12月15日

 最近、ちょっと忙しくて引きこもりっぽい生活がつづいてた。
 でも、たそがれ時になると、意味もなく街をほっつき歩きたくなる。
 これはずうっと昔からの体質的なもの(笑)らしいんだけど、陽が沈むころパソコンの前に座ってると、身体がむずむずしてきて、気がつくとどこかの街の裏通りとかをふらふら歩いてるんだ。
 なんか野良犬みたいだけど(笑)。
 3キロぐらい、結構平気で歩いちゃうよ。で、行ったことのない街の、歩いたことのない通りとかで、何気なく立ち止まった街角の橋や欄干から、ものすごく綺麗なヴァーミリオンの空とか、鳥の群れみたいに不思議な形の雲とか、ヴァイオレットに染まった富士山とかが見えると、日常生活で心の中につかえてたものがさーっと消えていく。
 それに街を歩いてると、「世界には恋があふれてるんだなー」ってやさしい気持ちになるよね。公園で泣いてる女の子を抱きしめて涙をふいてあげてる恋人のいとおしげな表情とかとか、別れがつらくてずーっと手を握りあったまま動かない二人とか、彼のひざの上にちょこんと乗って、抱きつきながら甘えてる女の子とか。
 なんかこっちまであったかい気持ちになっちゃう。
 一人で歩くのも楽しいけど、もっと幸せなのは大好きな人と二人でふらふら歩くとき……。
 あてもなく、行く先も決めないで、「ねー、あのお店、かわいいよ」「入ってみようか」とか言いながら歩くときって、一番ステキな時間だよね。カフェやレストランで向かいあっておしゃべりするのもすごく楽しいけど、二人で同じ景色や空を見て「あっ、あれキレイだね」とかお互いに教えてあげられるときが、最高にいい時間だと思う。
 よく「愛とは見つめあうことではなく、同じ方角を見て一緒に進むことだ」とか言われるけど、確かに同じものを見て感動を共有すると、もっと愛が深まるような気持ちがするよね。
 好きな相手の気持ちや内面を追及しちゃうのは恋の段階で、恋人を無条件に信じられるようになったら、体験を一緒に共有することが愛のあかしなのかも。
エッチっていうのもそういう「一緒にする体験」の中のひとつの究極形だけど、最近、一緒に街をふらついたり同じ夕焼けを見ることも、すごくそれに近いことなんだなーって思う。
 大切なのは、心がどれぐらいそばにいられるかってこと。身体はくっついていも、心が何キロも離れていたら、ひとつの感動はわけあえない。
 あたし的な感覚では、理想の恋人ってこういう感じ。二人で波打ち際や川原に座って、海や河を眺めてる。結構、30分ぐらいへーきで無言。ひざまくらとかしてると、もっといーかな? しゃべらなくても、安心していられる関係。たまーに、「あっ、空の色が変わった」「ほんとだ」みたいな会話があって……。
 話さなくても、何もしなくても、自分のままで受け入れられてる、相手をそのまま受け入れてるっていう感覚。
 そしてその時間を、お互い、すごく喜びに思ってるって感じられることが、最高にシアワセな恋人のあかしなんだと思う。





12月1日

 今回はすごーくおめでたい報告。
 27日に蜷川実花っちの結婚式が行われました! ってあたしがコーフンしてどうする?
 でも、なんか自分のことのようにめでたい。しかも浅草の遊園地「花やしき」を貸しきりっていうゴージャスさ。あそこにいくのは初めてだったんだけど、狭い敷地にジェットコースターや絶叫マシンやお化け屋敷がてんこ盛りで、かなりキッチュな面白さです。

 新郎は実花さんの高校時代の同級生。とっても優しくて、「おとなー」な雰囲気の素敵なひと。
 まず、キラキラのラインストーンをちりばめたウェディングドレス姿の新婦がステージに登場。その登場の仕方がっ……。歩くパンダくんをパパの蜷川幸雄さんが運転し、その後ろに実花さんがおしとやかに座ってる。これには会場、爆笑の渦。だって、バンダくんって、あのよく遊園地にある、ぎこぎこ四つんばいで歩くやつだよ。
 で、ステージの上で髪を真っ白のオールバックにかっこよく固めた新郎と新婦が牧師さんに、永遠の愛の誓いを。ベールをかぶった実花っち、すごーくキレイでシアワセそうだった!
 このあとは乗り物乗り放題タイム。屋台のお好み焼きとかおでんとか、ヨーヨー釣りとか射的とかやり放題、食べ放題だし、にぎやかな夜祭りのノリ。あたしと日野っち、篠りん、俊くんの花やしき探検隊は、なんとジェットコースター三回、垂直コースター二回(あたしは垂直に弱いから一回)、びっくりハウス、回転コースター、遊園地一周観覧車……とタダをいいことに、乗り物のりまくり。絶叫しまくり。
 しかも、ゲストがみんな、ど派手なコスプレをしてて、キャラクターがディズニーランド並みにたっくさん歩いてる。いつもあたしの本の表紙のヘアメイクをしてくれる赤間さんは「ベルサイユのバラ」のアンドレ! 腰に剣をさしたキラキラ衣装とつけまつげまでつけたメイクは、さすがプロ! めっちゃかっこよい。それに金髪の華麗なオスカルとか、かわいい白雪姫とか、赤鬼とかアフロピエロとか色々いました。
 ここで実花さんに、ごめんなさいを……。あたしは「お姫さまの格好してきて」ってリクエストされて、「マリー・アントワネットになる!!」と決心し、ネットで衣装を色々探したんだけど、イマイチぴんとくる衣装が見つからなかった。だってマリー・アントワネットだよ。下手なコスプレじゃ、名前負けしちゃう。で「シンデレラ→リトルマーメイド→ベリーダンサー→アフロギャル……」ってだんだん目指すコスプレがしょぼくなっていって、最後は結局、時間切れに(涙)。
 わーん。マリー・アントワネットになりたかったー。仕方ないからこの際、自分色のコーディネートを極めようと、アンダーカバーのミニスカ、XOXOの肌見せせくすぃーカットソー、ジル・サンダーの革ジャン、それにじゃらじゃらのアクセで「マルキュー×裏原×大好きブランド」っていう不思議系TOKYOまるごとファッションにトライしてみました。ホンモノの宝塚のスターもいっぱい来てたし、きっとマリーがいないことなんか、みんな気にしてないよね。

 次の新郎新婦の挨拶タイムがまたまたすごかった。
 自分の写真をプリントしたドレスを着た新婦は、なんと麗しい白馬に乗って登場! 「わー、朋ちゃんみたい」と驚いて近くによって見たら、パカパカしてる四本の足は人間の足でした(笑)。馬くんの演技がうますぎて、みんなだまされた。
 キラキラ、スパンコールの衣装の新郎と二人で、みんなに挨拶をしてキノコのケーキ入刀。新婦の投げたブーケは取れなかったけど、シアワセいっぱいの二人とハグしてきたから、きっとハッピーオーラが乗り移ってるよね。こんなにみんなを楽しませてくれるウェディングは初めて!
「実花さん、おめでとー。彼と末永くお幸せに!!」


「亜美のお仕事情報」

 今月号の「小説すばる」のクリスマス特集に、「チョコミント・フラペチーノ」っていう短編を書きました。聖夜も六本木ヒルズで残業するルナは、遠距離恋愛のナオキとうまくいってない。周囲がにぎやかに浮かれるにつれて、最悪の心と体に陥っていく彼女。でもその夜であった奇妙な男との一晩で、自分も誰かに究極のプレゼントを贈れることに気づく……。そんなエロティックでファニーでダークなテイストのお話です。
 マンガっぽいイラストもすごくよいので、ぜひ読んでみて!!

 シャープの携帯サイトで連載してた『Lyrical Murderer』をまとめたものと、お待ちかね、BBSのみんなに恋愛の悩みを書いてもらった恋愛の悩み解決本……あたしの初エッセイは、まとめて二冊、二月に出る予定です。
 内容濃すぎの衝撃的な本で、担当は、読んだ翌日、高熱にうなされたぐらい。
 お楽しみに!


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11月15日

 今回は久々に、亜美のおすすめカルチャーです。
 最近買ったCDの中で、予想外のヒットだったのはヴァネッサ・カールトンの『Harmonium』っていうアルバムに入ってる『Annie』っていう曲。彼女自身がピアノを弾いていて、流れ落ちる水の雫みたいなメロディもとっても美しいけど、歌詞が……めちゃせつない。
「飛び立っていくあの娘をただじっと見つめてる。はるかな空の懐へと……」
 病院の集中治療室に入ってる、アニーっていう重病の小さな女の子を抱きしめながら、空に消えていくその子の魂を見送るっていう悲しい歌。このリリックを読んでるだけでも、涙がにじんでくるぐらい。ほかの曲も、リリックがほんとの詩集みたいに心の奥をうつものばっかり。ちょっと鼻にかかったロリ声で、まっすぐに歌いかけてくるその歌声は、忘れられなくなった。
 最近、CDショップで、バーコードをセンサーにあてると、どれでも視聴できる機械を置くようになってから、守備範囲がぐっと広がった気がする。これ、すごく便利だからどこのお店でも置いてほしいなー。
 もうひとつの発見。椎名林檎のアルバム『本能』の中に入ってる『あおぞら』。この歌、今まであんまりきちんと聞いてなかったけど、今、改めて聞くと、すっごくいい。肩の力が抜けた林檎の生の心に共感しちゃう。林檎は二年前ぐらいに聞いたときと、受けるイメージが違う。きっと自分がどんどん変化してるからだと思うけど、前よりずっと近くになった気がする。

 次に、最近見た亜美的おすすめ映画。もうビデオになってるから見た人も多いと思うけど、『ジョゼと虎と魚たち』。
 くるりの曲と映像がすごくあってて、池脇千鶴演じるジョゼがせつなくて、絶対泣けます。もうひとつ、新宿でふらっと見て「当たり!」だったのが、『ビハインド・ザ・サン』っていう映画。最初はロドリゴ・サントロっていうブラジルの俳優が!? っていう不純な動機で見たんだけど(笑)、ものすっごくいい映画で、これも涙、涙……でした。特に、秘かに恋してるサーカスの女の子を空中ブランコでぐるぐる回すシーン、真っ青なブラジルの空が眼に痛くて、ほんとに綺麗だった。ロドリゴは『ラブ・アクチュアリー』とかにも出てて、これから大ブレイクの予感。

 最後は写真のおすすめ!!
 昨日、小宮登美夫ギャラリーではじまった実花ちゃんの個展のオープニングにいってきました!
『R.I.P.』撮影の時のオフィーリア・韓英恵ちゃんとか、あっと驚く変身をした栗山千明ちゃんの写真が、すごくステキ。
 みんなもぜひ、ナマ実花写真の迫力、味わってみて。

 心には重力があって、あまりにもひとつのことに囚われすぎると、その重力に負けて前へ進めなくなる。
 時には、同じ場所でぼんやり空を眺めたり、暗い森で涙が枯れるまで泣く時間も必要だけど、いつかはまた立ち上がって歩き出さなくちゃならない。
 そんなときに、何より力を貸してくれるのが、心を揺さぶる音楽や映画やアートたち。
 あたしは昔から、ほんとに落ち込んだときは、人じゃなくて音楽に救いを求める。音楽の中に渦巻いてるいろんな感情が、あたしを勇気づけてくれたり、重荷をどけてくれるから。一人で自問自答している迷いこんだ森の中で、道を照らす光になってくれるから。
 だから、マイ・べストCDを聞くと、「あのときは○○で死ぬほど悩んでたなー」とかめっちゃリアルに思い出す。
 音楽のように悲しみや悩みを全部包み込んで、いつのまにか明日への道に導いてくれる作品を書きたい! 道なき道を照らす、かすかな、でも決して消えない銀色の光のような作品を。
 いつも、いつも、そう思ってる。


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 今月号の「小説すばる」のクリスマス特集に、「チョコミント・フラペチーノ」っていう短編を書きました。聖夜も六本木ヒルズで残業するルナは、遠距離恋愛のナオキとうまくいってない。周囲がにぎやかに浮かれるにつれて、最悪の心と体に陥っていく彼女。でもその夜であった奇妙な男との一晩で、自分も誰かに究極のプレゼントを贈れることに気づく……。そんなエロティックでファニーでダークなテイストのお話です。
 マンガっぽいイラストもすごくよいので、ぜひ読んでみて!!

