<比べてみよう!そうしよう!引越会社あいみつ編>

 10月12日に引越を予定していたはずなのに、どういうわけだかバタバタしているうちに「うわっ!」と気がついたら10月8日になっていた。気持ち的にはまだ3日ぐらいだと思ってたんだけど。ちょっとこれってどういうわけ? もう12日に引っ越すなんて無理じゃん! 無理だよ! 無理ですっ! 絶対にっ!
 というわけで、あっさり1週間延期することに決める。ふとこんな調子では今年中に引っ越すことさえ難しいのでは? といやーな予感が頭を過ぎり、慌ててブルブル頭を振って“嫌なイメージ”を振り払ったら、そんな自分を俯瞰しているもう一人のオレに「あんた、そりゃベタすぎやでー」と関西弁でつっこまれてしまった。あぁ分裂気味なり。
 とにもかくにも、引越の見積りを取らなければ先に進まないので、重い腰を(ほんとにねぇ)ようやく上げて掃除に取りかかる。先日、近所の病院でホコリアレルギー3(6段階。ちなみに花粉は4、ダニは3、日光は2だった)と診断されたので、眼鏡にマスク、軍手と首には手ぬぐい姿でひたすら掃除。掃除掃除掃除。掃除機を持ったのは、1年半ぶりぐらいかもしれない。ちゃんと動いたことに少なからず驚く。
 大物の紙ゴミ系は、前回気合で捨てまくったので、今回は主に埃&汚れ退治に全力を尽くす。いやーもう、何がスゴイって、髪の毛! 私の髪の毛は、こんなに抜けて大丈夫なんだろうか。しかも裸族のつけか、どこにでも陰毛が落ちているし。我ブツながら、落ちているとやはり微妙に恥ずかしいのはなぜかしら。
 2日間の格闘の末、どうにか目に見えるところはとりあえず「引越前で散らかしててすみません〜」と言い訳すればその程度には見えるまでには片付いたので、引越業者に電話をして見積もりを依頼する。
 いろいろ考えて、せっかく(お約束)なので4社でアイミツを取ることにする。(*アイミツ=あい合い見積り。1つの工事や作業に複数の業者から見積りを出させて検討すること)業者は友達やネットの意見や、チラシを参考にした結果

  ★大手宅配兼業=ヤ●ト(ネコ)
  ★中堅引越専門会=引●社(アリ)
  ★地元業者代表=マ●ー(キリン)
  ★「だらマン」の指定業者=引越専門共●組合(ハト) 

に絞り込む。ヤ●ト(ネコ)は転勤族の従姉やその友達によると「おまかせパックが本当におまかせで凄い!」らしい。「他でも頼んだことがあるけど、本当におまかせでラクラクだったのはヤマ●だけだった」的話をよく聞く。引越●(アリ)は、某Yahoo!の掲示板で評判が良かったので、ホントかよ? 的興味があって。●ミー(キリン)は、埼玉地区では結構有名だけど、規模的にはまだ小さい引越業者。システム的な感じはなく、以前頼んだときは作業員の人たちは制服ですらなかった。あと、ちなみに指定業者とは、新築分譲マンションの場合、入居日が集中したりしがちなのでそれを調整する役割も果たす引越会社のこと。「指定業者」といっても、別にそこで頼まなければいけないというわけではない。ただし引渡し後すぐに引っ越したい! とか、どうしても土曜日の午後イチで搬入したい! といった希望がある場合は、融通が利きやすい、との話もあり。ま、入居開始から3週間も経って引っ越す私にはメリットは少ない気がするけど。
 事前希望としては、これまでメジャーな引越業者で引越をしたことがないので、できればネコかアリでしてみたいところ。いわゆる「一流」を自認する会社と、これまで適当に頼んでいた「引越屋さん」との違いを見てみたい、という興味あり、
 あとは料金と営業担当者の印象で決めたいな、と。

