にしのあきひろエンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜

 絵本出版の際の取材などでは、ライターさんから「格言お待ちしております」の強い眼差し向けられることも珍しくありませんが、作品を通して伝えたいメッセージなどありませんし(そもそも説教臭い作品が大の苦手)、「誰に読んでもらいたいですか?」という質問に対しては、「誰でもいいから100万部くらい売れて、チヤホヤされたいっス」というのがホンネ。
 場をシラけさせてまでそんな不純なホンネを堂々語る度胸なんてもちろん持ち合わせていない僕は、とりつくろうように喋ってはみますが、とりつくろう技術も持ち合わせておらず、結果はいつもドッチラケ。
いっそのこと、僕の言葉なんていらないからそのスペースに絵を一枚でも載せてくれよ、と内心はヒドイ開き直り。僕なんぞの言葉より、絵の方が何倍も雄弁だという気持ちはどうしても拭えません。

にしのあきひろ エンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜 #1 制作日記スタート

 しかし現実、紙面には僕の言葉が載り、使われる写真はといえば、カメラマンさんに指示されるまま壁にもたれて目を横に流してイケメンを気取っている非常に気色の悪い中年の姿。西日がイイ感じに射しこんでいた時などは地獄です。
 そもそもタレントが出す絵本なんて、「どうせ、話題作りでしょ」という穿った見られ方しかしませんし(僕自身そのように思っております)、その中、タレントを前面に押し出すことは、ともすればマイナスプロモーションとなりうる危険性だってあるだろうと。
 しかし、そこは“取材をしていただいている身”。カメラマンさんに言われるまま、黙って壁にもたれて流し目をキメる僕であります。

 そんな折、編集の袖山さんから「幻冬舎のWebサイトで絵本の制作日記を書きませんか?」というお電話をいただきました。自分で書く制作日記でしたら自宅の机の上で全てのことが済むので、どれだけホンネを語ろうが場がシラけることはありませんし、流し目でポージングをして、後々、芸人の手によって劇場楽屋にその写真が貼り出されて「How to流し目」などという悪魔の一言を添えられることもありません。
制作日記のお話には喜んで飛びついた次第です。

 話が前後してしまいましたが、「制作日記」というのは、今僕が作っている第3弾となる絵本の制作過程を記したものでございます。
 お笑い芸人がどのように勘違いをして絵本を作るようになってしまったのか、ストーリーを作る時のアレやコレ、ロケーションハンティング、遅々として進まない作画のストレス…などなど、この場でお伝えしていければと思っております。

 ツイッターで「おはようございます」と呟いたところ、「起きるな」とコメントされました故、これよりそいつを叩き潰しに行ってまいるので今日はこの辺で。

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エンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜

にしのあきひろ

西野亮廣。1980年7月3日兵庫県生まれ。99年梶原雄太と漫才コンビ「キングコング」を結成。「NHK上方漫才コンテスト」で最優秀賞など受賞多数。現在「はねるのトびら」「キングコングのあるコトないコト」「いつも!ガリゲル」などのレギュラー番組で活躍する一方、漫才ライブ「KING KONG LIVE」やソロトークライブ「西野独演会」などの活動も意欲的に行っている。「日の出アパートの青春」「ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック」「グッド・コマーシャル!!」(のちに、小説『グッド・コマーシャル』として刊行)、「ペンギン・ボーイズ」ほか、演劇やショートムービーの脚本・演出も。

絵本『Dr. インクの星空キネマ』では、物語の絵の力で世間を驚愕させた。絵本第二弾は、切ないラブストーリー、『Zip&Candy ロボットたちのクリスマス』。今回、三作目の絵本に取り組んでいる。

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