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11月1日

 これを見てくれてるみんなのなかに、新潟の地震で被害にあってしまった人もいるかもしれない。大切な人が怪我をしたり、なくなってしまった人もいるかもしれない。今も、何度も繰り返す地震が本当に怖くて、生活がめちゃめちゃになって、どうしようもない気持ちになってると思う。
 新潟から毎週通って練習に参加してくれて、NYツアーに一緒に行ったアキちゃん、大丈夫かな。心配です。今はネットどころじゃないと思うけど。言葉だけで何もできない自分の無力さが悲しい。
 今はもう二度と起こらないでと、祈ることしかできないけど、希望という募金箱に、小さな願いのかけらを入れようと思います。

 久しぶりに椎名林檎の「ギプス」を聞いてる。NYでカズノ姫がギター片手に歌ってくれて、あらためて「いい歌だなー」と思ったから。特に「あなたはすぐに絶対などと云う……」のフレーズが胸にぐさっとくる。
「絶対」。あたしも人の気持ちを確かめるのに、よくこの言葉を使う気がする。特に恋愛のときに。
「絶対、一緒にいてくれる?」なんて聞いたって、答えられるわけないってわかってるのに、ウソでも「絶対」っていってほしい気持ちが、そう言わせるんだよね。
 そしてあたしも、人に気持ちを聞かれると「絶対……」って答える。それが、たとえあとでウソになってしまったとしても、言わずにはいられないから。
「絶対」のものなんか、きっと何もない。時間や、自然の力や、人の気持ちのいろいろな変化や成長が、ものごとを少しずつ変えていく。自分だってきっと変わっていく。
 でも、それでも「絶対」がほしくなってしまう。そこに戻っていけば、自分をぎゅっと抱きしめてくれるものがあるって、信じてしまいたくなる。心の中で、オトナの自分と子供の自分がいつも会話してる。
「絶対なんかあるわけない。思い込んでるだけでしょ?」
「でも、ある。きっとある」って。
「絶対」と「永遠」はよく似てるのかもしれない。
「永遠」は変わらない。
 最初からそこにあって、想像もできない未来にある、終わりのない始まり。それはすべてがどんどん変わっていく世界の中で、たったひとつだけ、変わらないもの。
 何も訴えず何も主張せず、ふと振り向けば、ただそこにいてくれる。
 そんな静かで、穏やかで、でも心をすべて包み込んでくれる存在。
 もしかしたら、ある人にとっては故郷の自然の美しい景色や海かもしれない。ずっと変わらず心をうつ大好きな音楽かもしれない。人の心はうつろいやすくて、指に握り締めようとすれば、砂みたいにこぼれ落ちていく。
「絶対」や「永遠」の中に閉じ込めておくことなんかできない。失敗を繰り返して、あきらめたり、絶望したり。
 それでも、みんなまた夢を見る。
 いつか、「絶対」が手に入るって。
 たぶん、求めてるのは愛って呼ばれているもの……。


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10月15日

 いま、カゼがはやってるらしくて、あたしもなんだか熱っぽい。幻冬舎でもはやってるらしいし、みんなも気をつけてね。
 頭がぼーっとするから意識をしゃきっとさせるために、オービタルの「The Altogether」を聞いてる。
 あたしはそのときの気分や欲しいものによって、音楽を選んでいるみたい。
 ラブラブ気分に浸りたいときは、ブライアン・マックナイトとかキャンディ。トキメキたいときはスピッツとかミスチル。自分を変えたいときや、しっかりしろ、自分! って時はオービタルとかエレクトログライドのトランス・ミュージック。なにもかもいやだー、もう死んでもいいやっていうときはドビュッシーとかショパンとかシベリウスとかのクラシック。自分を奮い起こしたいときはCOCCOやジャニスやエミネム。ちょっとブルー入ってるけど、小説の世界に浸りたいときはフィオナ・アップルやビョーク、生活を楽しもうモードの時はライトなハウス系とかブラジル音楽系……。カラオケでは中島美嘉(!?)
 どれも絶対的に必要で、なくなったらめっちゃ困る!!
 人は多面体だから、一日の色々な場面で、色んな感情や感覚を味わって、夜、眠りにつくころには前の日と少しだけ変わった人間になってる。
 その日に出会った人、言葉を交わした人、聞いた音楽、行った街や店、視界に焼きついた光景、食べた料理……。
 そのすべてのものが、意識をちょこっとずつ変化させて、ビミョウな心の模様を新しく描き出す。
 よくパソコンのソフトに、音楽に合わせて色んなフラクタル模様が描きだされるプレーヤーがあるよね。心もきっとあんな風なんだと思う。
 だから、その模様がもっとキレイに、もっとダイナミックに、誰もみたことがないようなものになるまで、たくさんの感覚を細胞に吸収させなくちゃならない。
 人を愛したり、傷を乗り越えようとあがくたびに、きっと心の模様はどんどん新しく、その人だけの美しさを増していくんだよね。
 明日、あなたの心はどんな模様を描きますか?


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10月1日

 ニューヨーク、行ってきました!!
 今回はその報告を。今、パフォーマンスのムービーをせっせと作成中で、それももうすぐアップできると思うけど、今日はとりあえず写真を何枚かアップして雰囲気を伝えようと思います。ダンスや殺陣はムービーで楽しんでもらいたいので、その写真は一枚だけにしときました。
 中学生・高校生・大学生・フリーターあわせて14人の女の子プラス日野っちと篠りん(今回ついたニックネーム)、それにあたしの17人ご一行様が総勢メンバー。
 これだけ大人数だと、なんかどこへ行っても修学旅行みたいな感じで、にぎやかさがすごかった。参加してくれた濃ゆいメンバーたちを簡単に紹介しまーす。

 リーダーは大学でもダンスを教えてる、今は恋愛よりダンス命、振り付けの才能もみんなが認めるカッコいいダンサー吉見陽ちゃん。
 殺陣をやってくれるのは、10月、あたしが毎日食べてるメジャーなお菓子のCFで大ブレイク必至の美少女アイドル、高1の吉高由里子ちゃんと、高校からダンス一筋で日女体育大のダンスでも主役を張ってた、23歳のダンサー&女優の卵、安河内千恵ちゃん。
 大学生のセクシーレゲエダンサーで、ダンスバトル番組にも出演してる篠原恵子ちゃんと伊藤理恵ちゃん。
 おなじ大学生で、サークルやイベントで毎日ダンスづけの生活をしてる久保あゆみちゃんと宮本環ちゃん。
 吉本興業の舞台にも出てるちっちゃくてカワイイけど、ダンスの切れは鋭い清田ゆきちゃん。
 練習に毎週、新幹線で新潟から通ってきてくれて「ニューヨークで自分を変える!!」と宣言した高校三年の星野朱希ちゃん。
 ドイツ人の血が四分の一入ってるだけあって、顔立ちとキャラのはっきりした小倉麗乃ちゃんは、腕のタトゥーと歌のうまさでみんなを驚かせた。
 奈良の国立大学に通ってる金子佑子ちゃんは、語学力抜群のしっかり者。将来は大学の先生っていうだけあって、ダンスも一回で覚えちゃいました。
 中学生のリナちゃんは、将来、ダンスも演技もできる芸能人になるのが目標。
 都立高校にかようすらっとした足長スタイルの渡野辺舞ちゃんは子供の頃からダンスを習っていて、ニューヨークにダンス短期留学にも来てますますダンスに惚れた松本菜緒ちゃんと大の仲良し。

 とゆーわけで、みんなダンスが大大大好きニンゲンばっかり。
 殺陣もダンスもこっちで二ヶ月以上、特訓したけど、ストリート・パフォーマンスの本場、ニューヨークで受けるかどうかは未知数。けっこう前の日とか、心配で眠れなかった。
 パフォーマンスは恵子ちゃんが振り付けしてくれた全員のパラパラと、陽ちゃんがブロークン・ドールズ・ダンステイストで振り付けした、かなり難易度の高い六人のダンス、それに由里子ちゃんと千恵ちゃんの殺陣。最後に千恵ちゃんのアクロバティックで華麗なカンフー天女ダンスで終わる。
 一応、全体で一つの物語になってます。
 由里子ちゃん演じる主人公のアミが、千恵ちゃん演じるサユリという殺人マシーンに愛する人たちを殺され、その復讐のためニューヨークにやってきて死を覚悟で挑戦を挑む。死に物狂いの闘いで勝ったものの、結局、孤独な殺人マシーンのサユリが自分と同じだと感じて首を切れず、刀を捨てる覚悟をする。
 旅に出た彼女は、ある街で美しい天女のようなダンサーの踊りを見る。彼女こそ自分と同じように刀を捨てたサユリの生まれ変わった姿だった……。
 まあ早い話、キル・ビルのオマージュっていうか逆バージョン……かな(笑)。
 ヒップホップとかB系も大好きだけど、やつぱりこういうのってアメリカが本場だし、同じことをやっても太刀打ちできないと思って、今の日本に住んでるあたしたちにしかできないものをやろうと頭を絞った。パラパラ踊りって世界で日本だけなんだよ。知ってた?
 でミッドタウンのホテルにチェックインして、翌日さっそくペンシルバニア・プラザというところでやってるBIG APPLE ANIME FESTAにゲスト出演したんだけど、お客さんはかなり興奮して盛り上がってくれて、「やっぱりこの方向でよかったんだ」ってひと安心。
 みんなその日来てたテレビにも撮影されて、コスプレ参加したハンサムなスパイダーマンにも抱き上げられて、かなりゴキゲンでした。
 このイベントは日本でいうコミケみたいな感じ。だから当然和製マンガもたくさんあったし、日本にはかなりキョウミもってるみたい。夜はみんなのリクエストで、ミッドタウンでショッピングしたんだけど、夢中になっちゃって、約束の時間になって帰ってこない!! 捜索隊を出動したけど、かなーりアセリました。

 日曜の昼は、待ちに待ったランドマーク、ユニオン・スクエアでの街頭パフォーマンス。ここは日本で言えば渋谷駅前みたいに、しょっちゅういろんなパフォーマンスやってるメッカ。
 左の写真はみんなで大盛り上がりで撮影した、記念写真。みんな女子高生ファッションのミニスカで足をがばっとあげて「NY人文字」とか作るもんたから、かなり周りに注目されちゃった。あっもちろん下に短パンはいてるけどね(笑)。
 それにしてもここでのパフォーマンスはちょー気持ちよかったー!!
 真っ青に晴れ上がった空の下、周りをビルや公園に囲まれている広々とした広場で思いっきり弾けて、観客人も少しずつ増え最後はかなりの人が集まってくれました。殺陣の最後に由里子ちゃんが地面に正座してお辞儀するシーンでは、やんやの喝采。やっぱり「ラスト・サムライ」効果か、日本の武士道って、すごくカッコいいクールなものに見えるらしい。「街が舞台」ってこんなに爽快なものなんだって、みんなも感じてくれたと思います。
 最後、みんなでダンス衣装のままパラパラを踊った時はほとんど「ウェスト・サイド・ストーリー」とか「42ストリート」の主役気分でした。このパフォーマンスの様子はムービーでしっかり見てもらおうと思ってます。
 午後はみんなでメトロポリタン・ミュージアムを見学。でもみんな、美術の展示より、建物の前で踊ってたヒップホップのダンサーがカッコいいって目の色変わってたけど(笑)。
 その夜はイースト・ヴィレッジのクラブで総決算パフォーマンス。
 昼間とはうって変わって、薄暗い店内でヒラリーという十頭身の超美人さんのナレーションつきでやり、クラブ・イベント的ないい雰囲気でした。
 終わったあとはみんなレゲエやソウルの曲でお客さんと踊りまくり。コリアンもチャイニーズも黒人もおじいさんもカップルも、いろんなひとたちが混じって踊ってて、言葉がなくてもわかりあえるダンスっていいなーって、実感したひと時。

 参加してくれたみんな、お疲れサマでした。ほんとにほんとにありがとう。
 NYで色々お世話してくれたVerticalのAnne、Miicah、Kenzi、Yani、ステキなナレーションをしてくれたHillary、あったかく手助けしてくれたJiant RobotのBrenton、ありがとう。
 メンバーとあたしを色々、バックアップしてくれた日野っちと篠りん、ありがとう。あたしも一生、忘れられない思い出になった。
 特に街頭パフォーマンスの快感は絶対やみつきになりそう。こんど、渋谷あたりでやろうかな。

 そして今回、せっかく応募してくれたのに一緒にいけなかったみんな、ほんとにごめんさい。みんなのために面白いムービー作るので、それを見てちょっとだけいった気分を味わってね。

 今度、キャンペーンをした英語版「イノセント・ワールド」の表紙、アップしました。
 ちょっとエッチで、すこーくカッコいい装丁だし、英訳の完成度は自信あり。スラングのしゃべりかたとかも参考になると思うので、ぜひぜひ一冊コレクションしてね。Vertical社からダイレクトで買うと、あたしがデザインした「イノセント・ワールドTシャツ」も抽選でプレゼントがあるよ。
 このTシャツもあとでアップします。赤とピンクがあるんだけど、胸に「INNOCENT WORLD」のロゴ、背中にサムライ・ガールのマンガが入ってて、かなりカワイイです。


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9月15日

 ものすごく暑くなったり、急に涼しくなったり。
 どっちなのかよくわかんない毎日。
 学校や会社がいつも通りに始まって、ようやく亜熱帯の国からふつーの東京に戻った気がする。
 ここんとこ、衣装づくりにあけくれてたんだけど、やっぱり服を作るのって面白いよね。古着屋さんで安いアンティークの着物買ってきて、それを自己流にばっさばさ切ったり繋いだりして、好き勝手にリメイクしちゃう。裾上げテープつかえばそんなに縫うとこもないし、すごく簡単にカッコいい服の出来上がり。
 今年の夏は和の柄や浴衣がすごく流行ってたけど、アンティークの生地って面白い凝った柄や生地が多いから、今の服とちょっと違う不思議な感じのカワイサが出る。
 ちっちゃいころはデザイナーにも憧れたけど、世界にひとつのお洋服作るのはすごく楽しいデス。