見積り依頼時までのチェックポイントはこんな感じ。
*廃棄物と持って行くモノを(頭の中でいいので)区別しておく。廃棄物の引き取りはいくらで可能か聞くため。
*引越先に隣接している道路の道幅確認。道幅が狭いと4トントラックなどが入れないこともあるので。トラックの大きさや台数が違うと料金も変わってくることあり。
*引越先のエアコン、スリーブ位置の確認。設置場所から距離があり、ホースのカバーをつけると大体別料金で、長さによって値段が違ってくるので。
*自転車やバイクなどの外モノも忘れずに。


でもって、共通する依頼条件は同一で以下のとおり。

引越条件&希望
*梱包はお願い、荷解きは自分で(梱包しているヒマはないけど、本は自分で並べないと無理なので)
*エアコン1台移設
*引越は18日(金)もしくは19日(土)
*だら館→だらマンへの移動距離=2キロ弱。
*2階建てのテラスハウス2LDK→マンション7階3LDK。エレベーターあり。
*作業員の数、車の大きさに希望はなし。おまかせします。
*当日の作業は午前スタート。
*廃品引取り希望 14型テレビ、大型テレビ台、スチールワゴン、カラーボックス2、ガラステーブル、事務用椅子、スチール本棚2、スチールパソコンデスク、カーペット(2畳)、照明器具1。

 で、2日間に分けて見積もりに来てもらった結果……


引越社(アリ) 営業担当:W氏
電話対応総合受付けに電話。「地域の担当支店の担当者より10〜15分後に御連絡させます」。10分後、担当支店のK氏よりTELあり。ごく普通に営業口調でさくさく見積り日時が決まる
見積り結果
トラック2tロング+2t車
作業員梱包2人(男性)引越は+2人で計4人
作業開始当日朝8時〜午前中梱包、午後移動
エアコン
移設
8000円+パイプ2mまで9000円、化粧カバー別
粗大ゴミ
の処理
聞き忘れ→後に全てで2万円で引き取り確約
梱包でき
ないもの
冷蔵庫の中身、トイレやお風呂関係(しないわけではないが、触れられたくないというお客様が多い)、プライベートな品(貴重品、下着など)
家電関係電源を抜いておいて下さい
見積り担当
営業者
時間通り到着。人当たりの良い中村トオル系。名刺を差し出し挨拶。とりあえず見て回る。荷物のチェック。冷蔵庫「作業員泣かせの洗濯乾燥機ですね(笑)」比較的確認は早い
セールストーク
100%自社スタッフ。引越専門会社という自信と誇り、日雇いのアルバイト作業員さんとは責任感が違います。お客様の身になってされて嫌なことはするなと教育。特に梱包は、詰めればいいというものではない。家具やクロスの養生も、作業に手を抜いて後で後悔することのないように万全に
料金交渉その他
見積りの料金提示の前に、携帯電話でトラックの確認。その結果、18日ではなく19日でどうかと打診される。土曜日の方が高いと思っていたのだけれど、たまたま金曜日がわりと混んでいて、土曜日の方が余裕があるとか。前倒しは絶対不可能だし、今の家を引き渡すのは20日。19日でも別に問題はないので了承する
15万円→13万6千円→12万円
(エアコン移設込み、廃棄別)



