若いエネルギー


 とある休日の午後、会社の後輩の家に遊びに行った。
 彼女はもう数年前に幻冬舎を離れており、今は子育てをしながら、フリーランスで編集の仕事をしている。
 しばらく見ないうちにすっかり奥様&おかあさんになっていて、「立派になったなァ」と感心する。
 元気に家庭をきりもりするママ、の笑顔に、一瞬、悔し泣きの、昔の顔がだぶった。まあよく上司に叱られてたけど負けずにもちまえの明るさでみんなに好かれ、いつも一生懸命頑張っていた数年前の彼女の様子を、懐かしく思い出した。
 子どものいる家にあまり行く機会がないが、子ども番組がTV画面に流れっぱなしになっていた。おにいさんやおねえさんが四肢をぶんぶんふりまわしている様子、着ぐるみの動物に子どもたちがじゃれている様子、出演者全員が音楽に合わせて飛んだり跳ねたり、どれも自分には遠いものだという感じがした。
 ただ、「北風小僧の寒太郎」の歌が流れたときには、ああこれはほんとうにいい曲だった、と胸が熱くなった。いまの子どもたちも聴いているのだと知り、嬉しい。
 帰りの車のなかで、ずーんと地の底に落ちるような、心地よい眠気に襲われた。
 これはきっと、子どもから若いエネルギーを受けたのだと、気づく。まだ、たった一年しか生きてない人間の、若いエキスをもらったのだ。付き合いやすい同世代とばかりでなく、たまには、歳のうんと離れた人間と交流すべき、と思った。