 ところで今、あたしの声はめちゃめちゃ潰れてる。
 カゼひいて声がかすれたときのアユみたいな(←そんなかっこよくないっていう影の声)ハスキーボイスです。
 殺陣やダンスの練習で声出しすぎ&煙草すい過ぎ&睡眠不足のせい……らしい。
 ずっとかすれた声に憧れてたからいいけど、マジにもとに戻らないかも。セクシーっていうより、カエルが事故って潰れた声みたい(泣)。

 今回『イノセント・ワールド』英語版出版を記念してNYで行う予定のパフォーマンスは、全体がひとつの劇になってて、ダンスあり殺陣あり歌ありで物語が進んでいくってかんじ。
 殺陣っていうのは、刀で戦う立ち回り。
「キル・ビル」とか「ラスト・サムライ」とか「あずみ」とか……。
 さいきん、流行ってるよね。
 あたしたちもNYでかっこいい殺陣をやるために、玄舟塾っていう殺陣道場の門を叩いて、猛特訓してもらった。
 目指せユマ・サーマン!! 超えろ上戸彩ってかんじです。
 でもラストは闘いだけの人生を捨てて、刀と別れる。
 誰よりも強くなったら、誰も傷つけないで生きられるよねっていう、あたしなりのメッセージ。
 演じるのはナムコのゼノサーガ「ここでキスして」というCFで注目の吉高由里子ちゃんと、元宝塚の真矢みきさんにそっくりなダンサー美女、安河内千恵ちゃん。刀を持ったこともない二人をカッコいい剣士に育ててくれた佐藤塾長、南塚先生、ほんとにありがとうございました!!(なぜかこのへんは私信)

 あとダンス。ヒップホップとかレゲエとかジャズ、モダン……。
 色んなダンスが得意なダンサーたちに集まってもらって、「イノセンス」のテーマソングをBGMにブロークン・ドールズ・ダンス(っていうんだっけ?)っていうチョー難しいダンスにトライしてもらったり、女子十二楽坊でアクロバティックな天女+カンフー風ダンスやったり、ユーロビートでパラパラったり……。
 さすがみんな修行を積んだダンサーだけあって、うまい!!
 あたしなら死んでもできないような、かたっぽの肩だけを地面につけて、海老みたいに足を高くあげるポーズとか、片手だけで側転を繰り返したりとか、演出してるあたしも素直に拍手しちゃう。
 ダンス指導は振り付けの才能も全開のカッコいいダンサー、吉見陽ちゃん。それにしてもみんなふつーのかっこうしてても一目見ただけで、「このヒト、ダンサーだよね」ってわかっちゃうのはなぜ?

 よく渋谷の駅前とかでストリート・パフォーマンスしてる人たちがたくさんいるけど、やっぱオーラ出てる人のところにはたくさん人が集まってくる。でもつまんないパフォーマンスなら、誰も立ち止まってくれない。
 ああいうのって一種の賭け……かも。
 NYやロンドンとかだと、それでお金もらって生活してる人も結構いるから、もう何がなんでも、たくさんの人に見てらわなくちゃならない。
そういうカラダ張ってる緊張感みたいなのって、絶対、ヒトを強くしてくれると思う。恥ずかしいとか、こんなのやってもとか、ためらいや迷いは全部捨てて、エネルギーを爆発させるんだから。
 恋愛でも仕事でも遊びでも、そういう爆発するエネルギーって大切だよね。
 特にあたしはいつも文字で表現することにエネルギーを使ってるから、よけいダンスとか歌とか、生身のカラダで表現することに憧れがあるのかも。

 帰ってきたら、参加メンバーの活躍をビデオで紹介したいなと思ってます。
 撮影班、篠原っち、ガンバレ。あと日野っちにハムスターのきぐるみ着せてパラパラ踊ってもらいたーい。
 向こうにもパソもって行くので、毎日、ここを見てるよ。



『Frozen Ecstacy Shake』発売記念ということで、あたしと瞳ちゃんが講談社のHPで対談しています。見てみてください。
http://vitaminf.jp/sakurai/




9月1日

 やっと涼しくなった途端、夏バテのツケが来てダウンぎみの毎日。でも今度NYでやるダンスや殺陣のトレーニングでなかなかお休みできる日がなくて、毎日、スキがあれば死んだように眠ってしまう日々です。
 レス、かなり遅れててごめんなさい。必ずするので、待っててください。

 この前、今年最後の花火大会ってことで、八景島の花火大会をビデオで撮ろうと突然、決心し、二時間かけて八景島へ。横浜でやけにいっぱい浴衣を着た女の子が降りてくる。
 ?? と思って現地へ行ったら、花火はとっくに終わってて、ただ真っ暗な海だけが空しくあたしを迎えてくれた。開始の時間を一時間まちがえてた(泣)。でも帰りにトモダチと食べた函館ラーメンが激ウマだったので、ちょっと癒されたかも。あんなに麺・スープがパ―フェクトにおいしいラーメンは生まれて初めて。毎日通う予感。
 結局、今年は一度も打ち上げ花火を見られなかった。とゆー感じで、夏が終わろうとしてます。みんな、今年の夏はスパークできた? 花火・ライブ・恋・海・お祭りっていうのが夏の五点セットだよね。それが全部、体験できると、完全燃焼の夏って感じ。

 最近ハマってること。ささやかでも確かなシアワセを感じるってこと。たとえばおいしいラーメン屋を見つけたり、ちょっと気になってる人とお話ししたり、アイメイクが上手にできるコツを見つけたり……。どんなに大きな夢や目標があっても、一日一日が殺風景な工事現場みたいな生活はNG。自分の心も周りの人たちの心も見えなくなると、楽しさやどきどきする心まで失っちゃうから。
 眠る前にふとその日に起こった「いい事」を思い出して、あったかい気分で眠りにつけるような毎日が、一番幸せなのかもしれない。
 恋愛もそんなナチュラルで無添加なカタチがあたしの理想。ドラマティックな刺激とか、あっと驚くような大変化とかがなくてもいい。何も足したり、引いたりしないで一緒にいることが当たり前の関係。
 お互いの近くにいることに迷いやためらいや不安を何も感じないで、ただ相手の存在を隣りに感じることだけで、純粋な喜びを感じられる関係。愛情は太陽の光や空の青さ、森の緑と同じで、いつのまにか「そこにあるもの」なんだよね。そんな風に一緒にいられる人がいれば、きっとどんな未来もこわくない。
 もし今、そんな相手がいなくたって、絶望したり孤独に悩む必要なんかないよ。それは「どこかに必ずある」もので、求める心を否定したり疑わなければ、きっといつかめぐりあえるんだと思う。
 あるエライ心理学の先生にすごくいいことを聞いた。恋に落ちるときは、自分がある特別な精神状態になってるときで、そのときに出会って好意を持った相手の何もかもが特別に見えるんだって。特別な精神状態っていうのは、自分が誰か大切な人を求めているっていう強いイメージがあって、その感性の命じるままに迷いなく行動できるっていうこと。
 つまり、恋を生み出すのは自分の心のエネルギー。オープンハートで求める心に素直になればなるほど、恋に落ちる確率も高くなる。
 だから恋に傷ついたからって自分の求める心を押しつぶして、運命の人に出会うチャンスを減らしちゃダメなんだよね。あたしもよくやることだけど、人ってつい傷ついた部分をガードして、相手に本心を見せないように身構えちゃうから、逆に溶けあえるチャンスを遠ざけたりする。
 傷つけば傷つくほどもっと優しく、賢くなって、相手を受け入れるピュアな心を大切にすることが、求める誰かに出会ういちばんの早道なんだと思う。

 この前見た映画「誰も知らない」の感想。
 子供たちにとって太陽の光みたいに自然なものだったお母さんの存在が、突然、消えてしまったら、っていう実話をもとにしたストーリー。
 自分のシアワセを追いかけて子供たちを置き去りにしたお母さんの罪を責めるでも追求するんでもなく、子供たちがどんな風に自分たちの新しい太陽を作ろうとするかを描いた成長の物語です。学校にも行けない貧しい生活の中で、自分たちの不幸を嘆くわけでもなく、ほんのちょっとのシアワセを見つけ出そうとする子供たちがすごくたくましく見えた。大切なのは必死に生きる子供たちをそっと見守る誰かのあったかい眼差し。お母さんじゃなくてもいい。お父さんじゃなくてもいい。
 だからカンヌで受賞したのは、柳楽くんの「目力」と監督のそんな視線、両方なんだと思う。
 韓英恵ちゃんの演じた少女サキは、彼女の持ってる涼しくて凛とした存在感と、表面のごまかしに惑わされない強い眼が、すごくすごく印象的だった。あたしが最初にひかれたのも、英恵ちゃんの何もかも貫くような澄んだ眼ざしでした。今度は英恵ちゃんが主演女優賞を取ってほしい。応援してるよ!!



追伸 「リリイ・シュシュ」や「スワロウテイル」ですばらしい映像詩をみせてくれた撮影監督、篠田昇さんが亡くなったこと、きっとみんなも知ってるよね。たくさんの記憶に焼きつく、ステキな映像を残してくれた篠田さんのご冥福をお祈りします。空の上で、地上では誰も見たことんがないすばらしい映像を撮って、いつか見せてください。

追追伸 ニューヨークツアーまであと二週間ちょっと。自分、気合をいれてがんばれ!! 英語版「イノセント・ワールド」、チップ・キッドという有名な装丁家さんがデザインしてくれて、ものすっごくカッコいいです。20日前後からアマゾンやバーティカル社のホームページで買えると思うので、英語得意なひと、勉強したいひとはぜひぜひ、読んでみてね。この文がこんな風に訳されるんだーってびっくりすること請け合いです。
英語版「イノセント・ワールド」(Amazon.co.jp)

追追追伸 「イノセント・ワールド」「サーフ・スプラッシュ」など五冊が今度は中国語に翻訳され、香港・台湾などで販売されることになりました。



『Frozen Ecstacy Shake』発売記念ということで、あたしと瞳ちゃんが講談社のHPで対談しています。見てみてください。
http://vitaminf.jp/sakurai/




8月1日

 長い間書き続けていた『R.I.P.』が、ようやく刊行されました。この作品はあたしにとってのひとつの大きな区切りになりそうな予感がする。
 あたしたちにとって戦争やテロは海を越えた外国で起こっていることで、身近な話じゃない。でも、もしかしたら自分のたちの近くで起こってもおかしくない。
 それが、この作品を書き始めたきっかけ。
 あたしが戦争をキライなのはものすごく単純な理由。愛する人も自分も、殺されたり傷つけられたりしたくない。愛されている誰かも殺したくない。傷つけたくない。それだけ。
 みんなに考えてほしいことがある。ミスチルの『HERO』じゃないけど、誰か一人が犠牲になれば地球上のみんなが救えるとしたら、あなたはその犠牲になりますか? またはあなたの愛する人を犠牲にできますか?
あたしには、できない。
「犠牲」っていう考え方が、最初から好きになれないんだ。
 命はゲームのキャラと違って、どれも一つだけ咲いた特別な花。二度と同じ花は咲かない。それを失わずに済むたった一つの方法は、家族を、恋人を愛するピュアな気持ちを世界中の人たちが持っているんだと、すべての人たちが実感することだと思う。
 そして『R.I.P.』の主人公・セツナも同じように、犠牲にできない愛する人がいる。でも、その相手こそ殺戮と破壊の意思に動かされる生きた兵器だった。
 誰より純粋で、誰より孤独だったから、その役割を背負わされたキズナ。そして彼は過去の恨みを越えて、セツナを本気で愛し始める。燃える恋がやがてまったく違う二人の世界を少しずつリンクさせて……。
 シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の二人のように、お互いに禁じられた相手を狂おしく愛してしまう。そんなテーマで殺しあうことのむなしさを描いてみたかった。

 この小説は何から何まで、ほんとに凝りまくりました。表紙も中表紙もこれまでで最高の傑作だと思う。
 暑い中、お風呂みたいに熱いプールにはいって、汗びっしょりになりながら撮影してくれた蜷川実花さん、ほんとに宝物にして宝石箱にしまっておきたいようなすばらしい写真をありがとう!! そして服を着たまま水につかって、浮かんだり沈んだり大変だった韓英恵ちゃん、お疲れさま。めっちゃカワイイ、キレイです。
それからハナエちゃんの新しい表情を引き出してくれたヘアメイクの赤間直幸さん、時間がないのにブルーのすてきな服や花輪をつくってくれたスタイリストの菊地ユカさん。フル活躍してくれた実花さんの事務所の室伏さんや石倉さんにも、スペシャルサンクス!! 最後になったけど、撮影がうまくいくようにこまかいとこまで気配りしてくれた編集担当の日野っちと篠原っち。色々、ほんとにお疲れ様でした。薔薇の花束と美味しいカレー弁当、忘れません!!

 なんか私信みたいになっちゃってごめん。でも、一目見てもらえば、「宝石みたいな」というあたしの言葉がウソじゃないと分かってもらえるはず。みんなに愛されて出来上がった『R.I.P.』、君はシアワセものだ!