マ●ー(キリン) 営業担当:S氏
電話対応東京北部サービスネットのフリーダイヤルへ。喋り方のたどたどしい女性。で見積りを依頼すると、前日夜、7時〜9時の間に見積もりに来る時間を知らせる電話をするとのこと。チラシを見た旨を告げると、カーテンの営業トークをかまされる。すかさず結構でございますと断わる
見積り結果
トラック3t2台
作業員梱包2人〜3人、引越4人
作業開始梱包=前日、引越=朝9時〜
エアコン
移設
9800円+パイプ4Mまで8000円、7Mまで1万3000円、化粧カバー別
粗大ゴミ
の処理
テレビ4000円、パソコンラック2000円、詳しくは聞き忘れ
梱包でき
ないもの
冷蔵庫は前日までに空にしておいてください、身の回りの物と貴重品はご自身で
家電関係電源を抜いてまとめておいて下さい
見積り担当
営業者
時間通り到着。中年のちょっと態度のデカイおじさん。口調が〜だね、〜だよ、と微妙に横柄。エアコンを移設してもらうのに、梁の関係で、パイプが長くなることがわかっていたため、室内用のカバーみたいなものはないのかと訊ねたら(どこかの引越会社のHPで見たことがあった)「中用のカバーなんてないよ」と言われ、その時点で頼む気なくす
セールストーク
どちらかというと無口で、営業トークのようなものは一切なし。が、見積りはもの凄く丁寧で細かく、植木は? 外の荷物は? など聞かれ、クローゼットの中身まで1つ1つ確認。マンションの規模は? 養生はしてある? 道幅は? などの質問も
料金交渉その他
全てを見終わった後、おもむろに電卓をはじき、「こちらが見積もりになります」と紙を渡される。かけひき一切なし。「一応、幹事会社さんもいるので、明日お返事させてもらいます」と言うと「見にくるの?」(またタメ口)と聞かれる。いろいろ言われると面倒だなーと思いつつ、「はい、今日の午後」と言ったら、あっさり「じゃぁ連絡して下さい」と帰って行った
17万8500円
(エアコン移設込み、廃棄別)



ヤ●ト運輸(ネコ) 営業担当:K氏
電話対応HPのフリーダイヤルにかける。何か、大手って感じで事務的。マミー、アリの受付けのほうが親しみを持てる。いや、まぁ親しみなんて関係ないんだけど。見積りの時間は午前か午後でしか頼めず。当日、電話連絡のうえ来るとのこと
見積り結果
トラック3t2台
作業員梱包4人〜5人、引越4人
作業開始梱包=前日午前か午後どちらか、引越=朝9時〜
エアコン
移設
2万円+パイプ1M4、5千円。その場で確認して欲しい。化粧カバーの色も選べますとのこと
粗大ゴミ
の処理
全部で1万円+家電リサイクル料金(テレビ)2700円
梱包でき
ないもの
現金、貴重品、冷蔵庫の中身。下着は女性スタッフが梱包にあがりますので、お客様の御都合でどちらでも
家電関係洗濯機は水道への取り付けを頼むと別料金6千円。エアコン同様、電気業者の作業になります。パソコンの中身のハードは保険がききますが、中身は保証できませんので、万が一の時のためバックアップをとっておいて下さい
見積り担当
営業者
10分ほど前に「これから伺います」の電話あり。40台後半ぐらいの女性。制服姿。時間通り到着。丁寧にいろいろ答えてくれる。丁度自分がコーヒーをいれようとしていたところだったので、すすめてみるが断わられる
セールストーク
引越し前日まで(荷造りが前日のため)このままの状況で大丈夫です。何もされる必要はありません(うっとり)。作業内容には絶対の自信があります。ヤマ●は引越件数業界1番ですから、それだけの自負があります
料金交渉その他
他のアイミツはどこで? など話をしながら見積り書作成。「管理会社はハトさんなんです」と言ってみると「ハトさんは引越業者が集まった協同組合なんですよねぇ」などの微妙な牽制あり。もう作業内容は、丁寧なんだろうな、というのは見積りをしてもらってるだけで想像がつく。洗濯機を水道に繋ぐのに、一々電気屋に頼むなんて凄すぎる……!
22万8700円
(エアコン移設込み、廃棄込み)



