桃林堂桃林堂
おいしい珈琲豆を探して、
おいしく珈琲を淹れることが出来た。
そうなって皆さんに満足してもらえたら、
だいたい入門編は終わり。
これから先は、もうちょっと細かい話になっていきます。
また、ふぅ〜んとか、へぇ〜と
気軽にお付き合いくださるとうれしいです。

さて、せっかくおいしい豆もしくは挽いた粉を
買ってきたのですから、
最後までおいしく飲めるといいですよね?
そのためには、きちんと保管するのも大切なこと。
珈琲豆の保管というのは、
基本的に他の食べ物などと同じように考えてもらうと
分かりやすいように思います。
ただ、熱加工してあるため、こうして下さいと
一言で言い切れない部分もあります。
この場をかりて、詳しくお話ししてみますね。
【店で粉にしてもらった場合】
必ず『冷凍庫』で保管してください。
1週間から10日くらいで飲みきるのがベストです。

よく「冷蔵庫じゃなくて冷凍庫ですか?」と
聞き返されるのですが、冷蔵庫じゃ意味がないんですよね……。
珈琲の粉というのは、乾燥剤と同じようなもので、
湿気やにおいを吸収しやすいものです。
湿気を吸った粉は、いざお湯を注いだ時に
お湯をよく吸わなくなるので膨らみません。
お湯の吸収が悪いと、
4回目でお話したような交換作用が十分に行なわれず
エキスが十分に出きらないため、やわらかみに欠け、
苦味がキツく感じられる味に仕上がります。
今まで、時間が経った豆でいれると膨らまなかったり、
味が変化したりという原因は、こういう事です。
粉にした場合は、早めに飲みきってしまいましょう。

余談ですが、
業務用などの瞬間冷凍で、一気にマイナス何十度に
なるような所で保管出来ると、
淹れる時、挽きたてのようによく膨らむそうです。
うらやましいですね。
普通のご家庭の冷凍庫に入れておいた場合、
とくに凍るものではないですから、
粉は出してすぐに使えます。
よく、出したりしまったりという温度変化が
珈琲によくないとも言われますが、
そこまで神経質になる必要はないかな、と思います。
ただし、必要な分を出したら、
残りはすぐにしまってください。
【豆で買った場合】
2週間くらいで飲みきる量なら
密閉容器に入れて、冷暗所で保管してください。
(おかしの袋に入ってるような乾燥剤を
 一緒に入れると、よりgood)
夏場は豆の表面に油が浮きやすいので、
気になる方は、冷蔵庫や冷凍庫へ。

珈琲は、珈琲の樹の種に、
熱を加え焼成変化させる「焙煎」という過程を経て、商品になります。
十分に熱加工を施され、上手に出来上がった珈琲豆は、
炭に近い状態に仕上がるんです。
(よく乾燥してふっくら膨らみ、
海綿状に気泡を含んだような感じ)
炭が吸湿剤などに使われているように、
珈琲豆も、においや湿気を吸収しやすくなっています。
保管状態が悪いと、海綿状の中に含まれているエキス分が
湿気や酸素で変化することに……。
そんな訳で、味の劣化を防ぐためにも
きちんと保管する必要があるのです。
最初に、他の食べ物などと同じように、と言ったのは、
例えば、まとめて大量に買ってきて、
飲みきるのに2ヶ月くらいかかる場合。
買ったときの状態を保つ意味では、
冷凍庫に保管するのがよいと思います。
お肉や野菜なんかでも、
数日間で食べきるなら→冷蔵庫
日持ちさせるなら→冷凍庫、と考えるでしょう?
冷凍庫で保管しておいて淹れる時に挽いた豆は、
膨らみもよいので、淹れやすいと思います。
ただし、「香り」の面では、
常温で保管したほうが挽いた時に、
ぶわっと広がる感じが楽しめます。
おまけ
【粉で真空パックされた市販品】
真空パックされているから大丈夫と思いがちですが……。
焙煎した珈琲豆はガスを含んでいます。
そのため、ガス抜きをしてからパックされていたり、
(そうしないと袋がガスで膨らんでくる)
ガス放出のバルブがついた袋などが使用されてます。
反対に、保存性の面では密封する必要もあるのですが、
条件を両立する決定的な技術は、
確立されてないのが現状のようです。
だから、封を開けたての粉を使って淹れても
ぶわぁ〜っと膨らむことはないでしょう?
当然、香りも抜けちゃって弱いです。
【豆と粉とどっちで買ったらいいの?】
ご自宅にミルを持っていなければ、
店で粉にしてもらうしかないですけどね。
接客していると、
「豆で買って、淹れる時に挽くのがいいのよね?」
と聞かれることがあります。
雑誌やテレビの特集などでよくいわれてるからでしょう。
私の経験から言うと、
必ずしもそうじゃあないんですね。
「家庭用ミル」の問題があるからです。
豆のまま買ったほうが、確かに日持ちもするし、
淹れる時に挽いて、香りを楽しむことも出来ます。
が、味そのものに関しては言い切れません。
家庭用のミルは業務用に比べ、どうしても刃が小さく、
また多くのものが鋳物製でエッジが効いてないので
豆を挽くというより、砕くという感じになります。
そのため、粒子が揃わず微粉も多く出ます。
この微粉というのは、パウダー状に細かくなりすぎたもの。
味がくどく出すぎてエグみを感じる原因になり、
店で飲むようなおいしさには及びません。
店に置いてあるような業務用のミルで挽くと
粒子が揃い、微粉も少ないので、
自宅で淹れてもお店の味に近づきます。
家庭用ミルで挽いて微粉が気になる方は、
茶漉しなど目のつまったふるいで一度ふるうと
微粉が取り除かれ、味も良くなりますよ。
こういう事が分かってくると
ケースバイケースで買うことが出来ます。
いちいちミルで挽くのは面倒だし、
こまめに買いに行けるという方は、
店で粉にしてもらい、冷凍庫で保管して早めに飲みきる。
そうでない方は、
豆で買って、淹れる度に挽いて香りも楽しみつついただく。

要は『自分が珈琲をどう楽しむか?』
で選ぶと良いと思いますよ。