 それからもうひとつ。うちに家族がふえました。コザクラインコのラッキーです。このコがうちにきたのは、ほんとに奇跡みたいな幸運から。
 この前、夜中に岩井監督やプロデューサーの方たちと飲んで映画の話をしていて、夜明けに道を歩いていたら、岩井監督が「あっ!!」と大声をだした。びっくりして車道を見ると、このコがカラス軍団に追われて、車の下に逃げ込もうとしてる。もうちょっとで轢かれるところだったので、あたしが道に出て「おいで」と指を出したら、素直に乗っかってきた。すごく人になれてるから、きっとどこからか逃げ出してきたんだよね。
 なんか妙にかわいくなっちゃって、傷口を消毒しておうちで飼ってあげることにしました。死んでしまったウサの生まれ変わりかなーとか思ったし。
 だからほんとの命の恩人は岩井監督。幸運なヤツだからってラッキーとつけた、名付け親も岩井監督です。まああたしも棲家を提供してあげたってことで、ちょっくら感謝してほしいんだけど。
 でもこいつはそんな恩を知ってか知らずか、じゃれてるつもりで思いっきり指に噛み付いてくるんだよね。痛いのなんのってもう、絶叫するぐらい。しかも一度噛み付くとスッポンみたいに離れないし、それで血がでたこと数十回。
 ラッキー、もう少しいい子にしないと、もうトウモロコシのおやつ、あげないぞ。
 とゆーわけで(どんなわけ?)今、シナリオを書いてるんだけど、岩井・大大大先生の胸を借りて、映画作りに初トライするつもりです。たぶん、まだまだ時間はかかるけど、最高の映画を作りたい!!



P.S.

『Frozen Ecstacy Shake』発売記念ということで、あたしと瞳ちゃんが講談社のHPで対談しています。見てみてください。
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7月15日

 みんな、ウサちゃんのこと励ましてくれてありがとう。
 おかげで今は、あの子もシアワセな一生だったのかな、と思えるようになりました。感謝です。
 今日は37度!!
 なんか頭が溶けそうだった。
 みんなは異常な暑さと冷房でバテてない?
 いつもは夏になると元気がよくなるんだけど、今年はちょっとダウンぎみ。

 最近、よく思うこと。
 人生の選択について。
 進学や恋愛や仕事……そして一番ディープな「生きる」こと。
 物心が付いて、気持ちを自分で判断できるようになるころから、あたしたちは、毎日何かを「選択」してる。
「今日、誰と遊ぶ?」「何しようか?」っていうのに始まって、誰と仲良くなるか。どの学校に進むか。何を勉強するか。
 誰に恋をするのか。誰をシアワセにしたいのか。どんな生活をするのか。何にお金を使うのか……
 そして「Chelsea」のチェルシーやポッキーみたいに、「生き続けるか」「フェイドアウトするか」ということまで。
 以前のあたしは、一生懸命、頭で考えて選択しているつもりで、実はその時々のネガティブな感情に流されていた。もちろん、感情が何かを選ぶ決め手なんだから、それも当たり前なんだけどね。
 そして、自分の思い描いた通りにならないと、「まちがっちゃった!!」ってすごく後悔した。
 自分の歩きたい道が、頭の中にアニメみたいに描かれてて、それが
 実現しないと、すごくイライラして頭にきてた。
 でも、いつのころからか、「Chelsea」みたいに心に反して生き続けることを選び、自分で思いもかけない人を好きになったり傷ついたりを繰りかえしてるうちに、そんな風に未来の道が出来上がってるなんてあり得ないんだと気づいた。
 自分の選択した道を自分で裏切ったり、時が感情の色を変えていったり……。
 心がどこを目指して旅してるのか分かってるつもりなのに、足はぜんぜん、違う方向に向かってたり。
 気まぐれ旅行では、思いがけない場所で思いがけない景色を見て、「少し遠回りしていこうかな」と思うことの連続。そして、旅を続けるうちに選択の仕方が少しずつ変わっていく。
 頭で決めているつもりでも、あたしを取り囲んでる大きな世界のエネルギーが、一緒に選択してるような気がする。
 それを運命って言う人もいるかもしれない。
 でもあたしは運命っていうより、命そのものがほんとに望んでいるように歩いていくんだってことなんだと思う。
「あたしはこういう人」「こういう生き方がしたい」「これはしたくない」……頭で考えてるのと心の奥底は、ぜんぜん違ってたり、誰かと出会ったことで180度、方向が変わっちゃったり。
 でも、たぶん、それでいい。
 頭の中では人生の目的やゴールがあったとしても、あたしたちが生きるのは、そのためだけじゃない。そこまでの長く遠い道を、誰とどんな風に歩いていくのか、歩くこと、生きることそのものが喜びになる人生が、きっと最高なんだよね。
 カラダも心も喜びたい、キラキラ弾けたいと願ってる。
 ずいぶん、遠回りしたけど、今やっとそんなキモチに到達できたことが、すごくウレシイ。

 去年のテロ事件からずっと構想を練って、推敲を繰り返してた『R.I.P.』がようやく完成しました。月末には書店に並びます。
 どんな大義名分があっても愛する人を殺されること、誰かに愛されている人を殺すことは、心臓を引き裂き、人を地獄に叩き落す。
 そんな地獄の中で生き延びるために、悪魔の声に耳を傾けて生きてきた口のきけない障害を持ったキズナと、彼の犯行を捜査する立場のセツナ。
 過去の傷跡が二人を接近させ、いつしか深く愛し合うようになる。
 キズナと離れて生きることができなくなったセツナが、愛のために選んだ悲しい決意とは……
 全身全霊で書き上げたので、今は虚脱状態。
 あたしがセツナなら、やっぱり彼女と同じ行動をとるでしょう。
 あなたなら、どうしますか?

 NYツアーのダンスの練習、始まりました。
 すごくかっこいい振り付けで、ヤバイ!!



追伸

『イノセント・ワールド』英語版出版記念NYキャンペーンにたくさんのお申し込みをいただいています。どうもありがとう!! その中で、必須項目が抜けている方や、写真が添付されていない方、画像が開けない方が数多くいらっしゃいました。質問項目と写真はすべて必須となっておりますので、心当たりのある方は追加情報として写真、回答を以下の宛先まで郵送して下さい。みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。ご応募、お待ちしております!

郵便番号151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-9-7 
(株)幻冬舎 編集部
『イノセント ワールド』
英語版出版記念NYツア−係

→「イノセント・ワールド」英語版出版記念
NYキャンペーンについて


『Frozen Ecstacy Shake』発売記念ということで、あたしと瞳ちゃんが講談社のHPで対談しています。見てみてください。
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7月1日

 まず初めに、この「ETERNAL WIND」のBBSに集ってくれているみんなへ。
 どこのサイトより、ここに集まってくれているみんなは、ほんとの愛と優しさが溢れてるって思う。あたしはほんとうに、誇りに思ってます。
 何が優しさで何が友情なのかは、人それぞれで基準が違う。ある人にとっての思いやりが、ある人にとってのお節介かもしれない。
 でも、根っこに相手が大好き!! っていう気持ちがある限り、それは優しさなんじゃないかな。そして、そういう優しさは必ず共感の輪を生む。世の中には他人にあんまり関心が無い人もいたり、傷つけあうことも多くてため息をつくことも多いけど、ここのみんなはスペシャルウォーミングなハートの持ち主だよ!!
 心の底からありがとう!!

 ところで先週から今週にかけて、なんだか座ってゆっくりご飯を食べる時間もないぐらい、いろんなことをしていた。
 まず、原宿ラフォーレの上にあるミュージアムで行われている実花っちの個展。
 全部、女の子・女の子・女の子……。かわいかったり、綺麗だったり、凛としてたり、赤ちゃんみたいだったり……。
 実花っちがこれまで撮った女の子たちのパワーが、フロアいっぱいに弾けていて、すごくよかった。表紙を飾ってくれた真実ちゃん、真央ちゃん、英恵ちゃんもいるよ!! 見に行ったら、どこにあるか探してみて。
 水色の着物を着た実花っち、いつもの凛々しい姿とはうってかわって女っぽーい。
 撮影のときでもいつもきれいな模様のマニキュアを塗っていたり、可愛いキャップを被っていたり、一点ものの指輪をしてたり、すっごくおしゃれさん。
 あたしもがんばろーっていつも思うのです。
 という訳で今日は幻冬舎へ行った帰りに、裏参道の古着屋めぐり。
 キャミのフェチとしては、今の季節からがベストシーズン。
 実花っちの写真みたいな鮮やかなビタミン・カラーの重ね着が大好きだから、キャミは何十枚ももってるけど、カワイイのを見るとすぐに手が出ちゃう。洋服を見てる時間って、いつもの二倍で飛んでいくよね。やるべきことがたっくさんあるのに、原宿を三時間もふらついてたあたし……。
 迷惑をかけたみなさん、ごめんなさい。でもオシャレって絶対に必要なことだと思う!



追伸

 あたしはチェルシーの中ではヨーグルト味が一番好き。これは絶対。ニガテなのはバターとコーヒー味、かな。ポッキーではつぶつぶアーモンドチョコが一番。みんなは何が好き?
『チェルシー』の登場人物がみんなお菓子の名前なのは、あるふかーいワケがあります。さてそれはなんでしょう。


 七月に出る予定の『R.I.P.』、何度も推敲を重ねていたら、ちょっと出版が遅くなりそうです。戦争と殺戮の消えない現代の世界に生きるロミオとジュリエットの、許されない悲恋を描きました。待っててね。


『イノセント・ワールド』英語版出版記念NYキャンペーンにたくさんのお申し込みをいただいています。どうもありがとう!! その中で、必須項目が抜けている方や、写真が添付されていない方、画像が開けない方が数多くいらっしゃいました。質問項目と写真はすべて必須となっておりますので、心当たりのある方は追加情報として写真、回答を以下の宛先まで郵送して下さい。みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。ご応募、お待ちしております!

郵便番号151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-9-7 
(株)幻冬舎 編集部
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再生産決定しました。
詳しくはここをクリック!!


6月15日

『Chelsea』の表紙、アップしました。
 ほわーんとした優しい色調の左内ワールドは、まるでちょっと昔のアルバムからはがしたスナップみたいで、心が癒される。
 レイナちゃんほどチェルシーっていう名前の似合う女の子はいないと思う。まだ中学一年。これから女優の夢に羽ばたく、カワイイ美少女です(レイナちゃんについて知りたい人はオスカープロモーションへGO!)。
 それからアメリカでのPR用に撮ったキルビル真央ちゃんの写真を二枚紹介しちゃう。こっちは対照的に、強くて凛々しい眼がすごく印象的でしょ? これで刀を持って戦ったら、ユマ・サーマンより強そう。ほかの写真もすごく綺麗なので、今、ポストカードでも作ろうかと思案中です。
 是枝監督の映画「誰も知らない」にも出演してた『空の香りを愛するように』の英恵ちゃんは、なんとカンヌでブラピと遭遇したらしい。今度は宮沢りえさん主演の時代劇で共演するそうです。応援してあげてね。
 それにしてもレイナちゃん、英恵ちゃん、真央ちゃんと、三人の超美少女がこの日記を飾ってくれるなんて、ホント、ゴージャス!!
 
 きょうはコトバについて書きます。
 
 コトバって不思議だね
 コトバは心を隠す
 コトバは心を裏切る
 コトバは心をかき乱す
 コトバは心を突き刺す
 コトバは心を殺す
 でも心を救うのも、コトバだけ

 コトバなんて信じないといいながら、そんな風に他人のコトバに一喜一憂しちゃうあたしたち。
 百のコトバより心のこもったしぐさやハグのほうが心に響くっていいながら、それでもやっぱり「愛してる」とか「好き」とか「一緒にいよう」っていうコトバがないと、不安でたまらなくなるよね。
 きっとエッチと同じように、コトバも想いのカクニンなんだと思う。
 お互い、大切に思ってるよね、仲良しでいたいよねっていうカタチのあるカクニン。
 人間ってカクニンを求める生き物なんだよね。
 カクニンがなければ、もしかしたら自分の一人よがりかもしれないし、誤解かもしれないって心配ばっかりしちゃう。
 心の中身は見えないから、コトバ以外に相手の行動の意味を知る方法はないんだと思う。
 そのカクニンの根っこにあるのは、多分すべて「あたしがココにいてもイイデスカ?」っていうこと。あなたはあたしを気に入ってますか? あなたはあたしと一緒にいるのが楽しいですか? あなたはあたしを求めてますか? っていうこと。すべての会話は、最後にはこれらをカクニンするためにあるんだと思ってる。
 そう、犬でいえばクンクンにおいを嗅ぎあうみたいな行為。
 だからネットとか携帯とか、便利なツールを使ってても、そこでやってることは、やっぱり本能的なカクニン行為だよね。どんなに孤独が好きでも、やっぱり人はこのカクニンがなくちゃ生きていけない。
 あたしは自分のこと、淋しがりやの孤独好きだと思ってる。
 一人旅とか、一人で何かするのが大好きだけど、誰かとわかりあえたり心が触れ合えたりする瞬間もすごく感動する。たとえ旅先で知り合った名前も知らない人でも。
 どっちがなくてもダメ。両方の間を行ったり来たりして、心のバランスをとってるのかな。
 でもコトバのカクニンはちょっとだけ苦手。
 妹体質だから、最初におにーさんやおねーさんぽく、「ここにいていいんだよ」って言われないと、「ふん!!」みたいな感じになってヒネちゃう。でも、上手に甘えさせてくれる人には、どこまでもどこまでもついていきます!!(笑)
 そんな風に、人によってカクニンの仕方や形は違うけど、色んな場所に溢れてるコトバが、「ココにいてもイイデスカ」「君にいてほしい」っていう、心と心にかける橋だって考えると、なんだかすごくあったかい気持ちになれるよね。



追伸
 ニューヨーク・ツァー、たくさん応募してもらってて、すごくうれしー!!
 一応、人数枠があるので、まだの方はお早めに。締め切り次第、お返事メールを送ります。

→「イノセント・ワールド」英語版出版記念
NYキャンペーンについて



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再生産決定しました。
詳しくはここをクリック!!


