映画「皇帝ペンギン」を見た友人が「すっごくよかった〜!」と大感激していた(その人は小鳥を飼っているので同じ鳥つながりということで見に行った)。その感想を聞いて、以前から関心を持っていたし、時間があれば見に行きたいな〜と思っていました。そして、今回小説版の『皇帝ペンギン』を読んでますます「実写」である映画を見に行きたい! と思うようになりました。
 本の「皇帝ペンギン」は映画を小説化したものなのですが、読後にまだ見ていない私でも、きっと映画がすごくよく出来てるんじゃないかという感想を持ちました。多分、映画で使われた映像なのでしょうが、それらを写真で載せていることも手伝って、こちらの想像力が刺激され心に伝わる文章で、さらに興味を膨らませてくれました。
 特にペンギンの見た目が、大人も子供も本当にぬいぐるみのようでかわいらしくて、何気ない自然な動作に思わず目を細めて微笑んでしまうような愛らしさがありました。これに初めて気づいた私は、動物園のペンギンコーナーは、もっと人気があってもいいんじゃないか?! と妙なことまでを思ってしまったほどです(今度、もし動物園にいくことがあったらペンギンコーナーを主な目的として行きたいと思います)。
 でも、いくらぬいぐるみみたいでかわいい〜とは言っていても、当然本物のペンギン達は寒さ厳しい南極大陸に住んでいます。その寒さはマイナス40度。時速250kmのブリザードが冬の間激しく吹きすさぶ極寒の環境地。その愛らしい外見には似つかわしくなさそうな、まさしく弱肉強食の厳しい自然世界に生きていることを初めて知りました。そして、なんといっても驚いたのは、120日間もの間ひなのために絶食するということ。何ヶ月間も子育てするのにふさわしい、自分が生まれ育った故郷を目指して歩き続けるというのです。そんなに長い間、何も食べない……。自然界の野生動物は人間がとてもまねの出来ない習慣や能力や掟を持って、それぞれの種が生きるために生きている。
 読み手を引き込み夢中にしてくれる橋口さんの案内のおかげで、かわいいかわいいのイメージだけではない、自然に生きるペンギン達のありのままの一生、生きるために生きているという生命の基本となる深い部分までが、しっかりと伝わってきました。
 子供に読み聞かせる本としても、最適ではないでしょうか。私も、良い本に出会えて良かったです。
 皆さんも是非! それではまた……。


黒谷友香

黒谷友香(くろたにともか)
1975.12.11生まれ。大阪府出身。95年、映画「BOXER JOE」でヒロインデビュー。「ドレミソラ」をはじめ、様々なドラマ、CMで活躍中。「魔界転生」「クイール」など話題の映画にも多数出演している。趣味は乗馬と読書。

「皇帝ペンギン」
橋口いくよ
皇帝ペンギン
幻冬舎刊
定価(本体1238円+税)