メモリークエスト2 読者からの依頼一覧

[お名前]浜 由紀子
[性別]女性
[欲しい記憶の時間]2008年5月
[国名]イスラエル
[都市名]Almog
[探して欲しい記憶の人名、物]覚えていません
[探してほしい記憶の人物の性別]男性

[探して欲しい記憶の詳細]
 イスラエルを旅していたとき、死海とエルサレムから近いAlmogという町にあるキブツが経営しているホテルに泊まりました。砂漠の中にあるホテルで、公衆の交通機関がないため移動はほとんどヒッチハイクをしていました。その日はキブツのホテルをチェックアウトし、エルサレムに移動する予定でした。キブツのまわりは電線をはりめぐらせた網の柵があり、入り口には10代の若い女兵士が門番をしています。その門番とおしゃべりしながら、キブツを出る車を待って、バス停まで乗せてもらおうと企んでいました。ちょうど朝の通勤時間だったので運良く30分ほどで車が通り、行き先を聞くとこれまたラッキーなことにエルサレムまで行くというので、町まで乗せてもらうことに。家族とキブツで暮らしている40代前半くらいの男性で、大学に戻って勉強をしていると言っていました。もう一度会って、エルサレムまで乗せてくれたお礼が言いたいです。それから大学での勉強は修了できたのかも聞きたいです。


高野秀行より返信


 イスラエルですか。行ったことがないんですよね。
 正直言って、私が出会ったイスラエル人の旅行者は傍若無人な、ろくでもない連中ばかりで、また多くの人に「イスラエルの旅行者はとんでもない」という話を聞きます。また、イスラエルのパレスチナ人に対する迫害ぶりにも常日頃から憤りを覚えずにはいられません。だからイスラエルなんか、行きたいと思ったことは一度もありません。
 が。自分の中でそう思い込んでいる場所こそ自分の目で確かめるべきですよね。
 イスラエル人旅行者といっても、私が見聞きしたのは一九九〇年代の話だし、当時彼らはいつも十人くらいの団体で旅をしていたから、傍若無人だったのかもしれない。また、イスラエルという兵役やテロの恐怖などで息が詰まるような国家から解放されてはしゃぎすぎていたのかもしれない。
 またイスラエルがパレスチナを弾圧しているのは間違いないにしても、イスラエルという国家は、イコール・イスラエル人では無論ない。
 もっと言ってしまえば、イスラエル人と言ってもいろんな人がいて、エゴイスティックなやつもいれば情愛に満ちた人もいるだろう。インドでもソマリでも日本でも、どこでもそうであるように。
 そう考えると、イスラエル行きを頑なに拒否する理由はどんどん減っていきますよね。
 中国人や韓国人を毛嫌いする人にかぎって、中国や韓国に行ったことがないものです。
 私のイスラエル人嫌いもそうかもしれない。
 その親切な人を探しがてら、一度、試しに行ってみますか。

探してほしい記憶があれば、ここをクリック!





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高野秀行からのメッセージ
『メモリークエスト』第一弾/全依頼26件
『メモリークエスト』第一弾が文庫になりました!
高野秀行プロフィール

一九六六年東京都生まれ。辺境作家。早稲田大学探検部在籍中に執筆した「幻獣ムベンベを追え」でデビュー。

アジア新聞屋台村』『ワセダ三畳青春記』『腰痛探検家』(以上、集英社文庫)、『怪獣記』『西南シルクロードは密林に消える』(ともに講談社文庫)『世にも奇妙なマラソン大会』(本の雑誌社)、『イスラム飲酒紀行』(扶桑社)など著書多数。

高野秀行プロフィール