6月1日

 今日は最初に、来週、講談社から出る単行本「Chelsea」について書きます。
 この前、BBSにも書いたけど、この本はあたしの過去の「死」だけが救いだった時期の気持ちをテーマにした、かなり個人的な感覚の強い物語。
 今だからわかるけど、そのころ、あたしは人間関係にすごく神経質で未熟で、そのくせ人一倍、人に愛されたいと思ってた。子供のころの心の傷とか、思い描いてた空想の世界と現実とのギャップとか、自分自身の周りの人たちとの関わりかたとか、いろんなことが積み重なって、生きていくことにすごく疲れて辛くなった。……ごめん、詳しく書こうとしてリアルに思いだすと、今でも精神的にかなり不安定になるから、こんなあいまいな書き方になっちゃうけど。
 とにかくそういう時期があったから、あたしは死にたいと感じる人が、どんな場所に立ってるのか理解できる。そしてそう思うことで救われるなら、その「思い」を悪いことだとは感じない。
 暗くて深い穴に落ちたときに、地上に立ってる人がどんなに「太陽の光はすばらしい」って言っても、それを見ることすらできないしね。でも、あたしが死ななかった理由は、この世界イコール終わりのない暗い穴じゃない、いつか這い出して別の世界を見られるんじゃないか、もしかしたらそこには諦めてた夢のように美しいものがあるんじゃないかと、心のどこかで思ってから……だと思う。
 そして今は「memento mori……死を想う」ことと、「死を願う」ことは、ぜんぜん違うことだと知ってる。
 そんなふうに歩いてきた心の道を、この物語の主役、チェルシーとプリッツに託した。
 死を願って樹海に行ったチェルシーは、あのころのあたし自身なんだと思う。
 いつのまにか地上に這い登っていたあたしが知ったのは、自分が望むものは決して外から与えられはしない、自分で作り出すしかないっていうこと。
 あたしが夢見ていた人とのかかわり方、見慣れた景色を夢の光景に変える感覚、たくさんの共感や優しさ……。それは決して空から降ってきたり、誰かが差し出してくれるわけじゃない。
 長い時間をかけて、一生懸命、心を傾けて、自分の中に育てていくもの。
 そして一番欲しかったもの……それが何かはここには書かないけど、それがどこか秘密の場所に隠されてるんじゃなくて、自分の内側から自然に溢れてくるものなんだって気づいたときの、大きな驚き……。

 人間ってほんとに不思議ないきもの。
 心の色も形も温度も、どんどん変わっていく。
 そんな不思議さに感動できる日々を、今はとっても好き。


 先週、岩井俊二監督と久しぶりに、夜明けまで飲んで色んな話をしたときもそれを思った。ミュージシャンで俳優で、「Love Letter」で郵便配達屋さんをやってた梅田凡和さんも一緒だったよ。映画の話から子供時代のちょっと風変わりな思い出までしゃべりまくりですっごく楽しくて、気がついたら朝!!
 あたしはアルコールに弱いはずなのに、最近は強くなってきたみたい。謎だ。
 岩井監督の映画も、「心の光景」を映像にした「不思議さ」のフィルターを強く感じる。感性や感覚、人に対する眼差し……。全部、岩井監督の心の内側から生まれてくるものを自分で脚本家して、高い技術で映像化するっていう仕事の仕方は、どんな作家よりも作家的だなーって思う。「花とアリス」では音楽まで自分でやっちゃってるしね。
 岩井監督に誘われて、また自分の作った世界を映像化してみたいっていう欲求が、むらむらとわいてきた(笑)
 一人じゃ不安だしすごくちっぽけなことしかできないけど、ものすげー心強い映画の神様が後ろにどんと構えててくれれば、なんか安心して自分らしく新しい挑戦にトライできそうな気がしてくるのも不思議のひとつ。
 変わらないところと、どんどん変わっていくところ。
 両方、持ってれば、きっとどんな場所だって恐れずに歩いていけるよね。



追伸
 ニューヨーク・ツァー、たくさん応募してもらってて、すごくうれしー!!
 一応、人数枠があるので、まだの方はお早めに。締め切り次第、お返事メールを送ります。

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5月14日

 最初にお知らせをふたつ。
「イノセント・ワールド」英訳出版の、NYキャンペーン・ツァーについてのあたしへのメールアドレス、できたので下に入れておきます。

amisakurai@gentosha.co.jp
NYキャンペーン・ツァー詳細

 ダンスの振り付けと指導をしてくれるのは、いろんな大学で教えたり、バックダンサーもやってるヨウちゃんっていうすっごく上手な女の子。踊ってもらうダンスは簡単なパラパラの応用編と、ちょっと本格的な踊りの二通りがあって、自分のレベルに合わせて選べるよ。
 この機会にちょっとダンスをはじめてみたいっていう人もぜひ!!
 ツアー参加を希望するひとは、要項をチェックしてOKならメールください!!


 あと「MADE IN HEAVEN」のDVD、たくさんお問い合わせをもらっています。申し込みの数が一定数になり次第追加生産するので、下のアドレスをクリックしてみてね(大きい画面でみると映像がちょっと荒れちゃうんだ。最初にごめなさいしとくね(笑))。

『MADE IN HEAVEN』
イメージ・ショート・ムービー DVD
について



 最近恋愛の悩み解決本を書いてるせいか、恋愛について人と話すことが多くなったみたい。
 あるひとは「今は愛より恋がしたい。トキメキたいから」って言い、別のひとは「ほんとうに好きになれる人がほしい。でも相手が自分をほんとうに好きになってくれないと、そこまで踏み込めない」って言う。
 恋愛ってそのときの自分の心を映す鏡みたいなものだよね。
 自分が心を開いて、相手を丸ごと受けいれられるぐらい強くなってればそういう関係を求めるし、「これ以上は入ってこないで」っていう状態だと、知らず知らずにそういうクールな関係になってる。
 どこまで自分を開けるかっていうのが、恋愛の形を決める大きなカギなのかな。
 あたしも十分の四ぐらいしか心のドアを開けないときがあった。プライドとか、もっとあけたら立ち直れないぐらい傷つけられるかも、とか、カレの欠点とかいやなとこは見たくないとか……。そういうときって、自分を守ることが第一で、相手の気持ちを考えてる余裕なんかない。
 そのくせ「もっとかまって、もっと好きになって」って要求ばっかり。だから、つきあってても片道通行。二人でいても1人+1人=2人にしかならなくて淋しくなる。心のドアを全開にしあえて、しかもお互いすごく好きになれる異性なんて、きっと世界中に数人しかいないのかもしれない。
 でも心を全開にできる態勢が準備オッケーになってるほうが、出会いやすいことは確かだよね。だってドアをノックしてるのに、半分しか開いてくれなかったらムカつくし、だいいち部屋に入れないじゃん(笑)。
 あるとき、気づいた。ドアをいつでも閉められるように身構えてて、守ろうとしてるものって、一体なんだろうって。
 自分の心の部屋なんてそんなに広いわけじゃないし、ベルサイユ宮殿の女王様の部屋みたいに絢爛豪華でもない。色んな感情が雑然ととっちらかってて、いくつかのちっちゃな宝石箱が引き出しに入ってる。そんな感じ。でもその「秘密の部屋」に誰もいれないことで、きっと「自分だけの帰ってこられる場所がある」って安心してたんだよね。つまり居場所は自分の心ってこと。
 今でも、やっぱり内向的な(ほんとだよ(笑))あたしの居場所は心の中のそのお部屋なんだと思う。でも、だんだんに好きな人がきたら「どーぞ」ってドアを全開して、相手をそのお部屋に招待したり、相手の心の部屋を訪問してリラックスして楽しむことができるようになった。
 相手の部屋にあった家具やカーテンを気に入って、自分の部屋に置いてみたり、自分の部屋のお花をプレゼントしたり……。
 傷つけられたら、なんていうガードを捨てないと、そういう「心のお部屋デート」は楽しめない。信じて、安心して、二つの部屋にあるものをシャッフルして、もっとステキなお部屋にする。それをすごくシアワセに感じることが、あたしにとってきっと最高の恋愛なんだと思う。
 みんなの場合はどうなのかな?



(お仕事情報)
講談社の「CHELSEA」は予定通り六月上旬に出ます!! 今、表紙デザインの最後の詰めをしてます。今までとはかなーり雰囲気が変わってて、ビックリするかも。幻冬舎のはちょっと出版の順序が入れ替わって、七月に「R・I・P(Rest In Peace)」がでることになりました。恋愛のひとつの究極形を描いてみたかった!!
 でも読み直して自分でかなりショックを受けてしまった(謎)。



(『MADE IN HEAVEN』
イメージ・ショート・ムービー DVD
について)
 DVDについてのお問い合わせをいくつかいただいておりますが、現在のところ再生産については未定です。お問い合わせ、再生産のご希望が増え一定数に達し次第再生産を行います。需要・ご希望把握のため、再生産、購入ご希望の方はメールにて
info@gentosha.co.jp宛にご連絡ください(再生産決定時には、このページでの告知とあわせ、お問い合わせいただいた方にメールでもお知らせいたします)(以上、『MADE IN HEAVENイメージ・ショート・ムービー DVD』制作スタッフからの追伸でした)。


『Frozen Ecstacy Shake』発売記念ということで、あたしと瞳ちゃんが講談社のHPで対談しています。見てみてください。
http://vitaminf.jp/sakurai/





5月1日

 今回はニューヨークでのイベントについて書きまーす!!
 これは九月の「イノセント・ワールド」の英語版出版を記念して、 向こうのたくさんの人に今の日本に生きてる女の子たちの元気さやみんなの心の声を直接、聞いてもらいたい、ってことから始まった企画。
 前回も書いたように、本当はどこの国でも根っこのところでは、みんなが学校とか社会とか戦争に感じてることはそれほど大きな違いはないのに、それを直接感じあえる機会はとっても少ない。
 だから、閉じた感覚のままで、誤解やぶつかりあいが生まれちゃう。
 で、アメリカ→日本に入ってくる情報はとっても多いのに、その逆はすごく少ないよね。あたしは日本人が考えててることや新しい文化を、もっともっと向こうの人に伝えるべきだと思う。どっちが強いとか正しいとかエライとかってことじゃなくて、日本のみんなが向こうの人たちにいい影響を与えられることだっていっぱいある!!
 それに『イノセント・ワールド』のアミみたいな感覚を持ってる子だって、きっと世界中いろんなところにいると思う。
 この世界に「不適応」と思っていて、心の居場所がない子たちの生き方も、それぞれ表面に出るものは違うかもしれないけど、心の奥にあるコドクや淋しさは一緒じゃないかな(だからこそ、この小説を英語圏で出版したかった。もちろんアジアとかヨーロッパとかにもしたいけど、まず最初の一歩)。
 そういう気持ちを、お互いに分かり合えれば、きっといつか誤解しあったまま、傷つけあわずにすむ世界がくるかもしれない。
 そんな「キレイごと」をやってみたかった。
「キレイごと」でいいじゃん。すべてはきっと「キレイごと」からはじまるっで信じてるから。


<NYキャンペーンについて>

 細かい日にちは未定だけど、今のとこ九月の三週目の週末を予定してます。
 日本の女の子をメインに国籍を問わず、なるべく多くのgirl チームを作って、かっこいい(でも簡単な)ダンスとスピーチで、日本やアメリカのの10代についてとか戦争についてなんかをメッセージしながら、『イノセント・ワールド』で繋がろう、みたいな呼びかけをするっていうものです。そんなに難しいものじゃないから、自分なりの考えや意見、言いたいことを持ってる人なら、誰でもだいじょうぶ。
 そこで参加者を大募集!! 
 参加資格としては中学生から25、26歳ぐらいまでの女性。年齢はあんまり問わないけど、とにかく向こうの高校の制服をかっこよくかわいく着られる、自分なりのポリシーを持った人。
 英語はしゃべれなくてもいいよ。
 本人のメッセージを英訳したものを覚えてもらえればいいので(短いものです)二十歳未満なら親の同意が得られる人。
 あともちろん、パスポートを持っている人。

