今から41年前に出版された松下幸之助さんの『道をひらく』。41年前から現代にまで通じるその内容は、何度読んでも素晴らしくて胸に響いてくる。
 小さな気付きを大切に、ともすればそんなことは当たり前と思われている基本的なことを丁寧に送ることが、いかに大切なのことか。
 例えば、挨拶。「ゆうべは寒かったですね」というちょっとした会話から始めたりすることで『おたがいにいたわりあう気持ちから出たこの挨拶で、あるいは毎度お世話になっておりますというこの感謝の気持ちから出たあいさつでおたがいの用件にはいる。仕事がスムーズに動き出す』。
 ただ単純に「おはよう、こんにちは」などと交わすより、そんなちょっとした一言があることで会話が生まれ、コミュニケーションが広がっていく。
 私の知り合いにそれが大得意な人がいる。もちろんその人は意識してやっているわけではなく、もうほぼ習慣であったりする。私はその人と話す度に、挨拶を交わす度に、その人が好きになる。ほんのちょっとした一言だけど、とても気持ちがいいからだ。私もそんなことがさらっと身に付いた人になりたい。
 こういった感じでとても基本的な事柄から広がる、人生の楽しみを教えてくれたり、また、道に迷った時にこの本を読めば、きっと何らかの手助けになるような言葉に出会えると思う。一家に一冊、辞書のように持っていると面白いかもしれない。


黒谷友香(くろたにともか)
黒谷友香(くろたにともか)1975年、大阪府生まれ。95年、映画「BOXER JOE」のヒロイン役で女優デビュー。その後、CM・ドラマ・映画・ 雑誌など幅広く活躍。主な出演作に映画では03年「魔界転生」、04年「クイール」、05年「SHINOBI」、06年「TANKA」など。趣味は乗馬、ガーデニング、読書。

『道をひらく』

『道をひらく』
松下幸之助
PHP研究所刊
定価:914円(税込み)