お品書き



今回も、『GOETHE』(10月24日発売予定)でご紹介しきれなかった新作映画をイラストにさせて頂きました…。皆さまの“鑑賞スケジュール編成"の材料となれば幸いです。ぜひ『GOETHE』とセットでご覧下さい。

 暴力的な男・ジョセフと、悲しい秘密を持つ女・ハンナが“人生の秋"に出会うという、渋めの大人映画。原題は『ティラノサウルス』で、これはジョセフの亡き妻のあだ名だそう。ひどい名ですが『デカくて邪魔。でもちょっと尊敬』みたいな、屈折した愛情がよく表れているように感じました。途中“妻とはうまくいかなかった"みたいなことを主人公が語るシーンがありましたが、それはあだ名が原因だったのでは…。だって常に「ねぇティラノー」とか呼んでたら、次第に恐竜にしか見えなくなるだろうし、言われる方も(自己暗示で)ティラノ化まっしぐらだったと思います。と、いうことは。今後「苦手だなー」と思う人がいたら、思いっきりプリティなあだ名を付けて、親しみを演出してみるのもアリかもしれません。ちょっとだけ何かが、改善する予感。

映画『思秋期』公式サイト
http://tyrannosaur-shisyuuki.com/

 1979年の革命時のイランから人質を救出するために、CIAが映画の撮影クルーを装ってミッションを遂行するという、驚きの実話映画です。監督(&主演)のベン・アフレックさんといえば、個人的には『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)、『ザ・タウン』(2011)のイメージ。どちらも「この街から出て行きたい!」みたいなラストだったので、「とにかく外に出て行きたい人」という印象を勝手に抱いていました。そこへ来て本作は「外国に潜入→人質奪還&脱出!」ですから、いよいよ「出て行きたい」気持ちもMAXか。しかし今回これほど大掛かりな脱出劇を描いてしまったからには、気になるのが次回作です。次は、どこからどう脱出するのか? もう、プリンセス天功ばりの脱出イリュージョンをやるしかない…。一ファンとしては、そう、思いつめています。

映画『アルゴ』公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/argo/

 和田竜さんの大人気小説の映画化。主人公の成田長親は、なんで野村萬斎さんなのかなーと思っていましたが、映画のハイライトで見事な“踊り"を披露するシーンがあったので(あぁ、それで・・・)と納得しました。長親の家臣役で山口智充さん、佐藤浩市さんも出演されていたのですが、こちらは戦国武将というより(NHK大河ドラマ『新選組!』の)永倉新八&芹沢鴨が蘇ったかのようで、眩しかったです…。ということで、原作ファンの方はもちろん「新選組!」ファンの方も、ご覧になると懐かしい&うれしい作品かと存じます。帰り道でちょっと「ジョン・健・ヌッツォ」を口ずさんでしまいました。

映画『のぼうの城』公式サイト
http://nobou-movie.jp/

 大阪のメガバンクの地下に眠る金塊を、6人の男が盗み出すという、高村薫さんの名作小説の映画化。非常にスリリングでクールな作品なのですが、劇中、妻夫木聡さんが浅野忠信さんに向かって「あんたホントにジャイアンだな」と言い放った瞬間から、本作が実写版『ドラえもん』に見えてきてしまいました…。※妻夫木さん→のび太。浅野さん→ジャイアン。桐谷健太さん→スネ夫。チャンミンさん→しずか。西田敏行さん→ドラえもん。時に、西田さんのドラえもんはジャン・レノよりも真に迫っているように思われるのですが、いかがでしょうか…?

映画『黄金を抱いて翔べ』公式サイト
http://www.ougon-movie.jp/

“見に行きたいけど、なかなか行けないもの"を映画化するのが、昨今のトレンドなのでしょうか。ジャスティン・ビーバーさんのライブ(+半生)とか、マイケル・ジャクソンさん伝説のツアーとか、『クイーン ハンガリアン・ラプソディ ライブ・イン・ブダペスト'86』(11月24日公開予定)とか…。そんな中、“太陽のサーカス"こと「シルク・ドゥ・ソレイユ」のパフォーマンスを3Dで映画化した本作も、目の付け所が素晴らしいと思いました。日本では今「シルク〜」は見られないし、ドキュメンタリーでなく物語っぽいという作風にも、ワクワクします。こういう映画は、今後ますます増えてゆくのかもしれません。例えば、並ばなくてもアトラクションを疑似体験できるディズ○ーランド映画とか、その流れで、海外旅行映画とか、宇宙旅行映画とか…。最終的にはもう、運動会も成人式も入社式も、3Dで済ませちゃえばいいんじゃね!? となってしまったら、それはそれで、恐ろしいですねぇ。

映画『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』公式サイト
http://www.cirque-3d.jp/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。えー。朝晩冷えてきましたので、皆さま、どうか、風邪などお召しになりませぬよう。パジャマの裾はズボンにintoしてから就寝するのがベストです。では!



豊村真理(とよむら まり)プロフィール

豊村真理(とよむら まり)プロフィール

1981年生まれ。
「週刊TVガイド」編集部を経てイラストレーターに。第27回読売広告大賞優秀賞受賞。
余命半年から生きてます!」(相河ラズ著/幻冬舎刊)挿絵を担当。雑誌「GOETHE(ゲーテ)」で映画のイラストを連載中。
ブログもだいたい毎日更新中!

豊村真理オフィシャルブログ
New Nonsense
http://newnonsens.exblog.jp/