 参加スタイルは次の三種類です

A
米国に留学か移住していて、当日NYでのイベントに参加できる人。トモダチ連れでぜひ参加してね。トモダチはどこの国のひとでも条件にあえば可です。

B
休みじゃないのがちょっと辛いけど、九月後半、卒業旅行などでNYに滞在する予定の人。

※A Bの人はNYで合流して、リハーサルから参加してもらいます。

C
この機会に行きたかったNYに行ってみちゃおうかな、と思ってる人。
 割安ツァーだと、大体六泊四日ぐらいで12万円前後ぐらい。
 この費用にかんしては、今後色々と交渉してなるべく安くするつもり。
 日本からの参加者は事前に何回かミーティングして、ダンスの練習をしてもらい、グループツァーとしてNYに行ってもらう予定です。
 飛行機もホテルもこっちでセットアップしちゃうので、心配はなし。
 みんなこっちでトモダチになってるし、頼りになる世話人もいるから、はじめての外国の不安もないよ。
 現地でも、いろいろ親切にお世話します。
 でもNYは日本より治安が悪いところもあるので、ちゃんと自分の行動に責任を持って、常にあたしたちとコンタクトをとれる人を希望します。

D
あと男の子でもオリジナルのかっこいいファッションで、かっこいいパフォーマンスできる人なら可です。

 このイベントに参加する特典!!
 何よりいっぱいトモダチができて、みんなでかっこいいダンス踊ったりパフォーマンスして、 楽しい思い出になること。
 ニューヨークっていう大都市で自分の考えをみんなにメッセージするめったにないチャンスで、人間的に成長できること。
 それにイベント後はリクエストに応じてニューヨークの観光名所とか、ガイドしちゃいまーす。
 あと……なによりセーラー服を着て、コスプレの日野っちや篠原くんと一緒に踊れるよーっっ。さらにワタクシ桜井亜美がみんなの活躍をビデオに撮影し、このサイトで公開しまーす。
 今からちょっとがんばってお金をためてみよー。


 このNYの「イノセント・ワールド」米国出版キャンペーン・イベントツァーに参加希望の方は、とりあえず

(1)
名前
(2)
年齢
(3)
住所
(4)
電話番号
(5)
メールアドレス
(6)
在学か在職か
(7)
パスポートの有無
(8)
未成年者は親の同意ありか
(9)
身長・体重・服のサイズ
(10)
ダンス経験 英会話できる、などの自己アピール
(11)
写真をパソコンに取り込める人は、顔写真と全身写真を添付ファイルにつけて次のアドレスをクリックしてメールを送ってください

 人数は一定数になったら締め切るので、お早めに!!
 
私へのメールのアドレス amisakurai@gentosha.co.jp


This is an invitation to
the "Innocent World" Festival to be held in NYC
this September.


I'm a Japanese author, Ami Sakurai.
Please participate in the launch event
for my novel "Innocent World"
It doesn't matter whether you're
American, French, Chinese, Indian, or Korean,
people from all countries are welcome.
There will be a dance performance,
whose message will be the necessity of human links.
We hope to convey that the next generation
won't take part in war and killing.
We'll pray for girls' soulful communication culture
to spread worldwide!

If you wish to take part in this festival,
please send your name, age, sex, and height
to the below email address. If possible, please also
send a photo.

Click here amisakurai@gentosha.co.jp



(亜美の新刊情報)
 今回はお知らせばっかりになっちゃったけど、新刊情報もありまーす。
 講談社の「Chelsea」は六月上旬に発売と決まりました。
 これについては次回、詳しく書きます。
 それからシャープの携帯に連載してた「apri*kiss」も、あとみんなに恋愛のお悩みを書いてもらった恋愛についての本も着々と進行中です。楽しみながら恋愛ウィナーになれること、間違いなし!!



(『MADE IN HEAVEN』
イメージ・ショート・ムービー DVD
について)
 DVDについてのお問い合わせをいくつかいただいておりますが、現在のところ再生産については未定です。お問い合わせ、再生産のご希望が増え一定数に達し次第再生産を行います。需要・ご希望把握のため、再生産、購入ご希望の方はメールにてinfo@gentosha.co.jp宛にご連絡ください(再生産決定時には、このページでの告知とあわせ、お問い合わせいただいた方にメールでもお知らせいたします)(以上、『MADE IN HEAVENイメージ・ショート・ムービー DVD』政策スタッフからの追伸でした)。


『Frozen Ecstacy Shake』発売記念ということで、あたしと瞳ちゃんが講談社のHPで対談しています。見てみてください。
http://vitaminf.jp/sakurai/





4月15日

 今回(五回目ぐらいかな)NYに行って、秋に出版される英語版「イノセント・ワールド」について、出版社の人たちといろんな話をした。
「どうしてこの本を書いたの?」と聞かれて、あの頃の思いが苦しくなるぐらいすごくリアルに蘇ってきた。
 それは子供の頃からずっと胸に染み付いていて、大人になるにつれて黒い焦げあとになってしまったもの。
 「どうして人は人の心を傷つけて、死ぬほどの悲しみを与えてしまう生き物なんだろう」っていうこと。いろんな「……は……だから」っていうささやかな個性の違いを理由にして、自分が自分であるためにその人の心を踏みにじったり、いろんなくだらない噂を流したり、存在そのものを全否定してしまったり。相手も人間なのに、人間扱いしないのは、自分の小さなプライドや優越感を守るため?
 タクヤにそっくりな男の子がいた。浅黒くて、とてもキレイな眼をしたでもちょっと障害のある男の子。その子とスーパーに買い物に行った。
 歓声をあげてワゴンを覗き込んだままフリーズしてしまった彼を、周りの買い物客たちは薄気味悪そうに眺めて、できるだけ離れようとしたり、遠目にみながらヒソヒソ話しをていた。
 めっちゃ悔しくて、泣きたくなった。
 なんで? こんなに心が透明な宝石みたいにキレイで優しいのに。あんたたちよりずっと上等の人間なのに、なんでそんな眼で見られなきゃならないんだよって。
 あんたたちは自分とちょっとでも違うものを、自分たちより下だと値踏みするために、安心したいために、そうやってバカにする。でも、人間のほんとの価値なんかきっと、絶対にわからない。そう思った。
 あたしも小学校の頃、ちょこっと他人と違ってて、教室で一日中誰ともしゃべらなかったり、話しかけられても答えなかった時期があって、そのとき、やっぱり物凄く冷たい視線や言葉を浴びせかけられた。だから、よけい彼にシンクロしちゃったんだと思う。
 話さなかったのは、きっと強いイジメっ子たちが支配する「次はお前だ」みたいな空気がイヤでたまらなくて、何が何でもその中に入っていきたくなかったから。
 心の中ではいろんなことを感じてたけど、それを言葉にしちゃうと、もっとキツイことになっちゃう。だからしゃべらないってことで、自分の気持ちをメッセージしてたんだと思う。
 今考えると、そんな方法はすごく幼稚だったと思うけど、他に何にも方法がなかった。
 あたしみたいにかたくなすぎる心も、その男の子みたいに裏側のない透き通りすぎた心も、この世界ではすごく生きにくい。でも何だか、その子のあったかな心の近くにいることは、自分を守ってもらうことのようにも感じてたんだ。
 そのとき、自分がほんとに求めてるのは、人間が身を守るために誰かを傷つけなくちゃ生きていけないこの世界の掟から離れて、独立した星みたいにただ優しい熱を発光してる心なんだと思った。
 
 今回のNY滞在中に、おととしからずっと書いてた長い小説の仕上げをした。
 多分、この国でするのが一番相応しいと思ったから。
 アメリカはすごく好きな面と、エゴイスティックだと思う両面がある。みんなすごくフレンドリーだし、新しいものを生み出すパワーはほんとにすごいし、音楽も文学も最高のものがたくさんある…… それが大好きなところ。
 でもいつも強くなくちゃいけない、いつも世界をリードして、自分たちと価値観の違うもの変えていかなくちゃならないって、結果的に争いが生まれる状況を呼んでしまうのもアメリカ。
 そしてイラクはテロっていう一番許せない、ネガティブな形で、歴史が作り出した負の部分を吐き出している。
 本当は宗教の違いが問題なんじゃない。地球上の別々の地域で別々の歴史を歩み、違う言語を話すようになった二つの国なら必ずある、想像もつかないほど大きな溝を、言葉や交流で埋められなかったお互いの傲慢さのせいかもしれない。
 その負の部分は、あたしが《人間》に感じ続けてきた、「生きるために誰かを傷つけてしまう」っていうにも通じてる。
 「クロム・ハート」ではそんな悲しみを恋愛で書きたかった。自分は被害者だけじゃなくて、加害者でもあるんだ。その両方の痛みを知っていて捨てないひとだけが、ほんとの意味のオトナなんじゃないかなって。
 あの小説に出てきた西成は、そういう理想的な「オトナ」の姿を託したつもり。「空の香りを愛するように」もきっといろんな感じ方をされたと思うけど、やっぱり傷つけるものと傷つくものは結局同じ根っこからでてきたもので、その輪廻を止めるのはエゴのカラを破る深い愛情しかないっていいたかった。そしてミツルっていう不思議な存在に、その想いを託したんだ。
 ミスチルの新アルバム「シフクノオト」に入っている「タガタメ」も、やっぱり人は誰でも被害者にも加害者にもなってしまう生き物で、その痛みを取り去るには愛することしかないって歌ってる。まるであたしのキモチを代弁してもらったみたい。
 子供のころからずっと感じてきたこんな思いを、おととしの9.11をきっかけに小説として書きたいと思った。
 今度は「イノセント・ワールド」とは違う方法を使って。
 でも、書きかけたとき、あまりにも大きなテーマを表現するためにはまだ考える時間が足りないって思った。それから一年半以上、少しずつカラダの中で膨れ上がっていく気持ちを、小説って言うカタチに置き換えていったんだ。
 その結果、出来上がったのが「R.I.P」っていう小説。タイトルはRest In Peaceからとった。ラップのCDとかで、死んでしまったミュージシャンの名前の後に書かれる追悼の言葉だよ。
 長くなっちゃったからこの話題と結びついてる、九月にNYでやる英語版「イノセント・ワールド」出版イベントについては次回に書きまーす。向こうで撮った写真も、現像したらアップするね。
 ところで向こうのタワレコでいいCDをゲットしようと色々探してたら、なぜかワールド・ミュージックのコーナーで足が止まった。もともとあたしはケルト音楽とか中国の胡弓とかも大好きだし、すごーくその国の土のにおいがするような音楽が聞きたかったんだ。
 で、試聴して気に入ったのが、「Finest hour」っていうブラジルの超濃いボサノバと、「MORELENBAUM2」っていう美しいピアノと歌の不思議な一体感があるCD。 この二番目のほうを手に取ったとき、アーティスト名に「SAKAMOTO」って書いてあったから、最初は「へー、ブラジルにもサカモトさんなんていう名前のひとがいるんだー。でもやっぱヘン」って、バカなことを考えてた。
 でも試聴してすぐ謎がとけた。これはあの坂本龍一教授が作曲やピアノ演奏に加わってる、かなーりすごいアルバムなのです。どんな国のテイストにも溶け合ってしまう、華麗なピアノのメロディはさすがーって感動した。にしてもさすがNY在住だけあって、世界各国のミュージシャンと一緒に仕事してるんだね。
 そういうのって、やっぱりかなり……っていうかめっちゃうらやましいし、リスペクトしちゃう。
 音楽も小説も映画も、国境なんてない。
 感動する感受性やココロにも国境はない。だから、自分の仕事で世界中と繋がってる感じをもてたら、最高のシアワセだろうなーと思う。



<亜美のお仕事情報>
 お待たせしている「CHELSEA」はちゃくちゃくと完成に近づきつつあります。
 たぶん、五月ごろには出ると思う。
 チェルシーとポッキーの奇妙な恋の行方に注目!!
 今、出てる別冊カドカワ「ミスチル特集」の小説「シフクノオト」、読んでみてね。
 将来も決まらず同棲していた恋人にも去られたキシが、たった一人、深夜のサッカーグラウンドで聞いた音の正体は……?? そんなちょっと異色テイストのお話です。あたしは過去のいろんな瞬間を思い出して、読むたびに泣いちゃう。自分で書いたのに、不思議。



追伸 そうだっ!! グッゲンハイム美術館でマチュー・バーニーの「クレマスター3」のビデオ、見事にゲットしたよ。これから見るんだ。楽しみ!!
 写真集もすごくいいのがいっぱいあって両手いっぱい買って帰りたかったけど、「この何十キロもの本かついで、どうやって日本に帰れっちゅうやね(へんな大阪弁)」と自主規制しました。



<お知らせ>
 あと小説スバルの短編「SWAN X-1」も三月号です。それから書き忘れてたけど、河出書房新社から出てる河出夢ムック「山田かまち」に、「ピュア」っていうエッセイを書いているのでチェックしてみてね。

『Frozen Ecstacy Shake』発売記念ということで、あたしと瞳ちゃんが講談社のHPで対談しています。見てみてください。
http://vitaminf.jp/sakurai/





