「インドで迷子になった私を助けてくれた親切なおじさん」「タイで大喧嘩したけど、なぜか気になるアイツ」、あるいは「旅先で話を聞いたけれど、ついに食べることができなかった料理」などなど、時間を経た今となっては、もう一度、再会できる可能性はゼロに等しい「誰か」や「何か」……。
 あなたの記憶にこびりついて離れない大切な記憶を教えてください。どんな異国でも辺境地でも構いません。
 一年間の募集期間の後、応募された記憶の中から一つを選んで、ノンフィクション作家・高野秀行が実際に探しにでかけます!! 下の「応募する」ボタンから、ぜひご応募ください!
〜読者から依頼された記憶〜
ファイル 011:盛岡バスセンターで出会ったおばあちゃん
[探して欲しい記憶の時間]1999年5月
[国名]日本
[都市名]岩手県盛岡市
[探して欲しい記憶の人名、物]盛岡バスセンターで私にメッセージをくれたおばあちゃん
[探して欲しい記憶の詳細] 
 就職活動か何かで、盛岡から仙台へ向かう高速バスを待っていた時に、ふいに知らないおばあちゃんに話しかけられました。
「あなたは普通に幸せになれるよ 大きな幸せじゃないけど」
 って。当時は学生でしたので、不思議な人だなと思いましたが、今30歳を迎える直前に、交通事故に遭い、人生が大きく変わりました。そして、また、10年くらい前に言われた、見知らぬおばあちゃんの言葉が、今は、とても暖かく心に残っています。あのおばあちゃんは、もしかして、私の先祖だったのでしょうか? 田舎なので、訛りで話していますし、私の先祖には戦争で亡くなった人、生まれながらに未熟児で亡くなってしまった人、中には無縁仏になっちゃった人もいるかもしれません。それだけ田舎の出身です。
 でも、今は、私がこうして生まれて30歳まで生きていて、事故に遭っても死ななかったので、その人たちのおかげなのかな? とうっすら心の中で感謝しています。こんなのっておかしいですよね……。

高野秀行より
 うーん、このおばあちゃんを探すのは無理ですね。どこの誰かどころか、「先祖」かもしれないんでしょ。
 恐山に行ったほうが早いかもしれません。場所的にも近いですし。
 でも、私もそんなおばあちゃんに会ってみたいです。
 この文面ではおばあちゃんに会ったのが昼か夜かわからないですが、
 私は夜だと思いたい。
 盛岡発仙台行きの高速バスに今度乗ってみることにします。
 会えるかもしれません。
メモリクエスト Backnumber 〜前号の依頼
ファイル 010:ユーゴスラビア紛争に巻き込まれたかもしれないBob
[探して欲しい記憶の時間]1989年
[国名]ユーゴスラビア
[都市名]Belgrade
[探して欲しい記憶の人名、物]Bozidar Maric、通称Bob
[探して欲しい記憶の詳細]〜依頼内容を読む
ファイル 009:オーストラリアをバイクで一周していた二位さん
[探して欲しい記憶の時間]1984年7月
[国名]ニュージーランド
[都市名]南島
[探して欲しい記憶の人名、物]二位さん
[探して欲しい記憶の詳細]〜依頼内容を読む
メモリクエスト Backnumber 〜過去の依頼
 以下の応募フォームから、あなたの「記憶」をご応募ください。
 これは! というものは、高野秀行がその記憶を詳細に取材した後、実際に探しに出かけます。
 その記憶の状況、人の姿形、場所、時間など、なるべく詳しく教えてください。

※ご応募いただいた記憶は、毎号、高野秀行さんのコメント付きで紹介させていただきます。また、高野さんの触手が動いた記憶については、さらなる詳細を聞きに取材に伺います。
集英社文庫HPにて旅日記連載中!高野秀行オフィシャルサイト