引越協同●合(ハト) 営業担当:S氏
電話対応指定管理会社だったので、だらマン販売会社からもらった案内にあったフリーダイヤルにかける。特に応対が丁寧でもないおばちゃんが出るが、練馬から●市に引っ越すと言うと、「だらしなマンション(マンション名仮名)へのお引越ですか」と訪ねられ、そうだと答えると、途端に愛想がよくなる。素晴らしくわかり易い。住所、名前も向こうで検索して一発、簡単
見積り結果
トラック2tロング2台
作業員梱包4人、引越4人
作業開始梱包=前日、引越=朝9時〜
エアコン
移設
1万5千円+パイプ1M3千円。例えば量販店などで購入し、取り付けだけなら7000円
粗大ゴミ
の処理
テレビ台500円、テレビ1000円、パソラック1000円、カーペット500円、本棚1000円など全部で1万円ほど
梱包でき
ないもの
現金、貴重品、冷蔵庫の中身、下着類
家電関係特に指定なし。が、テレビの廃棄にリサイクル料金がいらないと言う。「家電リサイクル法? テレビは違いますよー」と明るく言われビックリ。大丈夫か?
見積り担当
営業者
一番若く、長髪のお兄ちゃん風。が、話をしてみると優男な感じで、印象は悪くない。押しの強い人は苦手なので、話やすいという面では一番話しやすかった。でもテレビはリサイクル処理料金かかるなりよ
セールストーク
指定業者ですので、「だらマン」さんの7割のお客様にご利用いただいています。そのため、料金もお安くなっていますし、現金、カード、振込、後日の集金などお支払い方法もお選び頂けます。ダンボールももちろん引き取りにお伺い致します
料金交渉その他
「だらマン」さんで多くのお客様にご利用頂いてますので、今回は同じ条件でしたら料金はみな同じとのこと。後で「うちはもっと安かったわよ!」などと住民同士で噂になったら困るから、だとか。なるほどねー
16万円
(アコン移設込み、廃棄別)


とまぁ、こんな結果が。
 いやー、ビックリした。引越料金に定価なし、とは聞いてはいたけど、同じ条件の引越を同じように見積もってもらってざっと10万も差が出るなんて! 10万なんて、自分で梱包すれば、も一回引越できかねない。いやしないけど。
 しばらく考えた後、ネコとキリンはあっさり却下。キリンはどうしても営業担当者の口調と態度が気に入らず、ネコはやっぱりすんごく良さそうだがあまりにも高い。
「このご時世ですから、受けさせて頂けるなら多少のお値引きは……」とは言っていたけど、まぁ下がって20万きっかりかな、という印象だったので、今回は諦める。でも、転勤族で会社が経費を持ってくれるならネコが良い、と思うのも納得。
 となると、アリかハトか。ハトの方が値段は少し高いけど、梱包の人数も多いし、トラックも大きい。ただネックは前日梱包。ギリギリまで入稿しなければいけない仕事があるので、前日梱包にしてしまうと、2日前に仕事を上げなくてはならなくなる。そりゃもう、今の状況では絶対無理! という消去法で、当日梱包、一番安い「アリさん」に決め。
 が、廃品の料金を聞いてなかったので、電話を入れて確認すると営業所の人に「3万円ぐらいですかねー」ととんでもない金額を提示される。他のどこよりも高かったので「それはちょっと高くないですか?」と言ったら「正直廃品ってなるべく受けたくないんですよ。それにお客さん引越代金12万円ですよね? これ以上安くは……」となんだか微妙に感じが悪い。貰ったパンフレットには「引越業者初! リサイクル券の導入で家電処分もラクラク!」って書いてあるのに。
 若干ムッとしつつ、電話を切って、場合によってはハトにしようかなぁと思いつつ、営業担当のW氏に廃品リストを作り「事務所の人に3万円と言われたけど、それはあまりに高すぎるので再考して下さい」とFAXを入れた。
 結局、折り返しW氏から電話があり、「2万円と消費税でやらせて頂きます」と言うことで、合計14万1千円で確定する。漠然と戻ってくる敷金で引越できれば、と思っていたので、まぁいけそうで一安心。しかーし! 後でふと気になってネットのカレンダーで19日を見てみたら、なんと仏滅だった。なるほどねー、土曜日なのに空いてるわけだ。別に気にしちゃいないからいいけど、きっと知ってて黙ってたんだろうなぁと思うとちょっとね、と思った次第。もちろん「だったらやめる!」というほどのことではないんだけど。
 とまぁ、そんなこんなで、翌日「お断り電話」をアリさん以外の3社に入れると、他は感じよく納得してくれたのに、キリンさんは「失礼ですが、やはり他社さんにお願いされるというのは料金面の関係で?」と聞いてきた。本当に失礼だな、と思いました。
 いやほんと、引越業者っていろいろですなぁ。




前夜片付け中に発掘されたクリップくんの一部。大泉のクリップ王とは私のことよ!


