11月29日

 この間、某大型書店にいって、ちょっとショックを受けた。
 ものすごく広いフロアにありとあらゆる本やコミックスがずらっと並んでるのに、「詩」の本のコーナーが悲しいほどほんの片隅しかなかったこと。しかもあたしの好きな昔の詩人の本は殆どなかった。
 どうしてなのかなー、皆、詩をよまなくなったのかなーと思ったけど、ここのBBSに来る皆は詩を書いたり読んだりするのが好きな人たちが多いよね。それでも漫画の読者とかに較べれば、詩の本を買う人の数って少ないんだろうし、スペースが狭くなるのも仕方ないのかも。
 だけど亜美的には本屋にもっともっと偉大な詩人たちの本を置いて欲しい!!
 ちなみにあたしがリスペクトする大好きな詩人は……中原中也、オクタビオ・パス、ギョーム・アポリネール、エリク・リンドグレン李白、陶淵明、アルチュール・ランボー、西行(歌人だけどあたし的には詩人)……その他にもいっぱいいる。
 ミュージシャンの中にも詩人と呼べる人は沢山いると思う。ビョークの歌詞は詩だと思うし、ラップだってレゲエだって詩の一種だよね。

 じゃあ詩ってなに?
 亜美的に言えば、その言葉の連なりが、一つの映画を見るよりももっと大きな世界の情景を呼び起こして、美しさ、豊かさ、せつなさ、苦しみ、歓びが読む人の細胞に伝わってくるものだと思う。
 言葉は沢山の感情や情景や色彩を詰め込んだ、火薬のようなもの。
 それで人を傷つけることも、空一杯の美しい花火を描き出すこともできる。
 だからすごい詩人の詩は、夜空に一生忘れられない光のアートを描き出す花火みたいに呼んだ人の心に焼き付いて消えない。もしかしたら一生を変えてしまうほど、その力は大きいんだよね。
 あたしは「作家」だけど、心の中では自分を「吟遊詩人」だと思ってる(ってゆーか、思いたい)。
 吟遊詩人っていうのは、昔、国のいろんな場所を放浪して、人々に詩を語って聞かせた人たちのこと。王に気にいられて宮廷で貴族たちに詩を物語ったりした。
 詩は高尚な飾り物じゃなくて、たぶん、世界を流れる無数の歌や叫びや美の光が結晶したメロディみたいなものなんだ。
 それから、前回書かなかったけど『神曲』のタイトルは、1200年、フィレンツェに生まれたダンテ・アリギエリという人が書いた作品からとってる。
 作品の中に出てくるベアトリーチェっていう女性は、現実でも彼の忘れられない恋人だったんだ。あたしはこの作品を、ベアトリーチェに捧げた愛の詩だと思ってる。
 大好きな映画「イル・ポスティーノ」にもダンテのことが出てくるよ。
 この映画はあたしの考えてる詩のすべてを描いてるから、興味がある人はぜひ見てください。泣けます。あたしは見るたびに必ず泣いてる。
『fragile』の俊くんも詩が大好き。
 で、彼を紹介するのに一番いいのは、彼の書いた詩を読んでもらうことだと思ったので、あたしが一番好きな作品をここにのせることにした。ね、どんな人か、何となく分かるよね?

「流転」

 Shun Kobayadhi

 夢見た景観は今では過ぎ去った一瞬の妄想
 何もかもが失われてゆく果てる意識

 眠れる常識 辿りついた生まれの此処
 散らばる散らばる永久の物語
 愛しさに負け、その瞳に負けた僕は
 ただの生命 ただの腐食

 スペルマ残す使命さえ捨てさえれば
 素直に狂い咲けるのに
 ナゼ僕は意識を持って生まれたのだろう
 それはバラバラに保たれた規則で構成された
 悲しき運命
 欠けた欠けた景色の物語


他社の亜美作品情報
 講談社「web現代」の連載「Frosen Extacy Shake」は12月上旬から。真中瞳ちゃんが四人のまったく違う女の子に変身してくれたんだけど、その凝ったメイクとファッションはかなり見ものです。
 四話目の背中に蝶の羽根を生やした天使バージョンは、めっちゃかわいい!!
 アギトという謎の男を演じる俊くんとのコンビネーションもすてき。
 自分たちの閉ざされた愛の欲望に振り回される四人のgirlたちの真の顔が、鏡に映し出されたとき、何が起こるのかという心理小説です。
 恋とセックスって女の子にとっては人生を変えるほど影響が大きいよね。
 その不思議な魔力を内面から描いて見たかった。

 朝日新聞からでる「first Love」も12月中ごろです。これは愛について、祈るような気持ちで書きました。主人公・璃星の中にはあたしの気持ちがかなり入ってる。愛の苦しみと痛み、そして歓びのすべてを璃星に託しました。
 なぜ恋は楽しいのに、愛は苦しいんだろう?
 他人と感情の交流ができない璃星に与えられた、ほんの短い「愛を知る時間」。でも神様は一つの贈り物しか彼女に許さなかった……そんな初恋の物語。
 今回の髪をばっさり切ったMAOちゃんは、すごく大人っぽく凛々しくなってしかもこれまでとは違う強い表情なので、びっくりするかも。彼女も女優の道をまっしぐらだよ。


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