この仕事に入って二十年。
四十過ぎまで生きてくると、じつに多くに人びとと知り合ってきたという実感がある。
名刺を交換しても一度きりの人はたくさんいるが、縁あって度々ご一緒する人、あるいは数年をへてまたお会いする場合もある。
私の名前はロシア語で、変わっているので、「同じ名前ですね」という人には会わない。
苗字が一緒の人には会っていいだろうと思うのだが、これが、山口さんという人は少ないのだろうか、これまであまり会わなかった。
業界ではほんとに数えるほどしか会っていない。15年以上前、ビクターのキョンキョンのプロモーターだった山口さん、くらいしかいま出てこない。どなたか私がお仕事させていただいた山口さん、いらしたら声をかけてくださいというくらい山口は少ない。
ところが!
この数ヶ月、とても気になっているのだが、ここへきて、山口さんという人にたくさん会うんである。
サンボマスターの山口くんと奥田民生くんの対談をやった居酒屋の店長が山口さん、東原亜希さんのマネージャーが山口さん。そして治療院で私の前に並んでいたのが山口さん。一泊で旅行に行けば、同じ宿に山口さんが二名……というように全国の山口さんがいっせいに私に向かって押し寄せてきたかのように、いままでまったく私の周囲に不在だった山口たちが出現。
だからどうだというのだ、というくだらなさで申し訳ない。
そういえば、私が幼稚園の頃、一度だけ、「山口みる」さんという人と一緒になったのだ、当時住んでいた、川崎の病院で。もちろん偶然に。私と同い年か、少しお姉さんだったような。だからいまごろはきっとご結婚されて、なんとかみるさんになっておられるであろう。
元・山口みるさん、いまもどこかでお元気でいらっしゃいますように。
私はいまも山口です。
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