![]() ![]() スポーツクラブに定期的に通うことができる人って、意志の強い人なんだろうなぁ。と、毎度毎度、スポーツジムに通いはじめてから思うのである。
お試しキャンペーンなるものをやっていたので、何年かぶりにスポーツクラブに入会してみたものの、3か月たった今では、ほぼ行っていない。最初のころは頻繁に通って汗を流しては、 「からだを動かすって、やっぱり気持ちがいいよ!」 友人知人に自慢げに語っていたくせに……。 それでも、新しく買った水着を一度も着ないのもなんだしと、プールを利用してみることにした。 平日の夜。ジムのプールは、がらんとしていた。ヨガスタジオやジムのフロアは、いつもたくさんの人がいるのでちょっと拍子抜け。季節的に、プールという気分でもないのかもしれない。 まずは水中ウォーキング。水の中を歩くだけでも相当な運動量になるそうなので、大股でのしのしと歩く。歩く人用、ゆっくり泳ぐ人用、上級者向けとレーンに分かれているので気兼ねがいらない。 そういえば、わたしは中学生のとき、学校の水泳大会で「水中走」というレースに出て、断トツで一位になってみんなに驚かれたことがある。一列に並び、よーいドンで25メートルのプールを走る(というか歩く)レースだったんだけど、なぜ、わたしがこのレースに立候補したのかといえば、単に泳ぐのが苦手だったからである。泳がずに済む競技を探した結果が「水中走」というわけだから、生まれてから一度も「水中走」なるものをやったことはなく、水泳大会当日はぶっつけ本番。おそらく、他の生徒もそんな感じだったのだろう。 で、いざフタをあけてみれば、わたしは観客からの「どよめき」と「笑い」が起こるくらいのスピードで一番になったのだった。 なぜ、わたしはあんなに早く歩けたのだろう? 水の抵抗に強い歩き方があるんだろうか? オリンピックに「水中走」なるものがあれば、わたしはスカウトされていたのでは? そんなことを思い出しながらの水中ウォーキング。うん、これはなかなか気持ちがいい。よし、これだけでも続けよう! そうすれば、駅の階段で息切れするような日々から抜けだせるに違いない! 決起したものの、その後、プールからも足が遠のく。たぶん、スポーツクラブ、近いうちに退会する予感がしている。 益田ミリ(ますだみり) 1969年大阪生まれ。主な著書に 『結婚しなくていいですか。すーちゃんの明日』『すーちゃん』『週末、森で』(小社)などがある。また、エッセイ集に『47都道府県 女ひとりで行ってみよう』『上京十年』(小社)や『青春、手遅れ』(角川学芸出版)など。最新刊は『どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心』(小社)、『泣き虫チエ子さん1』(集英社)。 |