Webマガジン幻冬舎の読者のみなさん、初めまして。昨年末に『私は薬に殺される』を出した福田実です。読んでくださった読者のみなさん、元気ですか?
 私は今相変わらずの「薬剤性筋萎縮症」に苦しみながらも、頑張って生きています。
 12月1日に本を発売して2ヶ月が経ち、全国の読者のみなさんからいろいろなメールや手紙、読者カードを頂きました。素直に嬉しかったです。
 今まで誰からも信じてもらえず、誰の支えもなかった私にたくさんの応援を頂き、今までつらかったけど、頑張ってあきらめないで戦ってきてよかったと思っています。みなさんのメールや手紙、FAX、読者カードからたくさんの力を頂きました。いただいたメールの中で、私の近況や裁判の様子を知りたいという話が多く、タンに苦しんでいるため今は長く話す事ができませんが、まだ手は動くのでこの「ウェブマガジン」連載を始めることにしました。
 この連載では、私の近況、裁判の様子、そして私の考え方をリアルタイムで書いていきます。

 今、私は『私は薬に殺される』の続編として、裁判の続きをと私の生活を中心に書き進めています。まずは簡単に本のその後を書きます。
 まず裁判に関して。最後まで決まらなかった弁護士に、赤坂の医療事故研究会の弁護士2名が協力してくれる事になりました。これで、HIV訴訟の別府先生、浜先生に加え、日本最大の薬害訴訟のメンバーがそろいました。まる5年かかってやっとここまできました。弁護士から受任の連絡を受けた時には、静かに泣きました。
 本に書いてきたように、いつか国相手に堂々と大きな裁判やってやると思ってきた思いが現実になった瞬間でした。1人で静かに泣いて、それで戦えると思った瞬間、次は勝つ事だと思いました。男は3つ山登れと言います。医者を探して、弁護士探して、山を2つ目まで登りました。3つ目の山、行政訴訟と損害賠償に勝つという次の目標に私は動いています。国と厚労省そして薬剤メーカーは、今までのヤコブ病やHIV訴訟のように、まず自分達に都合の悪い海外情報をストップさせ鎖国状態を作りあげることによって、これまで国内の薬害認定を否決してきました。
 本に書いた通り、すでに私の副作用症状は海外では出ています。国内でも読者の方からの手紙で数例報告がきています。海外情報の鎖国化をやめさせるため、私は裁判の様子と私の近況をこの「ウェブマガジン」でリアルタイムに発表していきます。是非みなさんも協力して下さい。今までの薬害裁判は、判決が出てから公開されていたので、後の祭となってきたのです。
 私は裁判に勝つ為、事実を世の中に出す為、そして家族の生活の為、本を出版しました。だから続きを書いていきます。薬害認定裁判と医療過誤の損害賠償請求、両方をリアルタイムに世の中にストレートに出していきます。途中私が書けなくなったら後は幻冬舎に頼みます。
 情報公開していかないと、この国の薬害裁判はいつまでも変わりません。私は初めから法廷で死ぬ覚悟で提訴しましたので、第2回公判以後もできるだけ出廷して、この目で見て、そして感じたまますべての事実を書いていきます。第2回公判は2/5に東京地裁、民事3部606号法廷で行われることになっています。開廷時間は10時30分の予定です。よろしかったら傍聴に来て下さい。
 昨年7/25の初公判から7ヶ月間が空いてしまいましたが、その間やっと弁護士も決まり、そして大阪の医薬ビジランスセンター浜先生の御意見書も頂けました。目的通りのことを確実に積み上げてきました。浜理事長もお忙しい中、私の症状をすべて医学的にすべての論文を付けて意見を書いてくださり、代金も裁判に勝ったら寄付という形で、私に負担をかけないようにして下さいました。損害賠償に勝ったら、必ず医薬ビジランスセンターに寄付させて頂きます。別府先生も浜理事長も薬害と本気で戦うプロでした。お二人が協力してくれ、そして医療事故研究会の弁護士も協力してくれ、いよいよ私の薬害認定裁判のスタートです。
 そもそものスタートは、私が滋賀医科大学U教授にお送りした、たった一通の手紙でした。U教授には、とても感謝いたします。私の手紙を読んでくださったU教授が、この1通の手紙に返事を下さった事からはじまったのです。日本動脈硬化学会のメンバーでありながら、私の体と家族を心配し浜理事長を御紹介して下さったU教授は私の恩人です。その後ハガキも下さり、本も読んで頂いたようです。患者の事を心配して下さる立派な先生だと思います。ありがとうございました。
 また読者の皆さんからカンパも幻冬舎宛に送っていただきましたが、生活のために使うことなく、すべて裁判費用として使わせて頂きます。本当にありがとうございました。嬉しかったです。
 日本中の人が応援して下さり、たった一人の薬害裁判が絵になってきました。インターネットに本に対しての酷評もありましたが、そういうことを書く人は、私と同じ状況になって私以上にいい本を書いて下さい。5年間流動食と点滴で、やっとタンと尿を出し、その体で医者と弁護士を探してここまでくるのに私は精一杯でした。私は事実を世の中にストレートに出しただけなので、それが不快なら読まなくてもいい、というだけです。別にすべての人に読んでもらおうとは思っていないので。今は毎日体がきついですが、どうにか裁判がスタートできそうなので一段落です。

 本を書いてきた5年間は毎日頭きてたから、自分自身のことを“俺”で書くしかありませんでしたが、ここでは“私”で書く事ができました(“俺”で書いた本音のサイトも立ち上げました)。取りあえず近況はこんな所です。また次回いろいろお伝えしたい情報があったら書きます。

 では最後に読者のみなさんに提案です。
 本を出した後、全国のみなさんから同じような経験とか医療過誤などの報告をもらいました。またそれらに関した多くのウェブサイトができたようです。そこでこの場を、そのような方の意見交換の場にできれば、苦しんでいる人に少し役立つのでは、と考えています。同じような思いを抱えている人、医者などにつらい仕打ちをされた人、ドシドシとメールをもらえませんか? もちろん、私も意見を出したいと思います。お便り、お待ちしております。

『私は薬に殺される』

福田実 Minoru Fukuda

1963年埼玉県生まれ。学生時代、応援団とワンダーフォーゲルで心身を鍛練し、株式会社キャッツに入社。課長、次長、部長と昇進した際にはすべて最年少記録を塗り替えるなど、第一線のビジネスマンとして活躍していた矢先に突然、薬害に倒れる。2003年11月、衝撃の闘病記『私は薬に殺される』を小社より出版し、ベストセラーとなる。
『私は薬に殺される』
福田実著
『私は薬に殺される』
本体価格1,500円+税