほんとにどうもありがとう!! みんなの書いてくれた手紙とか、コメントとか、ちゃんとミカさんと2人で読んだよ。


6月1日

 今日はあたしの中の「野性と本能」についてのお話。
 何かヘンな題だけど、まあ日記だからいっか。
 みんなの中には、ダニエル・キースの『アルジャーノンに花束を』っていう、名作SFを読んだことある人が多いと思う。あたしも、この作品、大好き。「アルジャーノン」っていうのは、脳手術の実験台にされて天才になった知的障害者の主人公チャーリィが、唯一、心の友にしていたネズミの名前。
 脳の機能がパワーアップするにつれて、最初は喜んでいた主人公も、そのうちあまりの天才的な頭脳ゆえ、普通の人間とはコミュニケーションがとれなくなる。
 そして退行。手術の効果は一時的なもので、チャーリーはまた「薄のろ」に戻っていき、それと同時に担当の女医との恋愛も壊れてしまう。ラストのせつなさに涙した人は、あたしも含めて、たっくさんいるよね。
 ところで、うちにも「アルジャーノン」がいる。っつーか、赤ん坊の時にうちに来たゴールデンハムスターに、そう名前をつけたんだけど。
 かわいくておバカな彼の行動を見てると、「生きるって何?」ってけっこう考えさせられる。外に出してやるとあっという間に脱走して、1〜2週間、平気で行方不明になっちゃうんだけど、彼が逃亡中に何をしてたかっていうのが「アンビリーバブル!!」なのです。あたしが壁にくっつけたソファに座ってたら、後ろから亡霊みたいにキーキーいうかぼそい声か聞こえてきて、慌ててソファをどけたら、車にひかれてぺッタンコになったカエルみたいに、ソファと壁にはさまれて潰れ、完全にミイラ化した「ネズミ煎餅」を発見!! したこともあった。
 2週間、飲まず食わずでサンドイッチになってたから、身体から水気が全部抜けて、干物状態になってたよ。もう駄目だ、死んじゃうと思ったら、全然違ってた。水を飲んでエサをたらふく食べたら、風船に空気が入っていくみたいにどんどん身体が元に戻って、今ではめっちゃ元気。
 そんなアルジャーノンの唯一のストレス解消法は、回し車の中で朝から晩まで走り続けること。人間でいえばルームランナーみたいなものだけど、どうも彼の頭の中では、「果てしなく続く広大な緑の草原を、どこまでも走り続ける俺」っていうロマンティックなイメージが出来上がってるらしい。何十キロ走っても、実は同じ場所でぐるぐる回ってるだけなのに。
 時々、ほんとは人間も同じなのかもって思う。「がんばれば、どこかにたどり着く」って信じて走ってるけど、もっともっと大きな存在から見たら、回し車を走るアルジャーノンみたいに虚しい努力なのかもしれない。以前、生きることに価値が見い出せなかったときは、「どうせどこへも行けないんなら、死んだ方がずっといい」って思ってた。でも、今は少し変わった。たとえカラ回りでも、走ることは未来に向かって進むことで、それが生命の喜びなんだと気づいたから。
 人は小さな野性の動物。なのに世界や自分を疑ったり否定する能力を持っているために、アルジャーノンのように幸せなままでいられなくなった。彼のように走って眠って食べて恋をする……そういうナチュラルな幸せに到達するためには、次々に現れる疑いや自己否定や虚無と闘って、勝ち抜くことが必要になんだ。闘うことをやめたら、人は闇の力に支配され、自然な生命力を失ってしまうから。
「ETERNAL WIND」の創刊号に登場してくれた、かじ君のサイト「Barかじうら」で、岡崎京子さんの特集をしてたけど、彼女の『リバーズ・エッジ』や『pink』は、そういう「今」の感覚を先取りしてるよね。

 あたしは疲れきって全てに虚しくなると、アルジャーノンや水溜りで水浴びする雀や、近くの川に浮かぶ渡り鳥たちを観察する。人は彼らより上でも下でもない。悩んだり疑ったりすることで人はどんどん孤独になるけど、本当はその孤独の痛みも、自分たちが作り出したものだとよく分かるんだ。
 太陽が昇って沈むことも、星座が季節と共にうつろっていくことも、春になると桜が咲いて、初夏には空気が緑の香りに満たされることも、もしかしたら永遠の堂々巡りかもしれない。宇宙の片隅で小さな自分たちの存在に怖れと不安を抱き、そういうものと闘うことも、世界には塵ほどの変化ももたらさないのかもしれない。
 それでも、生命はやっぱり星の輝きのように美しくて、あたしたちはその儚さをいとおしまずにはいられない。チャーリィが「どうかうらにわのアルジャーノンのおはかにはなをそなえてください」と、最後に書き綴ったように。


