今回は石田ゆり子さんの最新エッセイ集をご紹介します。これで読むのはもう何冊目かになるけれど、石田さんの書く文章、文体がとても好きで、読んだ後は必ず心地よい気持ちになれる。とにかくその世界観がきれい。石田さんって素敵だな〜と実際にお会いしたことはないけれどそう思ってしまうし、多分それは違ってないような気がする。
 日記形式のこのエッセイは、2002年の秋〜2004年の冬までの、その日その時の気持ちが丁寧に綴られている。一言一言にとても安らぎを感じる文体で、思わず「ああ……」とそこに流れる安らかなものに身を委ねたくなるような、とてもゆったりとした気持ちを授けてくれる。日常を綴った日記にプラス、石田さんの周りのものたちを撮りおろした写真のおかげで石田さんのご自宅の雰囲気、ご本人のお人柄などが凄く伝わってくる素敵な本。
 私もよくお仕事をご一緒するスタイリストの関けいこさんも、またまた登場で、関さんには申し訳ないけれど、身内が出ている感覚でなんだか嬉しくなってしまった。関さんの小鳥、まるちゃんも写真に納められているのを発見して思わず、にんまり。
 それにしても日記って自分のことをさらけ出してしまうものだから本当にその人に魅力がないと、他人にとってはつまらないものでしかなくなる。けれど、石田さんは違う。石田ゆり子さんという「一人の女性」が持つその目線はとても落ち着いていて、澄み渡っていて、しなやかで、優しくて、美しい。だからこんな気持ちにさせてくれるのだろうな。例え、人目にさらされるとわかって書いていても、なかなかそんな風には書けないと思う。
 いつも日記のラストに「おやすみなさい。よい夢を。」と書く石田さん。それは自分の愛するペット達に向かっての時もあるし、世界中に向かっての時も……。自分以外の周りの人の幸せを、こんな素敵に自然体で願えるのってすばらしくないですか? 本当に素敵。
 今回も沢山の暖かな空気を頂きました。次回もあるといいな。皆さんも是非読んでみてくださいね! それでは、また。


黒谷友香

黒谷友香(くろたにともか)
1975.12.11生まれ。大阪府出身。95年、映画「BOXER JOE」でヒロインデビュー。「ドレミソラ」をはじめ、様々なドラマ、CMで活躍中。「魔界転生」「クイール」など話題の映画にも多数出演している。趣味は乗馬と読書。

「旅と小鳥と金木犀」
石田ゆり子
旅と小鳥と金木犀
幻冬舎刊
定価(本体1400円+税)