留学報告


 留学は入院にやや似ていた。
 自由がきかないところと、勉強になるところが似ている。
 ホームステイでよかったのは、ソイミルク(豆乳)が飲めるようになったことだ。帰国後、毎日、飲んでいる。
 私のニューヨークのホストマザーは、毎朝紅茶にソイミルクを入れて飲む。地下の倉庫に大量のソイミルクを買い置きしていた。彼女はベジタリアンであまり食事を多く摂らないのだが体格がよい。きっとソイミルクには相当な栄養があるに違いないと思った。
 彼女があまり食べないので、ニューヨークで私は痩せた。
 いつも自由にしているのに、勝手に出来ないので、痩せた。
 昨日まで他人だった人と暮らすという、あらたな修行に入った自分。そんな自分を興味深く観察できたことは有意義だったと思う。
 ホームステイを終えて自由を得た私は、ものすごく食べた。一緒に食事した友人はその時の私の様子をライオンのようだったと表現している。
 ホームステイ体験をとおして野生動物化した私は、これまでより敏感に生きられるようになったと思う。危機管理能力の向上、これは語学習得より大事なことである。
 たんなるハッピイな休暇にしなくてよかった。
 また行きたい? かといえば行きたくはないが、また行くような気がしている。観光ではぜったい得られない、達成感と感動があったから。大人になってからのホームステイ、元気のある人はもちろん、ない人にも、おすすめです。


つづく





色つけ係 いづりん