5月13日

 お台場に新しく出来た大型映画館で、「ビーチ」を見てきたよ。
「あのレオナルド・ディカプリオの」っていうちょっとアイドル映画的な売り方をしてるけど、レオの演技はほんとにうまいし、監督はトレスポのダニー・ボイルだけあって世代的に共感のできる脚本だし、すごーく深くてナイスな映画でした。
 ひとことで言うと、人はなぜどこにもない「楽園」を求めて旅をするのか、たどり着いた場所で何を見つけるのかっていうお話。タイの海上に、伝説の美しいビーチがあると聞いたバックパッカーのレオは、同じ旅行者のフランス人カップルと一緒に、夢の楽園を求めて海を渡る。ところが……これ以上はネタバレになるからストーリーは書かない。
 でも、最初は「地球の歩きかた」かなんかを片手に、大挙して東南アジアへ行くミーハー旅行者と同じだったレオが、最後は大切な事に気づく。人間はもう禁断の果実を食べてエデンの園を追われた時に、自然が生んだパラダイスに生きる資格を失ってしまった。そして今、自分がいるこの場所を心の中で楽園と感じられないのなら、地球上どこへ行っても楽園なんか存在しないって。
 これってあたしの「旅」の感覚とすごくシンクロしてて、ラストが心に染みた。
 サンフランシスコとかロンドンとか沖縄の宮古島とか、思い出に残る旅は沢山あったよ。宮古島の白砂のビーチも海の色も本当に「楽園」そのものだし、サンフランシスコは日向に咲くマリーゴールドの花みたいな太陽の降る美しい街。でも一人であてもなく街を歩いてると、そこで生活してる人々の瞳に映る風景が見えてくる。
 たとえばシスコのバス停留所で「煙草、持ってたら1本ちょうだい」と声をかけてきた、一見してジャンキーと分かる、イッちゃった空虚な目の黒人の女の子。頬のこけた彼女は素足で、一日中、道端にぼんやり座り込んでる。「どっからきたの」って、死人みたいに無表情な顔であたしに話しかけてくる彼女の目には、この天国みたいなへヴンズブルーの空はどう見えているのかな。きっとこの街には、逃れたいものが沢山あるんだろうって、ずっと考えてた。
 その瞬間から、あたしはもう日常から遠く離れた、心躍る旅行者ではいられなくなったんだ。あたしの中には、その女の子や、スーパーのレジの太った少し不幸そうなおじさんや、公衆電話のボックスに座り込んで何時間も空を眺めてるホームレスの男の子の眼差しが住みついて、あたしと一緒に世界を見てる。
 海の色も空の輝きも、少しだけ物悲しく淋しくなる。そこにあるのは夢のパラダイスじゃなくて、人の悲しみや喜びが無数に宿る、光と闇に彩られた生きてる街や自然。そんな旅を続けていくと、狭い自分自身に囚われてた感性が、どんどん変化していくのがよく分かる。その変化が、あたしにとっての本当の旅なんだと思う。

 あたしは東京で生活してる今だって、毎日、旅を続けてるよ。
 昨日、渋谷Bunkamuraの裏階段に座って、ぼんやり道行く人たちを眺めてたら、そんな風に思った。どこへも行けない、ありきたりの日常。うす曇りの空と見慣れすぎた町の景色。でも、旅する人の感性でいつも空気・音・風・光・人の心・街の呼吸……を感じていれば、あたしをインスパイアして変化させてくれるものは沢山ある。
 感覚を閉ざしたら、そこで旅は終わり。
 そんなのつまらない。もっともっと変わりたい。
 だからいつも、ほんの少しの荷物を持って、どこまでも歩き続けたいと思う。
 映画を見て、音楽を聴いて、人と出会って言葉を交わし、過去と未来の間を行ったり来たりしながら。この心の空が晴れ上がって虹がかかったとき、世界のどんな場所にいても、そこがあたしの「楽園」になるから。
 
 PS・来月出る「鳩よ!」で、実花と恋愛について対談しました。彼女のポテンシャル200パーセントのノロケ話が読めるよ。それから今発売中の「オーディション」という雑誌に、モデル募集の記事が出ていて、実花や日野っちが写真入りで登場。あたしは謎。
 さて、ここでクイズです。次回作『alones』の解説を書いてくれた人は誰でしょう?
 ヒント 超人気漫画家。男性。おもしろい人。分かった?