3月30日

『空の香りを愛するように』を本屋で見たとき、自分の作品なのにものすごく胸がキュンとした。
 英恵ちゃんの清潔な夢見る女の子のキレイさを蜷川実花さんの写真がほんとに胸がドキドキするほど美しく鮮烈にとらえてて、それを繊細さを生かした装丁が120パーセント引き出してくれてる。
 あたしが望んでいた世界が、こんなに最高のカタチで表現してもらえて、言葉にならないほど感動しました。
「空の香り」はいつも自分の一番近くにあるのに、いつもはいそがしさにまぎれて通りすぎてしまうもの。
 でも、誰かを恋しているとき、街を歩いていてもふとその人の影までを探してしまうとき、その人と自分の人生が重なり合って、彼のぬくもりを決して失えないものだと気づくとき、あたしたちは空の香りに気づく。
 誰かを愛すると心の堅く閉じた掛け金が外れて、空に向かって彼の心を求める感情がどこまでも吸い込まれていくような気がする。どんなに大気の中に溢れても、つきることのない光。
 そして、あたしたちは心を映したセルリアン・ブルーに息をのみ、星からのメッセージを聞き、花や樹や土や雨の生まれる源の、心を優しく抱く空の香りを胸いっぱいに吸い込む。その瞬間、あたしたちは世界とひとつになる。
 空はいつも呼びかけていてくれたんだって、ようやく気づく瞬間。
「心を全部、空に向かって開いてごらん。悲しみも淋しさも隠していた傷も隠さずに。愛するひとはきっと私のように、それをすべて吸い込んで、尽きることのない青の無窮の中に抱いてくれるから」と。
 空の香りを愛するように、いちばん大好きな人に抱かれ、抱きしめたい。
 その生きている重さを、魂で感じたい。
 そんなキモチが両手いっぱいにつまった本です。



<亜美的一週間>
 実花っちが参加する名古屋のアートイベントに出展するために、彼女が作ったミカワールド的宝塚マガジン(すっごく面白いよ。何しろ表紙が、バリバリ、ヅカメイクの実花っち!!! 似合いすぎて、最初はマジに宝塚の男役スターだと思っちゃった)に、詩をかきました。
 題して「ベルサイユよ永遠に」。ヅカっぽいでしょ(笑)
 実花っちが撮った妖しいほど美しい真っ青な薔薇の花と似合うように、耽美的でちょっとだけ毒のある詩です。
 名古屋の人、もし機会があったらぜひ手にとって見てね。

 講談社から5月ごろ発売される「CHELSEA」(「群像」に掲載された「卒業旅行」のタイトルを変えて、加筆した小説です)の表紙撮影が無事に終わった。
 モデルは11歳の星川玲奈ちゃんという超美少女。なんと国民的美少女コンテストで審査委員賞をとった、妖精みたいな愛くるしい子です。玲奈ちゃんとは、不思議な運命に導かれて知り合ったんだけど、ほんとに見れば見るほどカワイイ。
 あたしは例によってスタイリストをかってでて、彼女に似合いそうないろんなお洋服や靴を集めました(最近、あたしはほんとにカワイイ服、カッコいい服が超大好き人間だって実感してる)。サンダルのときに履く、足の先だけのレースの靴下とか、バレエシューズみたいな透ける編み上げの靴下とか、蝶の髪留めとか、「わーっ、これもキレイ、あれもカワイイ」ってどんどん買い込んでもうタイヘン(笑)。
 撮影してくれたのは、いろんな雑誌とか本の表紙でおなじみの写真家、佐内正史さん。何気なく見上げた空とか、女の子の日常の一こまとか、すごくキレイな透明感があって、心の淀みを押し流してくれる力を持った写真を撮る写真家さんだよ。佐内さん自身も、自分の中を流れるオリジナルの時間や独特の世界観をがーんともってる、不思議系の楽しくてあったかいひと。
 バックにカラフルな傘をたくさん飾ったり、不思議なスカイブルーの家をアリスみたいに探検したり、女の子のお菓子みたいにスウィートで儚い夢をそのまま切り取った表紙になりそうで、ワクワクしっぱなしだった。

 ドコモとJ-phone内のサイト「space town books」で新しい連載小説「LiricalMurderer」がスタートした。出会い系の誘いメールから始まったイリアとダイチの不思議な関係。女の子の心の危ういバランスが、メールのやり取りでどう変化していくか……っていう新しいチャレンジの作品だよ。この小説についてる写真はあたしがデジカメで撮影しました!!
 スタイリスト、ヘアメイクもあたし! モデルは「apri*kiss」にも登場してくれたAYA。
 オシャレで、それでいてせつない、が写真のテーマです。

 今週から例によって、ちょっとの間、海をこえて放浪の旅にでます。
 でも、パソコンを持っていくしネットも繋げるから、旅先からここは毎日見るよ。
 もしかしたらBBSに現地報告するかも。



<お知らせ>
 あと小説スバルの短編「SWAN X-1」も三月号です。それから書き忘れてたけど、河出書房新社から出てる河出夢ムック「山田かまち」に、「ピュア」っていうエッセイを書いているのでチェックしてみてね。

『Frozen Ecstacy Shake』発売記念ということで、あたしと瞳ちゃんが講談社のHPで対談しています。見てみてください。
http://vitaminf.jp/sakurai/





3月14日

 いよいよ「神曲」と「fragile」二冊の文庫が本屋に並びました!!
 なんか俊くんが並んでると、ちょっとアイドルっぽいけど、彼の文芸的な表情(謎っぽい??)に注目してほしいです。
 「fragile」は文庫化する前に、少し文章を直してさらにバージョンアップしたので単行本とはちょっとだけ違ってます。気付いてくれたかな?
 今月末は「空の香りを愛するように」。久々に女の子の表紙に戻り、「亜美っぽいなー」と思ってる人も多いかも。
 「空の香り」ってどんな香りだと思う? あたしは七月、初夏の頃の草や樹の生長するちょっと緑っぽい匂いの混じった、つんとするような夏の匂いを想像する。
 でもきっと人によって、春の花の匂いだったり、冬の雪の匂いだったりするんだろーな。
 ある人が、このタイトルを見て「今までは気にもしなかったけど、毎日、会社の帰りに空を見上げるようになったよ」と言ってくれました。うれしかった。
 悲しいときも、すごくうれしいときも、空はあたしの、そしてあなたのすべてを両手いっぱいに抱きしめてくれる。涙をこらえてると、ちゃんと雲の色が明るく輝いて、あたしを慰めてくれた。子供の頃から、空が一番の親友だった気がする。
 この前、真中瞳ちゃんと代官山お店めぐりをしてきた。
 「WR」とか「イエロー」とかリメイク古着の「ズール」とか、2人の好きなお洋服のお店を全部まわって、「あっ、絶対これにあう」「いや、絶対似合わない!!」なんてサワギながら、結局、目当ての服を買って一段落。2人とも服なら何時間でも見ていられるので、お店の人はいろいろ振り回されて大変だったかも。ゴメンなさい。
 ご飯をたべたあと、カフェ「アフリカ」で「アメリカで瞳ちゃん主演のキルビルみたいなヘンな映画を撮る!!」とかめちゃ盛り上がったのでした。あたしがカメラ兼監督兼シナリオ兼スタイリストで、瞳ちゃんが超ぶっとんだ女の子の役。女優の演技に対する向こうの人たちの生の反応をそのまま撮影しちゃうっていうのを一回やってみたい。
 彼女は五月からNHKで「もっと恋せよ乙女」に出演するので、これからちょっと忙しくなりそう。



<亜美的お仕事の近況>
「月刊カドカワ別冊」のミスチル特集に掲載される小説を、[シフクノオト」を聞きまくりながら書きました。
 何度も聞いているうちに桜井さんの「何のために、誰のために戦うの?」っていうメッセージが心に染みてきた。
 ちなみにあたしの書いてる小説「シフクノオト」は、何もかも失った男の人が「Any」を聞きながら、「ぼくはまだ生きていける」って自分を励ます、かなり胸きゅんの小説です。
 ただひたすら桜井さんに読んでもらうために書きました!!(もちろん皆にもだよ)

 それから講談社「群像」に書いた「卒業旅行」は「CHLSEA」っていうタイトルになって、出版されます。今、表紙製作中なので、たぶん夏までには出るかな。大好きなCOCCOや「リリイ・シュシュ」の歌詞も入れて、女の子らしい可愛くてせつない本にするつもりです。
 あと英語版「イノセント・ワールド」の表紙を見せてもらったけど、映画のワンシーンみたいにめっちゃかっこよくてクールだった。完成したらここにも写真アップするね。



<お知らせ>
 あと小説スバルの短編「SWAN X-1」も三月号です。それから書き忘れてたけど、河出書房新社から出てる河出夢ムック「山田かまち」に、「ピュア」っていうエッセイを書いているのでチェックしてみてね。

『Frozen Ecstacy Shake』発売記念ということで、あたしと瞳ちゃんが講談社のHPで対談しています。見てみてください。
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3月1日

 今日のあたしは、天国まで舞い上がってます。
 なぜか? それは大大大好きなミュージシャンに会えたから!!
 その人の名前は桜井和寿さん。そうミスチルの桜井さん。キャーっっっ!!(うるさい女)
 実は「月刊カドカワ」っていう雑誌のミスチル特集号に、新しいアルバム「シフクノオト」にインスパイアされたオマージュっていうカタチで、小説を書くことになった。
「じゃあ、桜井さんにあわせて!!」って激しくお願いしたのです。ミスチルのデビューからずうっと好きだったし、アルバムも欠かさず買ってるし。歌番組に出ると、そこだけ必ずチェックするぐらい。「名もなき詩」「蘇生」「優しい歌」「口笛」そして新アルバムの「Any」……。
 みーんなヘビーローテーションの曲ばかり。
 多摩川での撮影の合間の時間、お話してくれた桜井さんはすごく優しくてあったかい笑顔で、ほんとに彼の歌う曲そのままの人だった。白いジャケットとジーンズっていう格好がなぜかあたしと偶然、おそろいになったことが子供みたいだけどうれしかったなー。
 それともう一つ、写真小説集「fragile」のことも知っててくれて、めっちゃ感動した。河原でスタッフとサッカーをやってるシーンの撮影では、マジになってボールを追いかけてる姿が、少年みたいでまぶしかったし。きっと今日のことは、一生忘れない。
 桜井さん、最高の思い出をありがとう。
 舞い上がってる心をちょっと落ち着かせて…… このBBSでもよく話題になるけど、みんなは同性を愛することってどう思う?
 あたしは男が男を、女が女を愛することも、異性の恋愛と少しも変わらないと思ってる。
 なぜかっていうと、あたし自身、女の子のことを「抱きしめたいほど可愛い!!」っていとおしくなった経験が何度かあるし、それがちょっと進んだ先には、異性を好きになった時と同じトキメキや欲望があるのかもしれないって、想像できるから。っていうか、高校の時はそういう女の子と抱き合ったり、キスしちゃったこともあるし(しかもみんなの前で)!!
 きっと誰でも、一度ぐらいそういう経験があって、その先にどっちが自分にぴったりくるか、選択が違うだけだと思う。でも、最近、アメリカのブッシュが「同性の結婚は禁止する方向に」とか言い出したよね。
 あれってすごくヘンだと思う。
 だって、結婚って、「一緒にいたい人と一緒にいる宣言をする」ことで、完全に個人のモンダイなのに、どうして国が法律とかでそんなことを禁止できるの? 結婚の目的は子供を作ることだけじゃないし、それにゲイやビアン同士のカップルで養子を引き取って育ててる人たちもいっぱいいるのに。
 大切なのは愛し合うこと。そしてその愛が、その周りにも愛の連鎖を生むような結びつきなんじゃないかな。
 三月に出る単行本「空の香りを愛するように」は、そんな愛の連鎖を描いた作品です。
 この作品の主人公はヒロインのモミジとその恋人のコウ、そしてコウをひたむきに愛する年下のミツル。ストレートの男の子を愛してしまったミツルの苦しみと、コウへの強い想いが、やがて精神的な危機に陥ったモミジを不思議な力で救う。そんなお話です。
 今までチャレンジしたことのない、淡いホラーテイストもまじえて、精一杯人を愛することの歓びとせつなさを描きました。同性を好きになって悩んでいる人も、自分の不安や恐れから、彼との関係に行き詰まっている人も、何かのヒントになればいいな。
 表紙は女の子の心がふっと空に舞い上がる瞬間を捉えた実花っちのステキな写真に、虹色の文字を使っていて、すごくキレイ。
 今、あたしは毎日この表紙を眺めてます。

追伸
 子犬のぷりん改めクルミちゃんは、みんなの応援のおかげですくすく元気に育ち、今はよちよちお尻をふって、可愛く歩きはじめてます。
 たべちゃいたいほどカワイイ!!



