8月某日。世田谷。
【ファイル036 私の結婚を予言したオジサン(パキスタン)】を依頼してくださったさとみんさんのお話を伺いました!


[お名前]さとみん
[性別]女性
[欲しい記憶の時間]1989年6月
[国名]パキスタン
[都市名]フンザ(Gilgit・Sust)
[探して欲しい記憶の人名、物]ジャマール氏
[探してほしい記憶の人物の性別]男性

[探して欲しい記憶の詳細]
 人生に迷っていた1989年6〜8月、陸路でカラチから北京までバックパック旅行。途中、Gilgitから中パ国境のSustまでの乗り合いバスで隣り合わせたそのオジサンは...続きを読む]/[高野秀行からのコメント



 さとみんさんは、お父さんの影響で小さい頃から海外旅行をたくさんしてきたとのこと。今でも海外経験が豊富で、高野さんとは話が噛み合いまくりです。しかも、高野さんの『アヘン王国潜入記』の英訳版まで持っていらっしゃって。
このあたりではまだ「取材モード」だったのですが...

このあたりではまだ「取材モード」だったのですが、さとみんさんのお話が刺激的すぎてだんだんと高野さんの脳内が「旅」の一文字に支配されていきます。

 さとみんさんが依頼してくださったのは、さとみんさんの結婚を予言したジャマール氏なのですが、どうも旅トーク、海外トークに花が咲いてしまいます。

 このあたりで編集担当としては、「高野さん、取材ですよ、取材!」と割って入るべきだったのですが、お二人の話が面白すぎてどうにも仕事モードに徹しきれません。
 しまいには、さとみんさんの話を聞く高野さんの口から「いいなぁ」「羨ましいなぁ」「俺も旅に行きたいなぁ」などの言葉が頻出するようになり……。

さとみんさんから旅のアルバムを見せてもらう高野さん...

さとみんさんから旅のアルバムを見せてもらう高野さん。ジャマール氏の写真もきちんと残されていて有力な手がかりに!

 取材で伺った先で、高野さんの旅人スイッチが完全にオンになってしまうという有様でした(もちろん、クエスト対象のジャマール氏の詳細も伺いましたが)。

 さとみんさんとお別れし、近くの喫茶店で詳細をまとめる……はずだったのですが、「仕事と関係のない旅がしたいなぁ」とおっしゃる高野さんを止めることができるはずもなく、昼だと言うのにモヒートで南国気分。やたら美味いモヒートでした。






 8月某日。渋谷。  次にお話を伺ったのは、【ファイル006 大学時代の思い出が詰まったマイ木刀&木刀袋(グアテマラ)】を依頼してくださった大内さん。


[お名前]大内
[性別]女性
[欲しい記憶の時間]2010年3月
[国名]グアテマラ
[都市名]フローレス
[MQ1_8.探して欲しい記憶の人名、物]木刀と木刀袋

[探して欲しい記憶の詳細]
 はじめまして。私は大学の部活動で殺陣をやっておりました。
 普段の稽古は木刀で行います。大学4年間ほぼ毎日木刀を携えていました。旅に出る際、いつかどこかで何かの時に役立つかと思い(護身用であったり、食うに困った時にはパフォーマンスでもしようかと)木刀を持って出掛けたのです。
 ところがそこには...続きを読む]/[高野秀行からのコメント



 渋谷のセルリアンホテルのカフェで優雅に取材。のはずが、これまた大内さんのお話が面白すぎます。加えて、高野さんは「旅に行きたいモード」継続中。
:大内さんの旅遍歴はスケール感があって楽しそうで、高野さんの「旅に行きたい」欲がムクムクと高まっていきます。

:大内さんの旅遍歴はスケール感があって楽しそうで、高野さんの「旅に行きたい」欲がムクムクと高まっていきます。

 大内さんは空港で木刀を見咎められて「これはなんだ?」との問いをぶつけられた際に、「サムライスピリッツ」と答えたほどの剛の者。これには高野さんも大爆笑でした。
 なんでも、大内さんは世界一周を目論んでの旅の途中だったとのことで、高野さんも興味津々です。「他にはどんなところに行ったの?」と質問を発したことで、大内さんの旅遍歴が明らかに。ただでさえ「旅に行きたいモード」の高野さんが、この話に食いつかないはずがありません。

「ちゃんと取材だってしてるんだぞ」(?)の証拠写真。

「ちゃんと取材だってしてるんだぞ」(?)の証拠写真。

 そんな楽し過ぎる脱線を幾度となく繰り返しては、肝心のクエスト対象である「木刀&木刀袋」の詳細を伺います。ベリーズからグアテマラまでを走っているコレクティーボ(ワンボックスカーみたいな感じだそうです)の中に忘れてきた確率が高そうなのですが、果たして現地の方はその木刀を「サムライスピリッツ」と認識できたのか……? もしかしたら、「なんだ、この木の棒は?」なんてことになっているのかもしれません。



メモリークエスト2 読者からの依頼一覧

高野秀行からのメッセージ
『メモリークエスト』第一弾/全依頼26件
『メモリークエスト』第一弾が文庫になりました!
高野秀行プロフィール

一九六六年東京都生まれ。辺境作家。早稲田大学探検部在籍中に執筆した「幻獣ムベンベを追え」でデビュー。

アジア新聞屋台村』『ワセダ三畳青春記』『腰痛探検家』(以上、集英社文庫)、『怪獣記』『西南シルクロードは密林に消える』(ともに講談社文庫)『世にも奇妙なマラソン大会』(本の雑誌社)、『イスラム飲酒紀行』(扶桑社)など著書多数。

高野秀行プロフィール