20代前半、むやみにカツラっぽい髪型に挑戦していた。

 あるときは、マッシュルームカットをしてみたいがキノコじゃもの足りない、とアレンジを利かし、「なるべくヘルメットみたいにお願いします」と美容師にオーダー。
 またあるときは、「外国の絵本に出てくる王子みたいな髪型にしてみたい♪」というオーダーもしました。理想の王子に近づくため、薬品で頭皮をビリビリさせながら完全ブリーチの後モスグリーンのカラーリング、さらに頭に張りつくようなくるくるパーマをかけました。二度とやりたくない髪型ばかりです。
 ちぐはぐなヘア青春時代を経て、現在3ヶ月以上美容院に行かず伸びっぱなし。名も無きヘアスタイルに落ち着いております。

 さて、いつのまにか「モテ髪」という名詞ができたみたいですね。“notモテ髪”のイタい実践経験をふまえつつ、今回は「モテ髪スタイルの女子」のモテを考えたいと思います。

 ただいま、雑誌やヘアサロンではこぞって、モテ髪が提案されております。“モテ髪はこれ”というはっきりとしたひとつの型に決まってはいないようだけれど、共通キーワードはどうやら“エアリー”!! 髪軽め&どこかしらカールで、一瞬そよ風に吹かれた後のようなヘアがモテ髪であると、もてはやされています。ちゅーか、モテ髪ヘアカタログ全部似たりよったりでつまらんね。

 わたしの近しい友達にエアリーはいないのですが。先日、電車の中で、エアリー女子ふたり+ガーリィ路線女子ひとりの3人組(二十歳そこそこ)の立ち話を聞き耳してしまいました。
 「カチューシャ、今かわいいかなと思って」とガーリィ女子。見ると髪にはオレンジ色の細いカチューシャ。彼女は子ダヌキっぽくもあり、伸びかけショートボブの自分のダメージヘアに合うかどうかの確認なしに、レトロブームに乗ったようす。
 エアリーのふたりの反応は、「いいじゃん〜。どうせなら、前髪も上げて本気っぽくやったらウケる(笑)」「それウケる〜」。ちょっとー、ウケるとかいわずにやさしく注意したれよ。エアリーたちは完全に上目線で、子ダヌキガーリィのちょいダサ・ヘアアレンジをギャグ扱い。「エアリー、腹黒いぞ!」車中で注意しそうになりましたよ。
 内面がきっついからこそ、そよ風エアリーでフェミニンに見せかける。ヘアイメージで男子を目くらまししようとする作戦がみえみえの彼女たち。モテるな! ほら、今も実際の風向と逆方向にエアリーなんだよ!!

 作り込みエアリーには懐疑的なわたしですが、風と髪の相性のよさは否定しません。ミュージックビデオやCMでは、風を受けてるシーンがひっきりなしに多用されてますし。美男美女が風の力を借りて、さらに魅力的に見せているわけですから、普通の人が無風なんてハンデが大きすぎる。

 つまり、髪のモテに関してつきつめるなら、『NO WIND, NO MOTE☆』。本物の風味方につけてフェミニンに。めざとく風が吹く場所へ移動して、自分を美しく見せてもらいたい。いっそのこと風の強い街へ移住し、モテる一生を送っていただいてもいいでしょう。海の近くでやさしく風に頬をなでられる日々、なんだかドラマが始まりそう〜っ。

 それから髪が風にそよがない短髪の方も、がっかりするのはちと早い。高野山の修行僧さんたちは風を感じる表情も素敵だそうで、目撃した友人は淡い恋心いだいて帰ってきました。髪がそよがない場合は、表情をそよがせるっちゅーことで臨機応変に。
『風を気にとめていない』