にしのあきひろエンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜

 絵本「オルゴールワールド」の発売日がいよいよ迫ってまいりました。いやいや、この記事が更新される頃にはすでに発売されているかもしれません。
 そんなこんなでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、「ニュースにしてやろう」と今の今まで黙っておりましたが、今回の『オルゴールワールド』の発案はタモリさんです。

 遡ること数年前…それは僕がまだ処女作『Dr.インクの星空キネマ』の制作にエンヤコラしていた頃です。もともとがタモリさんとのお酒の席での「コッソリと絵本を作っちゃおうぜ」という悪ノリからスタートしたのもあって、その当時、僕が絵本を作っているコトを知っていたのはタモリさんだけ。当然、絵本制作の過程を話せるのはタモリさんだけで、いつ世に出るやも知れぬ、はたして本当に世に出るかどうかも疑わしい状態での絵本制作に一抹の不安を抱えていたのが正直なトコロ。

 そんなある日、たしか朝の10時過ぎに突然、タモリさんから電話がありました。
 ナンジャラホイと電話に出ると、「おお、西野。次なる絵本の設定を思いついたぞ」とトンデモ発言。まだ一冊目も完成していないというのに、もう次回作のお話。僕はもうパンク寸前、「さすがに、ちょっと…」とブレーキをかけようとしたところ、タモリさんの口から語られた物語の設定の見事さに舌を巻き、「少し先になりますが、必ず作ります!」とお返事いたしました。その物語こそが、今回の『オルゴールワールド』。

 タモリさんから頂戴したのは導入部分の設定だけですが、しかし、それが全てでした。そこにどういった物語を乗せて、登場人物達にどういったエンディングを迎えさせるかはまだまったく思いついていませんでしたが、それでもその設定から始まる物語には奇跡が起こるような匂いがプンプンしたのです。タモリさんから頂戴したのは、それほど強い設定でした。

 あの電話から数年。じっくり丁寧に作り上げ、ようやく完成した一冊は、なんだかこれまでにない強さを持っていて、エンジンをブロロンブロロンふかしながら、今か今かとその出番を待っております。

 タモリ様。
 約束はキチンとお守りいたしました。ド感動のお時間でございます。

にしのあきひろ『オルゴールワールド』
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エンヤコラ日記〜絵本作りはつらいよ〜

にしのあきひろ

西野亮廣。1980年7月3日兵庫県生まれ。99年梶原雄太と漫才コンビ「キングコング」を結成。「NHK上方漫才コンテスト」で最優秀賞など受賞多数。現在「はねるのトびら」「キングコングのあるコトないコト」「いつも!ガリゲル」などのレギュラー番組で活躍する一方、漫才ライブ「KING KONG LIVE」やソロトークライブ「西野独演会」などの活動も意欲的に行っている。「日の出アパートの青春」「ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック」「グッド・コマーシャル!!」(のちに、小説『グッド・コマーシャル』として刊行)、「ペンギン・ボーイズ」ほか、演劇やショートムービーの脚本・演出も。

絵本『Dr. インクの星空キネマ』では、物語の絵の力で世間を驚愕させた。絵本第二弾は、切ないラブストーリー、『Zip&Candy ロボットたちのクリスマス』。今回、三作目の絵本に取り組んでいる。

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