にしのあきひろエンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜

※ワケあって、1か月ほど前に書いた日記を、今頃掲載いたします。

にしのあきひろ エンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜 #18 自慢するなっ、西野! Photo. A

 この冬、サンリオピューロランドで「えんとつ町のプぺル」という新作舞台を予定しております。舞台装置や技術打ち合わせなどでピューロランドに足繁く通い、ピューロランド内の造形物を眺めながら、あらためて「ファンタジーが好きだなあ」と薄ら笑いのスケベ面を撒き散らしては、チビッ子達から距離をとられる日々。

 さてさてこの舞台「えんとつ町のプぺル」、実は原作が僕の絵本なのです。
 とは言っても、僕が出版した絵本は『Dr.インクの星空キネマ』『Zip&Candy』、そして今年の冬に発売を予定している新作『オルゴールワールド』の三作。舞台「えんとつ町のプぺル」の原作となった、絵本『えんとつ町のプぺル』という作品は世にはまだ発表前しておりません。

 今回の「オルゴールワールド」で2年数カ月、前作『Zip&Candy』で2年…絵本制作は作画にかなりの時間を要します。作画はストーリーが全て書き上がってから始めるので、作画中に「他にも何か新しい設定はないかしら?」という好奇心がムクムクと湧き、我慢たまらず次の物語作りに着手することが珍しくありません。

 そんなこんなで現在、発売を控えている『オルゴールワールド』の次に『えんとつ町のプぺル』、そしてその次に『走れ!魔法のバス デイ・トリッパー号』…と少しずつストックされていく始末。舞台のお話はそんなストックの中から。

 一見すると「ストックが貯まっていいじゃねえか。てやんでい!」といったところですが、このシワ寄せは新作発売に向けた取材に表れます。
 ライターさんが、発売前の新作の話をしてくださっているのにもかかわらず、他にも楽しい物語があることを知ってほしい僕は「今回の作品も本当にイイんですけど、他にもね…」とナンテコッタイ発言。取材の様子を隣で静かに聞いていた編集の袖山さんもビックリ仰天、宇宙の宙返り。
 挙句、「今作品も楽しみに、そして次回作も楽しみにしていてください」という謎の言葉で締めくくって取材はドッチラケ。

 このミスをこれまで何度も繰り返してきました。原因は明確、僕の誉められたい気持ちが強すぎることにあります。ストックがたくさんあることを自慢して、「スゴイですねぇ〜」「無限の可能性ですねぇ〜」とでも言われたいのでしょう。
 それが何も生み出さないことはもう痛いほど理解しました。
 なので今回の『オルゴールワールド』の取材の目標は、「頑張ってる自慢をしない」ということに決めました。
 新作『オルゴールワールド』の魅力を知ってもらうことだけに尽力いたす所存です。

 ちなみに、サンリオさんとの仕事繋がりでKITTYROBOTの衣装デザインの依頼を受けました。浮輪には「NO problem」の文字。サメに喰われても鋼鉄ボディーなのでビクともしません。我ながら、なかなか素敵な仕上がり。スゴイでしょ?

にしのあきひろ エンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜 #18 自慢するなっ、西野! Photo. B
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エンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜

にしのあきひろ

西野亮廣。1980年7月3日兵庫県生まれ。99年梶原雄太と漫才コンビ「キングコング」を結成。「NHK上方漫才コンテスト」で最優秀賞など受賞多数。現在「はねるのトびら」「キングコングのあるコトないコト」「いつも!ガリゲル」などのレギュラー番組で活躍する一方、漫才ライブ「KING KONG LIVE」やソロトークライブ「西野独演会」などの活動も意欲的に行っている。「日の出アパートの青春」「ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック」「グッド・コマーシャル!!」(のちに、小説『グッド・コマーシャル』として刊行)、「ペンギン・ボーイズ」ほか、演劇やショートムービーの脚本・演出も。

絵本『Dr. インクの星空キネマ』では、物語の絵の力で世間を驚愕させた。絵本第二弾は、切ないラブストーリー、『Zip&Candy ロボットたちのクリスマス』。今回、三作目の絵本に取り組んでいる。

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