コヴァーラムカニャクマリマドゥライポンディシェリーマハーバリプラムカンチープラムチェンナイレー・ラダックウダイプールジャイプールクンバルガルジョードプールジャイサルメールビカネールマンダワリシケシュアグラーヴァラナスィデリー
「僕は午後のお客さんがいるからここでお別れになるけれど、もしよかったら、今夜うちに食事に来てください。妻が料理をします。子供たちの顔も見てほしいし」と言うローカルガイドのラジャーさんの誘いを素直に受けた。「そうだ、今日は金曜日だから我々ヒンドゥー教徒はベジタリアン料理しか作れないけどいいですか?」と言うので「大歓迎です!」と答えた。
 午後をのんびり過ごした後、グーナとともにミターイ(お菓子)を買いに出かけ、その足でラジャーさんの家へ向かった。
 コンクリート2階建ての1階部分がラジャーさん一家の住み家で、玄関先に上手に描かれた床画を踏まぬようにそっと歩いて中へ入ると、子供たちが迎えに出てくれた。2LDKの家にはラジャーさんと奥さん、そのお母さん、女の子が一人と男の子が二人住んでいる。  
 一番下はまだ10ヵ月だといい、パンツからはおしっこが垂れ流しになっていた。こちらではオムツの習慣がないのか、お漏らしをするたびに床を拭きパンツを替えていた。奥さんはキッチンでチャパティーを焼いており、手伝おうとすると、「インドではお客さんは、何もしません」と言うので、子供たちと一緒に遊ぶことにした。
祭りのための装飾が施されたこの寺院は、シュリーミーナクシー寺院といい、シヴァ神の妻パールヴァーティーの化身、ミー(魚)ナクシー(目)つまり、魚のような目をした美しい女神を祀ったものらしい。
敷地内に林立するゴプラム(門塔)の数々。因みに通常、東西南北四方に出入り口があるものらしいが、この寺院には東側に左右2箇所の出入り口が設けられており、合計5箇所の出入り口がある。
地元の小学校を訪れてみると、昼休みのため教室を出た子供たちが我先にと押し寄せては写真撮影をせがむ。はち切れんばかりの笑顔に旅の疲れも癒された。
ローカルガイドのラジャーさん宅にて夕食をごちそうになる。ゴザの上に並んだのは、ベジタブルクルマというココナツミルク入りの野菜カレーとチャパティー、そして、生野菜に塩とレモンをかけたサラダで、素朴な家庭の味はもちろんおいしかった。
 見た目はなんということはない、ただの海岸で、離れ小島にヴィヴェーカナンダーというインド哲学者の像や祈念堂が建っているくらいで、喜び勇んで出かけるほどのことでもなかったが、名物の夕日くらい見ておこうと、日没までの2時間ほどを、かろうじて見つけた日陰で本を読んで過ごすことにした。
 絶え間なく訪れる巡礼者たちは、荒波にさらわれぬよう、恐る恐る沐浴をし、チャイを飲みながら日が沈むのを待っている。ヘアーピン売りの女性は私の隣に腰掛けて、20ルピーでいいからと、色のついたヘアーピンを何とか売ろうとしていた。
 日が暮れるにしたがって、より多くの人が集まってきて、ざわめく海岸には「チャーイ!コーヒー!」という声が響き渡る。
水平線辺りには雲が垂れ込めていて、海に沈みゆくギリギリこそ見えなかったものの、真っ赤な夕日が雲を染めるのを、どこからともなくやって来た人々とともに眺めた。
 この時間の、青でもなく赤でもなく、絵の具の種類にありそうで、簡単には表現できない空の色がなんとも言えず好きだ。
 最南端だというだけで、この岬にちなんだ女神まで作ってしまうインド人とは異なり、ゴミゴミした海岸にさほどの感慨はなかったが、それでも、地図を見るたびに、北インド旅行の果てに再び南インドへやってきて、その突端へたどり着いたのだという喜びを感じた。
インドの最南端にて、オウム占いなるものを発見。オウムがくちばしの先に銜え取った紙に運命が書いてあるらしいが……。
インド洋、ベンガル湾、そしてアラビア海と3つの海が交わり、ヒンドゥー教徒にとっての聖地であるカニャクマリの海岸では、被服を身に着けたまま沐浴をする人が後をたたない。
インド最南端の夜明け。
この場所では、日の出を向かえ日没を見送るために、人々がただチャイを飲み、親しい人と会話をして時間を過ごす。
 ソマチラムビーチリゾートは、インド初のアーユルヴェーダ施設を擁する老舗リゾートで、本格的なトリートメントを受けることができるという。
 朝にはヨガのクラスが、そして夕方には瞑想のクラスもあるといい、静かに過ごすには相応しい場所である。
 夕方、二人のドクターによるコンサルテーションを受け、アーユルヴェーダに関する説明を受けた。身長、体重、病歴、食習慣、嗜好品、消化のよし悪し、運動、心の傾向、夢などについて日本語表記もある問診表に記入すると、それに基づいて、いくつかの質問がなされた。血圧と脈拍をはかり、触診の後二人のうち女性のドクターがウーンと唸りながら診断を下した。
 青山圭秀著の『大いなる生命学』や、今まで何度か受けたことのあるアーユルヴェーダ治療によると、ヴァータ、ピッタ、カッパの3つに大別できる人間の体質のうち、私はヴァータに当てはまるとも、ピッタに当てはまるとも言われ、このたびソマチラムのドクターによるとヴァータピッタだという。出会うドクターごとに異なる診断を下されるのはどうかとも思われるが、予防医学ゆえ、誤診で死に至るというわけではないだろうから、まあ、いいか。
アーユルヴェーダの医療施設、ソマチラムビーチリゾートにて。窓ガラスがなく、葦戸の隙間から蚊が入り放題のシンプルな部屋ではあるが、清潔でかわいらしく、居心地は抜群。
部屋からの眺め。生い茂る椰子の彼方に見える荒波のビーチが美しかった。
敷地内のいたるところにこうして薬草のプランターがあり、アーユルヴェーダ治療の一環で処方される飲み薬になったりするのだろうけれど、私は目撃してしまった! ハウスキーピングの女性が、部屋の掃除で使用したモップを洗った洗剤入りの汚水をプランターにジャーっと流し込んだのを!
インド美人二人によって施されるトリートメント「シロダーラ」は、温かいごま油を間断なく額に垂らすもので、天にも昇らんばかりに心地よい。ただし、ベトベトで天ぷら屋さんのような匂いになった髪は、たった3分で水に代わってしまう部屋のシャワーで洗ったところできれいにはなりませんが。