蒲原二郎『祟りのゆかりちゃん』特設サイト
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『祟りのゆかりちゃん』特設サイト

蒲原二郎(かんばら・じろう)

1977年静岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大学卒業後、海外を放浪する。帰国後、議員秘書となり、政治家を志すも挫折。現在は悩める兼業僧侶である。2010年3月、第10回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した『オカルトゼネコン富田林組』で作家デビュー。期待の大型新人として各方面から注目を浴びる。その他の著書に『オカルトゼネコン火の島』『ゴールデン・ボーイ』がある。

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とびっきりのイラストで『祟りのゆかりちゃん』の
カバーを彩ってくれたイラストレーターの雨さん。
そして、デザインのすべてに細かいこだわりを見せ続けた
デザイン事務所のbookwall代表・松昭教さん。
お二人に『祟りのゆかりちゃん』カバー製作にまつわる
あれこれを聞いてきました!

松昭教(まつ あきのり)

ブックデザイナー。株式会社ブックウォール代表。1972年生まれ。京都精華大学ビジュアルコミュニケーション学科卒業後、ハンドレッドデザインインクに入社。ブックデザイナーを志し2000年からフリーに。年間に手がける点数は200冊以上。

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(あめ)

イラストレーター。美大卒業後に渡米し、ネット上でイラストを発表し始める。2009年に帰国、2010年頃から書籍の装画や挿絵を手がける。装画を担当した書籍に『昼寝の神様』(松尾佑一著)『女神のタクト』(塩田武士著)『ROCKER』(小野寺史宜著)など。

conronca http://conronca.flop.jp/

イラストレーターはどう決まるのか?

編集部(以下:編):デザイナーとして仕事の依頼を受けて、初めて原稿を読むときってどんな感じなんですか?

:やっぱり初めて読むときは緊張しますよね。「面白いといいなぁ」みたいな。『祟りのゆかりちゃん』は冒頭がすごくよかったです。「えっ、何が起きるの!?」みたいなドキドキがありましよね。やっぱり、原稿の面白さが全ての始まりになると思うんですよ。「その面白さをどう伝えるか」ということに関して、僕はデザインを担当するわけなので。

編:松さんって、原稿を読む前にその担当編集者を観察しているようなところがありますよね?

:あぁ、そうかもしれないですね。編集者って、その作品が原稿になる前に著者とやり取りしているわけじゃないですか。なので、いただいた原稿を書いたのは作家さんなんですけど、その作家さんだけのものではない何かがあるはずなんですよね。その「何か」っていうのが、たぶん編集者の熱意だと思うので、そこを観察しているところはあるかもしれないですね。

:思ったより、真面目なインタビューですね(笑)。

編:もちろんですよ(笑)。ところで、雨さんって、装画のお仕事を受けた際に原稿って読まれます?

:話、振られた(笑)。もちろん読みますよ。『祟りのゆかりちゃん』も読ませていただいて、すごく賑やかで楽しい気分になる小説だったので、どんなイラストを描こうかなぁ、なんて想像したりしました。でも、文芸作品の場合は、デザイナーさんや編集者さんから「こういうイラストでお願いします」って言われる場合が多いです。『祟りのゆかりちゃん』の場合もそうでしたよね。

:そうでしたね。実は、今回の絵を雨さんにお願いするに至るまでに、数十人の候補を出しあったんですよ、編集者さんと。原稿を読ませてもらった後の打ち合わせで「カバーにはイラストを使う」ということは決まっていたんですけど、「どなたにお願いするか」ということに関しては結構話し合ったんです。でも、『祟りのゆかりちゃん』の良さでもある”めちゃくちゃ楽しい感じ”を読者に伝えたい、という思いは編集者と僕とで共有できていたんです。その軸に沿って打ち合わせを進めていったんですけど、「楽しさを伝えられる」ということに加えて、「キャラクターの魅力を描ける」という点で雨さんがダントツだったんです。

編:そうでしたねぇ。

:「キャラクターが立つ」というのが実はすごく難しくて。雨さんの絵は比較的優しいタッチですけど、優しいだけだとインパクトがないはずなんです。でも、雨さんの絵は優しさだけではなくて、躍動感もあるんですよね。キャラクターが動き出しそうな感じ。楽しくて、優しくて、キャラクターが動き出す。これはもう雨さんにお願いするしかないだろう、と。

:ありがとうございます。なんか照れますね(笑)。

編:「キャラクターが立つ」というのは、今、カバーイラストをお願いするにあたって、一番意識するポイントなんですよね。

:そうですね。書店ではたくさんの本といっしょに並びますからね。他の本と並んでも負けない魅力を出すためには、「キャラクターが立つ」というのは大事ですね、やっぱり。

編:著者の蒲原さんに「雨さんでどうでしょう?」とご提案した時も、見た瞬間に「この方でお願いします」ってなったんですよ。

:嬉しいです、ありがとうございます。そうやって選ばれていくんですね(笑)。

:逆に編集者さんって、デザイナーから「この方はどう?」って提案された時って、どうなんですか? 初めて知るイラストレーターだったりするわけじゃないですか。

編:やっぱりHPの存在は大きいですよね。イラストレーターの方って、HPにご自分の作品を載せてるじゃないですか。それが充実していると、「あ、こういうタッチでも描けるのか」とか「こういう感じで描いてもらいたいな」とか、イメージを膨らませやすいです。雨さんにお願いする前にもHPを拝見させていただいて、初めてお仕事をごいっしょする方ではあったんですけど、「この方にお願いしたら素敵な絵を描いてもらえるな」という思いはありました。

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