4月29日

 春の匂い。
 あたしの一番好きな季節、夏に向かって、世界が日ごとに美しく輝き始める、優しい光の戯れの時間。
 桜並木は花のかわりにブリリアントグリーンの若葉が枝を絡ませて、生命の鼓動を太陽と土から一杯吸い込んでる。何よりも好きなのは、緑の芽の匂いなんだ。何かわくわくするようなことが始まる、期待と予感に満ちた濃厚な甘い香り。
 その香りを身体一杯に吸い込むと、身震いするほど魂か喜んでるのが分かる。たとえどんな悩みがあったって、この魔法には勝てないよね。

 そんな暖かな日の宵、赤坂ブリッツのバインのライブに行ってきました。
 めちゃめちゃよかった! 特に後半から「南行き」「リトルガールトリートメント」「いけすかない」「スロウ」とノンストップで好きな曲が続くと、もう熱狂状態で、思わず「田中くーん」とか叫びそうになってた……恥ずかしいからやめたけど。
「南行き」のギターソロ、アメリカ南部の黒人ブルースみたいに乾いた土埃とぎらぎらした太陽の匂いがして、痺れるほどカッコよかったよ。
 そして、ラストはあの幻の名曲「覚醒」から「Here」へ。「覚醒」は、初めてブリッツでバインを聞いてカンドーした曲だから、このライブでやってくれたのが、すごくうれしかったんだ。
 終った後、田中くんに「新しい小説に、さりげなくバインの曲のタイトル入れたよ」と言ったら、「ほんま?」って思いっきりうれしそうに笑ってくれた。さて、クイズです。『LOVE ASH』の中に、バインの曲名が二つ隠されています。それはなんでしょう? 簡単すぎるよね。
 バインの髪型とファッションのコーディネーター役を志願して、リーダーに「そのヘアスタイルを……」って言いかけたら、即座に「嫌だ」と却下されちゃった。みんな、自分の恰好にはすごくこだわりもってるんだなー。あたしだって、他人に自分の髪型とか服装とか、勝手に決められたら納得できないから、よく分かる。美容院できれいにブローされると、そのあと必ずわざと指でぐしゃぐしゃにしちゃうし。

 今日はこのまま音楽の話でいきまーす。
 sugar soulの新しいマキシアルバム「respect yourself」聞きました。「汝自身を敬え」。凄くいい言葉だよね。自分を尊重して敬えなければ、他人だってrespectできない。目指す高い場所へ行きつく努力をしている自分が、たとえ今は報われなくても、そんな自分を励まして抱擁する力を持てっていう事だと思う。ちょっとボサノバのリズムが入ってる、軽やかなメロディーが朝陽の暖かさのようで心地いい。少し落ち込んでる日々の朝、自分を励ますためにベッドの中で聞きたい、オトナの女の曲だよ。

 あたしがミュージシャンを好きになるきっかけは、音を通して心に強い新鮮な揺さぶりをかけてくれることが第一条件。だから彼、または彼女たちがどんな背景を持ってて、どんなビジュアルや売り方やジャンルなのかは、全く関係ないんだ。だからテレビを見て好きになることって、ほとんどない(どうせ殆ど口パクだしね)。
 FMからさりげなく流れてきたり、CDショップで試聴したり、バインみたいにナマで衝撃の出会いをしたり……。
 とりあえずマイブームになると、朝から晩までそればっかり聞いてる。これは音楽だけじゃなくて、スナック菓子とかも好きになると、毎日コンビに通って買い占めるから、一週間後はその商品はソールドアウトになってるぐらい。
 そういえば、この前HMVで、ずっごく心に響く新しいUKバンドのアルバム、発掘しちゃった。近年まれにみる不思議カタストロフィー幻想ロック。またまた作品に登場させる予定なので、お楽しみに。


4月1日 
 こんばんは。もうすぐ夜中の1時です。
 今回は中学生日記風に、「アミの一日」を書いてみるね。
 今日は渋谷でミカと雑誌の対談をしてきました。ミカは髪にエクステンションをつけてショッキングピンクのセーターに、メキシコイエローのズックと七色のネイル・アート……春のお花畑みたいに色がいっぱいで、すごくカワイかった!! 
 で、ふたりで109の階段に立って写真撮ってもらって……白リップ系の女の子たちの群れの中で妙に浮いてた感じもするけど……写真と小説のコラボレーションのこととか、恋愛やお互いの性格についてとか色々話したので、5月に本屋で見つけたら読んでみて!! 
 その後、「パレット・バレエ」という、塚本晋也監督・主演の映画をシネ・アミューズで見た。かなりヘビーな内容で、「楽しむ」っていうより、自分がシナリオライターだったら、ここはどーするかなあとか、あの女の子のキャラなら、ここで泣かせるなよーとか勝手に考え込んでた。でも塚本さんって、才能あるよね。
 何しろこの映画にはBLANKY JET CITYのドラマーの中村達也が、「おぬしもワルよのう」っていう感じのボス役で出演してて、かなりいい味出してる。
 それに真野きりなっていう、モデル出身の女の子が、すごくチャーミング。ショートカットで、いつも黒革のミニのジャンパースカートをはいてるんだけど、それがまた長ーい足によく似合う。媚びない表情がエロディ・プシューズ風でよかったよ。
 それからケーキ食べて、家に帰って、真面目にお仕事……でもないかな。
 
