にしのあきひろエンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜

 細木数子大先生の「六星占術」によると、今年の私は「大殺界」らしい。運気が下降し、不幸に見舞われやすいといわれるこの時期。何かを始めることはタブーとされており、とくに「引っ越し」なんて言語道断、もってのほか、笑止千万とのこと。そこまで言われてしまうと、「占いなんてクソ喰らえ」の私のドスコイ心臓は燃え上がり、細木大先生に真っ向勝負を挑まずにはいられません。大殺界なんのその、ついに、お家を引っ越してしまう反逆のカリスマな私。

 そして蓋を開けてみれば、11年半続いた看板番組「はねるのトびら」はドカーン!と終了し、表に出る人間としては致命傷ともいえる声帯ポリープをボカーン!と患い、大殺世コワイコワイ、細木大先生に足を向けて寝れない身体になってしまいました。見事なワンサイドゲーム。歴史的な大惨敗。スゴイぞ、六星占術!

 それからというもの、今年の自分が地獄の一丁目に立たされているという事実は無視できなくなるわけですが、これが大変。今度の絵本「オルゴールワールド」の発売は今年なのです。発売はもう決まっています。
「大殺界中のアクションは凶」と言われても、アクションを起こさねば確実に消えてしまう芸能界。もがけば死に、もがかねば死ぬ、なんと無情な蟻地獄。

「なんとか大殺界を無事に抜けだす方法はないものか?」と命からがらネット検索してみれば、あるではありませんか「大殺界を切り抜ける方法」。迷うことなくページをクリックし、読み進めていけば、最後に辿りついたのが「詳しくは『細木和子著/六星占術』をお買い求めください」という宣伝文句。なるほど、よくできている。

にしのあきひろ エンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜 #21 大殺界行進曲 Photo. A

 知らず知らずの間にシステムに乗っていた自分の頬を叩き、「やっぱり占いはキライ」と結論する。揺らいではいけません。人生の舵を占いなんぞに取られてたまるもんですか。アタシの信じるエンターテイメントが占いなんぞに負けてたまるもんですか。こっちは信じられないくらい汗を流しているのです。
 細木大先生の言う大殺界の真っ只中にあって、最新作「オルゴールワールド」でキチンと結果を出し、「そらみたことか」とズバリ言うわよ。
 首を洗って待ってなさい。

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エンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜

にしのあきひろ

西野亮廣。1980年7月3日兵庫県生まれ。99年梶原雄太と漫才コンビ「キングコング」を結成。「NHK上方漫才コンテスト」で最優秀賞など受賞多数。現在「はねるのトびら」「キングコングのあるコトないコト」「いつも!ガリゲル」などのレギュラー番組で活躍する一方、漫才ライブ「KING KONG LIVE」やソロトークライブ「西野独演会」などの活動も意欲的に行っている。「日の出アパートの青春」「ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック」「グッド・コマーシャル!!」(のちに、小説『グッド・コマーシャル』として刊行)、「ペンギン・ボーイズ」ほか、演劇やショートムービーの脚本・演出も。

絵本『Dr. インクの星空キネマ』では、物語の絵の力で世間を驚愕させた。絵本第二弾は、切ないラブストーリー、『Zip&Candy ロボットたちのクリスマス』。今回、三作目の絵本に取り組んでいる。

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