<お知らせ>
 あと小説スバルの短編「SWAN X-1」も三月号です。それから書き忘れてたけど、河出書房新社から出てる河出夢ムック「山田かまち」に、「ピュア」っていうエッセイを書いているのでチェックしてみてね。

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2月14日

 ニューヨークから帰ってきてからのあたしの生活は、作家兼、犬の乳母って感じ。 BBSにも書いたように、トイプーの赤ちゃんのうち三匹が死んでしまい、立ち直れないぐらいショックに打ちのめされた。で、最後の一匹は何がなんでも生きて大きくなってほしいと、殆ど毎晩徹夜で面倒を見てる。
 あまりお乳が出ないママ犬の代わりに、一時間おきにママのおっぱいに吸い付いてる赤ちゃんの口へ、スポイトでミルクを流し込むっていう、すごくめんどくさい作業なんだけど、これをやらないと、どんどん栄養不足で弱っちゃうから。
 この子がもしちゃんと大きくなれば、今、日野っち(なんと、出世して係長!!)を手伝ってくれているルーキー編集者、篠原くんのお家に嫁ぐ予定です。たとえ、よその家にいってしまう子でも自分の子。めっちゃ可愛い。お父さんがいつか結婚して家を出て行く女の子を、大切に思うみたいなものかな。
 写真もアップしたけど、仮に「ぷりん」と名前をつけた。神さま、ぷりんに生命の炎とパワーを与えてください!!ぷりん、がんばれーっ。

 今日はあたしのお気に入りのキャラクターグッズの写真をずらっと並べてみた。
 最初が米粒サイズの赤ちゃん起き上がりこぼしと、ロバのロビー。(A)
 それから最近人気のモダンペットっていうブランドの、「ショッピングバックラビット」(B)。いつもお買い物しまくって、手提げ袋をたっくさんもってるとこが可愛い。なんか、衝動買いして後悔してるときの自分みたいで(こんなにかわいくないとゆー声が……)
 その下(C)のへんてこな魚みたいなのは、「マリレオ」っていうアシカの王子様。「マルシャン・ド・レギューム」っていう雑貨屋さんのオリジナル・キャラらしい。赤いのがお妃ママ、青いのが王様パパ、で、黄色いのが王子のマリレオくん。亜美の家の玄関で、お客様をお迎えするのはこの四匹のアシカ親子。最初はアシカってわかんなくて人魚なのかなとか思ってたけど、お店で「かっわいいー」って一目ぼれしちゃった。
 最後の(D)、ちょっと気味悪げなのは、キャラクターじゃなくて、最近、友達に教えてもらった「Cremaster2」っていうおかしな映画のポストカード。監督券主演のマチュー・バーニーっっていう鬼才です。
 映像芸術みたいなすっごくかっこいい映画らしくて、今、DVDを探し中です。これはその中の「ヤギになった男」。この耳というメイクといい表情といい、「こいつヤバイ(危ないひと?)!!」と思わせるエッジのきいた世界観を持ってる。

 ところで、この前、三月に文庫化される「神曲」の解説のために、「リング」でおなじみの作家鈴木光司さんと対談をしてきました。
 すごく久しぷりだったけど、あたしの知ってる飾り気のないフレンドリーでめっちゃ楽しい鈴木さんと全然変わってなくて、ほんとに楽しかった!!
 先パイ作家の小説の書き方について「へえー」「そうなんだー」みたいなトリビア的な驚きもたくさんあったし、啓発されることがたっくさん。何よりもあの「俺はこんなでっかい誰も知らない世界を作り上げて、両肩でもちあげてやるぜー」みたいな、ものすごいパワフルな創作姿勢とエネルギーに影響されまくりでした。
 どんな内容だったかは、見てのお楽しみ。

 三月には文庫「神曲」「フラジャイル」が二冊同時にでます。それから四月には書き下ろし単行本「空の香りを愛するように」が出るよ。
 このタイトルはなんか、亜美的にすごくツボなんだけど、みんなはどう思うかな?



<お知らせ>
 あと小説スバルの短編「SWAN X-1」も三月号です。それから書き忘れてたけど、河出書房新社から出てる河出夢ムック「山田かまち」に、「ピュア」っていうエッセイを書いているのでチェックしてみてね。

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2月2日

 今夜、ニューヨークから帰ってきました!!
 とゆーわけで現地報告。
 テロ以降、空港のチェックがすごく厳しいって聞いてたけど、思ってたほどじゃなかった。でも、みんなが赤外線の装置のとこで、自分からさっさと靴やベルトまで脱いでカメラチェックの装置に乗せてたのは驚いたけどね。あたしの前の太ったアメリカ人のおじさんなんて、パンツまで脱ぎそうな勢いだったし(笑)

 とにかくものすっごく寒かった。
 だって氷点下8度だよ!!雪がかなり積もって、翌日も道路はぐちゃぐちゃ。
 手袋、ブーツ、厚手のコートとパーカーっていう完全防寒スタイルで歩いてても、手や足が凍傷になりそうなぐらい。向こうの人たちは、毛皮の帽子かぶって、なんかロシア人みたいな格好で歩いてたけど、ここまで寒いとファッションとかスタイルとかいってられないよね。
 でもハドソン河沿いをバスで走ったら、一面の雪景色の中に、絵葉書に出てくるような張り出し窓の古い館が続いてて、いつものごみごみしたニューヨークよりこっちの方がお伽の国っぽくて好きかもって思った。
 成田に着いたら、「東京って暖かいなー」って、ちょっとびっくりした。

 今回の目的は翻訳本のことでの打ち合わせが半分、それに今、書いてる長編の取材が半分だったけど、亜美的にはすごく充実した一週間だった。
 向こうにいる友達と、アメリカや日本のマンガや小説についてたくさんおしゃべりして、色んなことを教えてもらった。
 タイムズ・スクエアの近くにある、すごく大きな本屋さんに連れて行ってもらって、びっくりしたことがあった。
 まず日本のマンガがたくさん翻訳されてて、一つのコーナーを独占してること。前は「AKIRA」とか「攻殻機動隊」とか高橋留美子さんの作品とか、すごく有名なのばっかりだったけど、今は「ちょびッツ」とか「ベルセルク」とか「バカボンド」とか、とにかく日本でヒットしたのは殆ど入ってきてる感じ。
 今回、打ち合わせしたパーティクルっていう会社は手塚治の「ブッダ」を翻訳して出してるし、最近のマンガも傑作だと思うものはあんまり有名じゃなくても出版したいっていってた。もちろん女の子のマンガも。
 それにアメリカのマンガの変わり方にもびっくりした。
 「どーせスパイダーマンみたいなヒーローもののアメコミばっかりでしょ」
と思ってたら、なんか日本の吉田戦車か? と思うようなジミで変なおじさんが主役のマンガとか、すごーく高度にアートしてる哲学的なマンガが売れてたり、五段階ぐらい進化した感じ。
 それってやっぱり日本のマンガの影響らしい。
 うーん、マンガは偉大だにゃー。
 亜美も子供のころから小説と同じぐらいマンガ大好きだったから、かなり感動。
 それに比べると小説はまだまだこれから勝負って感じだけど、このお店の棚に「イノセント・ワールド」と「神曲」が並んだらめっちゃうれしいなーとしみじみ思った!! 予定は未定だけど、何もアクシデントがなければ秋にはそれが実現しそうです。

 二日目に今までずうっと行きたくていけなかった、町外れにあるメトロポリタン美術館の分館クロイスターズ・ミュージアムに行った。
 ここは中世の回廊がある修道院の建物をそのまま使っていて、宗教美術の傑作がたくさん展示されてるところ。
 純白の雪が積もった回廊から中庭を見ると、ニューヨークとは思えないほど静謐で荘厳な雰囲気。あたしは無宗教のくせに古い寺院とか聖堂とか修道院とかが大好きなんだけど、それは外の世界からは切り離された時が流れる、小さな宇宙があるからだと思う。
 おめあては中世に作られた、世界的にも有名なユニコーン狩りのタペストリー。
 みんなも絶対にどこかで見たことがあると思うよ。
 犬を連れた狩人たちが森にユニコーン狩りに行って、槍でめったざしにして捕まえ、檻に入れたあげく殺しちゃう悲しくて残酷な物語です。でも最後にユニコーンは蘇って復活するんだけどね。
 「fragile」にも登場させたけど、あたしは一角獣が大好き。子供の頃から、いつかどっかで会えるんじゃないかって夢見てた。写真みたいにリアルに織られたユニコーンの悲しげな、でも高貴な野生の眼!! 囚われの身なのに心は自由に空を飛んでるその眼を見ただけでも、ミュージアムに行った価値があった。

 最後にニューヨークの食べ物!!
 やっぱりケーキが甘くて大味すぎて美味しくない。
 甘いものジャンキーのあたしでさえ、一個食べきれないんだから。
 チョコレートも甘味評論家、亜美に言わせると日本のとびみょーに味が違ってて、まろやか感とこくが足りない気がする。
 その代わり、カフェで食べたパニーニとかサンドイッチはおいしかったけど。
 今度から日本のおかしを大量に持参していこうっと。



<お知らせ>
 この前かいた小説すばるの「SWAN X-1」はやっぱり来月出るらしい。
 ぜひチェックしてみてください。

 三月にでる文庫「fragile」と「神曲」のうち、「神曲」は俊くんのさらにカッコいい写真にバージョンアップするつもり。お楽しみに。
 それから単行本のほうは、久々に日本語タイトルで「空の香りを愛するように」(仮)にしようかなと思ってます。これはゲーテのすごく美しい詩からとった一節。
 英語にするか日本語にするか、ちょっとまだ悩み中なんだけどね。
 これは書きながら、自分でかなり泣いた!!
 二つの恋が交差するすごくせつない物語なので、ぜひ読んでみてください。

『Frozen Ecstacy Shake』発売記念ということで、あたしと瞳ちゃんが講談社のHPで対談しています。見てみてください。
http://vitaminf.jp/sakurai/





1月17日

 お正月休みで更新がお休みだったから、遅くなっちゃったけど、亜美日記ではあけましておめでとうだね。今年ももがいたり落ち込んだりしながら、最高の作品のためにがんぱる。2004年もよろしく!!
 この前、BBSにも書いたけど15日まで沖縄に取材旅行に行ってきた。
 行く先は石垣島と竹富島、それに日本最西端の与那国島……
 そう、テレビドラマの「Drコトー」の舞台になってる島です。
 最初に行った石垣はこれまでも何回か遊びにいったことがあるんだけど、今回は初体験がいくつかあった。
 一つ目は取材目的の沖縄空手。今、書いている超大作のヒロインは、弱い心と闘うために沖縄空手を習ってるっていう設定なんだ。「ベストキッド」っていうアメリカの映画でも、いじめられっこが空手の精神で強くなる話も、沖縄空手の達人が先生で出てくる。
 「勝つんじゃなくて、負けない」っていう精神を、小さな島のプレハブの道場で礼儀正しい子供たちに見せてもらって感動した。
 あたしも痴漢やヘンタイにあって逆ギレされたとき、「空手や柔道ができたらなあ」って何度も思ったし、海外でも怖い思いをすることがいっぱいあるから、相手から身を守る闘いができる女の子ってかなり憧れる。
 一番怖かったのは、前に夜道で駅から一キロぐらい眼が血走った男に後ろからずーっとつけられて、しかもだんだん、そいつの足音が近づいてきたとき。人気のない暗い道になったときは、もう心臓が爆発しそうだった。最後はダッシュで逃げたけど、追いつかれて抱きつかれた。大声を出して突き飛ばしたら、ものすごく汚い言葉でののしられて蹴られた。
 後で思い出すたびに悔しくて悔しくて涙が出た。
 今も暗い人気のない道で後ろから男の人の足音が聞こえると、背筋がさっーと冷たくなる。こういうこわーい経験をした女の子は沢山いると思う。そういう時、自分が相手を軽くやっつけられるぐらいの力を持ってたら、心の傷にならなくて済むのにってずーっと思ってたんだ。
 ふたつめの初めて体験。石垣でも与那国でも生まれて初めてのフィッシングをしたこと!! 日野っちも篠原クンもかなり上手なんだけど、ド素人のあたしでも、二匹ぐらい小物が釣れてうれしかったよ。ちなみに一番の収穫は、日野っちの釣ったウツボ(写真のヘビみたいなの)。その晩、優しい漁師さんがカツオやブダイを沢山くれて、夕飯に宿で料理してもらってたべた食べました!!
 それから与那国で野生の馬たちを見た。
 その中にすっごくキュートな子馬(写真)がいたので、たくさん写真を撮ったよ。
 風力発電の風車が回ってる東崎っていう断崖絶壁の岬に、こんな馬たちがたくさん群れてて、眼下には真っ青な海がどこまでも広がってる。
 空から見ても底まで透き通って見えるほどきれいな海と、子馬のつぶらな黒い瞳に、なんだか胸がきゅんとなっちゃった。
 もちろん大好きな沖縄料理もたっくさん食べた。イカスミ汁、篠原クンの大好物の豆腐よう、石垣牛にイセエビ、もちろんゴーヤ−チャンプルー、もちもち感がたまらない紅芋のてんぷらやタイモ、八重山そば……。
 なんか全身、沖縄づけって感じ。
 ほんとは石垣で生まれて初めてのパラグライダーも体験するはずだったけど、風が強すぎて断念。それだけがちょっと心残りだった。
 この沖縄で吸収した栄養を消化して、ぜーんぶ作品に投入するから待っててね。ちなみに三月には「神曲」と「fragail」が文庫化されるし、四月には皆に悩みを書いてもらってる(書いてくれてるみんなに感謝。ほんとにありがとう)恋愛の本が出る予定。
  今、書いてる超大作は春か夏ころ本になると思うから、お楽しみに!!
 1月の終わりごろ、小説の取材や打ち合わせをかねて今度はニューヨークに行ってきまーす。次回は亜美のニューヨーク報告…… かな?



<P.S.>
「小説すばる」という雑誌に、「SWAN X-1」という、ちょっとエロティックで不思議な短編を書きました。2月か3月号の掲載だと思うので、チェックしてみてね。

『Frozen Ecstacy Shake』発売記念ということで、あたしと瞳ちゃんが講談社のHPで対談しています。見てみてください。
http://vitaminf.jp/sakurai/










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