 なんかよく考えてみると、あたしはどんなに忙しい時でも好きな音楽・映画・本・服を探すツアーは欠かしてない気がする。だってそれがなくなったら、心が渇いて鬱になってくるから。砂漠の心では、砂漠のような作品しか書けないよね。だから、見たい映画や本や写真集、聴きたいCDやライブがいっぱいありすぎて、いつだって焦ってる。
 ところで、バインの「Here」はもう聴いた? 聴けば聴くほどしみじみいい曲がいっぱいで、アミ的には大絶賛モード。特に「リトルガールトリートメント」が好き。2000年のライブツアーにも行って、またナマでしか味わえないバイン・マジックにはまろうと思ってます。
 田中くんがライブの時いつも「全身全霊で」汗流しながら歌うのを聴いてると、「こんなに自分を200パーセント放出しきってしまう人がいるんだ。だから頑張らなくちゃ」ってすごく感動するし、励まされてる気分になる。  
 汗や涙やエネルギーは、どんなに出し切ったってなくなったりはしないよね。明日になれば、ちゃんと再生してる。それを教えてくれるすべての人たちに「感謝」です。


3月22日
 今日のBGMは「Cream Anthems 2000」。イギリスのクラブ音楽を集めた二枚組CDで試聴して一耳惚れ(?)したおすすめ盤だよ。特に一枚目の「Seven Cities」が、めっちゃ気持ちいい。
 夜中、レイブで踊り明かして、夜明けの朝日が昇る頃にかける音楽をチルアウト・ミュージックっていうんだけど、この曲は海辺の波打ち際から水平線を染めるオレンジ色の太陽を見てる気分になる。
 あー、そんなことを書いていたら旅に出たくなってきた!! デイパック一つ担いで、行く先も決めずに空港に行って、ゴアとかサンタフェとかふらっと行きたいよー。あたしの旅は、「無計画」かつ「きまぐれ」がポイント。自分でも明日、どこへ行くか分からないような日々が大好きなのです。計画を立てちゃうと、それに拘束されるような気がするから。ガイドブックにのってる観光地をわざと避けて、鄙びた小さな街のカフェとかに入ってみると、近所のおじさんと仲良くなれたり、そこの生活の匂いがかげたり、意外な発見がある。
 今、旅に行きたい熱に浮かされながら、パルコブックセンターで衝動買いした「MEXICOLOR」っていう写真集を眺めてます。あたしといつもあたしの本のカバー写真を撮ってくれているミカとは色んな共通点があるけど、「メキシコの色調が大好き!」「こーいう赤がいい」「こーいう青でなくっちゃ」っていう、色の趣味が嬉しくなるほど同じ。
 そういえば映画「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」に出てきたキューバの風景も、ブルーや赤が死ぬほどきれいだったっけ(あの映画、最高。歌もピアノも最高。ラスト号泣したよ)。
 決めた。明日はあてのない一人旅に出る。行く先は……風が海の果てへ渡って行くのが見えるところ。


3月15日
こんにちは。桜井亜美です。
マイ・ホームページができました!! ここからアミが今、考えていることや好きなもの、好きな人たちについて、みんなに情報を発信していきたいと思ってます。とゆーわけで、このDiaryはあたしが日々、感じたことをリアルタイムで更新していくページ。裸のアミワールドをさらけだしちゃうつもりです。感動した映画や音楽や本や出来事、なんでもありなので、どこへどう流れて行くのか自分でもまだ分からないけれど……。
結構ささやかなことで悩んだり歓喜したりする日々に、みんなが共感してくれたらすごくうれしい!! ちなみにアミは新しい絵文字作りの天才です。例えば

     ∩    ∩
(@  ×  @)

はウサギとかね。……やっぱあんまり天才じゃないかも。 
とにかくドキドキの毎日の中に、幻冬舎カンケイ者の暴露ネタ(!?)や、こういう遊びもいっぱい詰め込む、AMI'S DIARYをよろしく----。



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