同じく発掘された「書けない」ボールペンくんたち。なぜすぐに捨てない!? ちなみに「書ける」ボールペンくんは28本ありました。無駄すぎる……。


整然と積まれていくクローゼットの中の本。まだまだまーだ、あるのは言うまでもない。


アリさんの必殺お道具、階段パット。傷防止及びすべり防止にお役立ち。一段ぬかしもこれで安心!?


一旦、外に運び出された荷物たち。でもまだ全然少ないざんす。


働きアリさんの目を盗んでトラックの荷台に座り、ドナドナ気分にひたるオレ。でも34歳のだらしな女を買ってくれる人はいないと思われる。


爽やかなアリさんトラック。


が、実際は、後ろのこの絵の方がリアリティあるっ!


軽々運んでいるように見えるけど、恐らく推定60キロは超えると思われるダンボール2箱。ちなみに私は1箱でも持ち上げられなかったっす。


何気なく片付いて見えるかもしれないけど、ソファの後ろには3×2×9列+αの本入りダンボール箱が。なむー……。


<恐るべき働きアリ! やって来ました引越当日>


 引越日は19日、業者はアリさんとどうにかこうにか引越の詳細も確定したものの、一息吐く間もなく「うぎゃっ!」という間に引越前日がやって来た。まぁ見積り取ったのが1週間前なんだから当たり前ですね、すみません。
 この間、電気・水道・ガス・NTTの移転手続きを済ませ(今は全部ネットでできて大変便利。但しガスのみ回線に立会いが必要)、エアコンの取り外し(引越前に外しておく必要アリ)日を決め、生協にも住所変更を申告し、と細かい手続きもどうにかこなしていたのだけれど、ハッと気付いたことがひとつ。そーれーはー転出届け!
 あぁまたしても所沢市役所へ行かねばならぬのか! が、どう考えたって、引越し前に所沢まで行く余裕はないっ! どうしよう……と思っていたら、意外にも転出届は郵送で手続き可能だということが判明。所沢市役所に電話して聞くと、届出人氏名、移動年月日、旧住所、旧住所、世帯主、新住所などを明記して、返送用封筒に住所氏名切手を貼って、送ればOKと言うので、言われたとおりにしてみたところ、引越当日には「だらマン」に転出届が送られてきていた。なんか楽した気分でちょっと嬉しい。

 引越前夜。いくら梱包パックとはいえ、さすがに私も女子のはしくれ、Lサイズパンツをアリさんたちに梱包して頂くわけにもいかず、そう思ってみると下着より先に隠したほうが良いと思われるものも意外とあり(いやそんな凄いもんじゃないけどね)、結局完徹で朝を迎える。冷蔵庫の中身に至っては、確か1年前ぐらいにかなり大幅な瓶整理をしたはずなのに、ざくざく捨てるべきドレッシングやらタレ系やら調味料(中華系とエスニック系の中途半端な品多し)が出てきて、さらに得体の知れないカラカラに干からびた物体や、黒緑のアヤシイ元食品が発掘され、皿ごと捨てたい欲求と戦い続ける。
 結局、まだ冷蔵庫を片付けきらないうちに、「おはようございまーす!」とアリさん一行到着。2人と聞いていたのに、3人だった。他の業者さんの見積りが、みんな梱包=3人以上だったので、ちょっと心配だったのが、一安心。もちろん、頼んだわけではないので、割増料金はなし。作業責任者のH氏の丁寧な挨拶を受け、早速アリさんたちは2階と台所にわかれて梱包作業が開始。
 見ていると、一番のベテラン作業者(っていっても多分私より年下)のH氏が割れ物の多いキッチン周り(食器梱包含む)、新人さんらしき人が比較的モノの少ない寝室で布団と漫画の梱包、残る中堅くんが仕事場の恐怖の本棚を担当していた。
 この時、時刻は8時ちょい過ぎ。いくらお任せパックとはいえ、任せっきりでお茶なんか飲んでる場合じゃないのは明らかなので、一緒になって机周りやらCDやビデオテープといった小物をダンボールに詰めていく。果たして何時に終わるのか、想像もつかない。それどころか、本当に今日中に作業が終了するのかさえアヤシイ気もする…。
 9時半、所沢からママリン&パパリンが到着。通販で頼んだ家具や家電が今日届くという連絡があったので、ママリンにだらマンへ受け取りに行ってもらい、パパリンには片付けを手伝ってもらう。60過ぎた父親に引越を手伝わせるオレって一体……と思わないでもないけれど、そんな綺麗事は言ってられないので、冷蔵庫の掃除と風呂場の掃除をしてもらい、ひたすら私は梱包補佐。キッチン担当のH氏は、どう見てもガラクタとしか思えない物まで丁寧に梱包していくので、横から「あ、それ捨てます!」とか「あ!それゴミです!」と口をはさむハメになる。お任せパックって、日々きちんと暮らしていないと、ものすごーく恥ずかしいことになりかねない。お寿司のパックについてきた醤油とか、出前の割り箸とか、引き出しの奥から発掘された賞味期限の切れた魚肉ソーセージなんかを、丁寧に扱われるのって、新手の拷問かっつーぐらい恥ずかしい。うぐうぐ。
 10時。下の部屋でリビング小物を片付けていたら、キッチンの責任者H氏の元へ、2階の仕事場担当の中堅くんが下りて来て、何やら相談を始めた。聞くと「ダンボールが足りなくなりそう」だとか。大きいサイズは問題ないのだが、本を入れるサイズの箱がどうもアヤシイらしい。
 余談だけれど、今回、見積りに来てもらった各業者の営業さんに、部屋を見せてわまって「ところでこれ、本だけでダンボール何箱ぐらいになりそうですかね?」と聞いてみたところ、下は20箱から上は100箱まですんごい差があった。ハトさーん! 20箱じゃ全然足りなかったみたいですよー! ちなみに私は50箱ぐらいかなと思っていたのだけれど、この時点で既に50箱は消化されつつあった。しかも上までギッチリ詰めて。結局、追加のダンボールを持ってきてもらいつつ、10時半、応援くんが1人到着。その後、1回目の休憩をとってもらう。
 12時半、プロとはもの凄いもので、気の遠くなりそうな作業に終わりが見え、ダンボール梱包系はほぼ終了する。そこでさらにトラック1台を操りS氏が登場。先に来ていたH氏とS氏が作業責任者クラス(といってもS氏も確実に私より年下)らしく、もの凄い仕切り能力を発揮し、2階から本入りダンボール(結局70箱を超えた)を下ろし、スチールラックを窓から下ろし、だらしなソファを解体し、運び出していった。何に驚いたって、私が日々ギクシャク落ちないように一歩ずつ上り下りていた階段を、彼らは一段飛びでかけ上がり、動かすことすらできない、ぎっしり本の詰まったダンボールを2箱重ねて持ち、下ろしていくのだ。
 しかーも、文句も言わず、爽やかに!
 あれだね、人間は自分にない能力を目の前で見せ付けられると、惚れかけるね(笑)。
 14時過ぎにはトラックに荷物も全て積み終わり、部屋を回ってH氏と積み残しがないか確認。移動(っつっても近い)と昼食を済ませて3時半ごろだらマンで積み込み開始と打ち合わせ、一旦アリさんチームと別れる。
 なーんにもなくなった「だらしな館」をざっくり掃除しつつ、こんなに広かったのかーとしばしボーっとする。3年前、引っ越してきたときは新築でシミひとつなかったのだけれど、さすがにあちこち、生活跡がついてしまっている。それを拭き取りながら、うっかりおセンチモードに入ってしまい、しみじみしていたらママリンから「もうアリさん来たわよーっ!」と携帯に電話が。早っ!
 慌てて自転車でだらマンへ向かい、ママリンお手製のオニギリ片手に搬入の指示をし、右往左往しているうちに、1時間ほどで搬入が終了する。時刻は4時30分。全ての作業が終了し、H氏がやって来て「10分間サービスがあります。照明の取り付けですとか、家具の移動や荷解きのお手伝いをさせて頂きますので申し付けて下さい」と言うので「じゃぁお茶を飲んで下さい」とお願いする。ついでにママリンが大量に作ってきたオニギリも、冷蔵庫が動いてないためぬるーいお茶と一緒に無理やり食べてもらう。考えてみると結構迷惑だったかも。
 いやー、しかしこれまでかなりの引越をしてきたけど、今回のアリさんチームほど「プロ」を感じたことはなかった。正直、これまでの引越では、今回ほど荷物が多くなかったにもかかわらず、重い荷物なんかがあると、アカラサマに「チッ」という表情になってる人が多かった。私は気付かないふりして人の顔色を見てるので、そのたびに結構ビクビクしていたのだ。だから今回なんか、本当に重い荷物だらけで、もの凄く嫌な客だろうなぁという自覚があった。しかも値切ったし。
 でも今回の引越をしてくれた、アリさんチームには嫌な顔一つされなかった。言葉使いも丁寧だし、礼儀も正しく、ダラダラせずに、しかも明るい! 新人くん2人が、あぁなんか大変そうだなー、重そうだなぁ、ちょっと辛そうだなーという状態になると、先輩格の人たちが声かけたりして、重い荷物が続いた後の、軽い荷物(リネン系とか)を渡すときには「はい、和み系でーす」なんて言ったりして、ちょっと微笑ましかった。こんなに気持ち良く引越ができたのは本当に初めてだ。第一、まさか5時前に終わるなんて思ってもみなかったし。
 当たり前のことかなのかもしれないけれど、ほんと、感動すらしたので一言お礼を。
 どうもありがとうございました。いや、でも、毎日引越ししてるそうなので、Webマガジン幻冬舎なんて、恐らく読んでるヒマもないんだろうけど……。
 もちろん追加料金も一切なく、確認書類にサインして、アリさん一行が引き上げて行ったのが4時50分。1日中、いや正しくは前日から異常に働いていた疲れがどっと押し寄せてきて、1時間ほどソファで爆睡する。
 目が覚めたら、リビングには60箱のダンボール、仕事部屋には10箱の本と、10箱の仕事道具の山。
 ママリン&パパリンがキッチン周りを整えてくれていたものの、それだってまた自分の使いやすいように移動させなければならないのは明白。
 テレビとビデオの配線だけでも2ヶ所、デスクトップのパソコン繋ぐだけでも小1時間、ダイヤルアップでしか繋がらないネット環境もどうにかしなくちゃいけないし、意外なことに洋服も寝室のクローゼットには収まりきらず溢れていた。
 いつか片付く日が来るんだろうか……。
 とりあえず、寝るスペースを確保して、目覚まし代わりにお風呂に入り、パパリン&ママリンと夕食に出かける。帰宅後、隙間本棚を組み立てているうちに、睡魔に襲われギブアップ。
 ダンボール地獄から脱出できる日は果たして!?






<続く(たぶん)>



次回予告
*ダンボールハウスガール(ガール?)
* これからが勝負!本棚整理!

中断中の「だらしな日記(ときどき)」は
次号から再開します(断言)。
ダイエットの経過やいかに?
いや、ま、誰も期待しちゃいないでしょうけど……。




『だらしな日記』発売!
藤田香織オフィシャルホームページ!http://www.darashina.com/