お品書き





話題のミュージカルに新作映画、
そしておしゃれなカフェについて
イラストを描かせていただきました。
ひとつ宜しくお願い致します!

 劇団四季さんのミュージカル『ウェストサイド物語』を鑑賞させていただきました。脚を高く上げるダンスシーンが有名な作品ですが、やはり生で見ると、俳優さんのジャンプがとても高い(!!)のが感動的でした。衣装のジーンズも、“ローライズって何?"のハイウエスト主流。まさに「ハイウエストサイド物語」。

 もちろん、対立するギャング団(『ジェット団』『シャーク団』)に属するトニーとマリアの恋物語からも目が離せません。とにかく2人のノリのよさがハンパないからです。ダンスパーティー(※通称ダンパ)でお互いに一目ぼれ→意気投合→夜中のバルコニーで熱唱。夜中のバルコニーで熱唱って…。過去、近隣との騒音トラブルに悩んだ経験のあるわたくしとしては、恐ろしくて正視できないシチュエーションです。怒られるよ・・・ピンポン来ちゃうよ!(※来ません)。そんな、幸せいっぱいの二人ですが、周囲は大反対。そして悲劇が…。

 解せなかったのは、「そもそもなぜ2つのギャング団は対立していたのか?」という点です。お互いが強いチームならば、合併してより強い組織を目指す、という発想は出なかったものか。ジェット団とシャーク団で『ジェッティー・シャーク団』とか…。『シャーキー・ジェット団』でもいいですよ? とにかく『コニカミノルタ』、『伊勢佐木長者町』を見習って欲しかった。などとボヤきつつも、磐石&安泰なんて、不良の美学に反するのもまた事実。悲劇じゃなければウェストサイドじゃない!

 ということで、遅ればせながらわたくしも、クールな不良イズムを見習いたいと思った次第。まずは去り際に指パッチン&口笛という高度にキザな演出を日常生活に導入し、修行にいそしみたいと考えております。

ウェストサイド物語作品紹介|劇団四季
http://www.shiki.gr.jp/applause/wss/

今回も、『GOETHE』(11月24日発売予定)でご紹介しきれなかった新作映画をイラストにさせて頂きました。ぜひ『GOETHE』とセットでご覧ください!

 長男の結婚式に出席するために集結した『ふぞろいな家族たち』が巻き起こす騒動を描いた話題作。実母と継母とのバトルや意地悪い親戚との攻防戦など、見どころが満載ですが、確かに人の結婚式って気を遣いますよね…。飲み途中のスープをさげられても垂直に挙手して「まだ食べてマス!」とは言えませんし、スライドショーの途中で急激な睡魔に襲われても「ほほーぅ」みたいな表情で最後まで起きてなきゃいけません。「両親への手紙」のさなか、新婦さしおいて鼻水ジュルジュルで号泣する新郎の様子がいくら(うーわ、だっせぇ!)であっても、マイルドな笑顔で見守るのが大人のマナー…といった“フォーマルな集まりは疲れるよね"的社会人心理というものは、どの国でも一緒だったのかーという点が、本作を見ての大きな発見でした。そしてこんなにも所帯じみた映画を監督したのが、若干27歳の青年という点にも、二度びっくりです。アメリカで『渡鬼』をリメイクするとしたら、もう監督はサム・レヴィンソンさんしかいない・・・そう確信しております。

映画『アナザー・ハッピー・デイ〜ふぞろいな家族たち〜』公式サイト
http://ahd.ayapro.ne.jp/

蛇社説

Webマガジン幻冬舎: 豊村真理 蛇いちご新聞 第31回

雰囲気問題

雰囲気問題

「いても立ってもいられない」
スターバックスコーヒーの店内に入ると、いつもそういう気分になります。コーヒーはおいしいし、椅子は気持ちがいいし、店員さんは親切なのに、
ちっともくつろげない…一体、何故? ということで、今回はこの『超
個人的・スタバそわそわ感情』について考えてみたいと思います。

 言うまでも無く、ちょっと高いけどスタバのコーヒーはおいしいです。でもじゃあ、それに比べて小岩井コーヒーやマックスコーヒーの味が劣るか? というと、そういうことは全くありません。むしろ彼らも、かなり美味。ならばなぜ、人はあえて高いスタバに集うのか・・・? それはおそらく『雰囲気』がいいからです。そしてその雰囲気の中には『560円出してスタバでコーヒーを買う 私を買う』というオシャレな『物語』が含まれているのです。

 ディズニーランドも同様です。アトラクションやパレード、お姉さんの笑顔も素敵ですが、ディズニーランド一番の魅力はやっぱり『雰囲気』。360度見回しても、千葉っぽさは皆無。そしてそんな「夢の国」には、シンデレラやピーターパンなど、いくつもの『物語』が存在しています。その主人公になりたくて、人は足げく「東京ディズニーランド」(千葉)へ通うのです。アップルストアもしかりです。ただただシンプルでクールな空間は、やっぱり『雰囲気』がいい。そしてみんな、この雰囲気を作り出すために生涯をなげうった天才・スティーブ・ジョブズの『物語』を知っています。今回イラストを描かせていただいた劇団四季さんも、幕が開くと圧倒的な『雰囲気』と『物語』で、観客の心を彼方へと連れ去ってしまいます。そう、人の心をつかんでいる場所やモノには、独特の『雰囲気』と『物語』があるのです。

 でもこの両者、ごはんにふりかけをかけるみたいに、簡単には演出できないところがポイントです(簡単にできたら、みんなやっている)。おそらくは“いい商品を作りたい"という情熱から生まれた秘伝のレシピに基づく不断の努力に加え、話し合いに次ぐ殴り合い(+鼻血)、熟成→発酵を経ての会議に次ぐ会議など、とてつもない工程を経て生み出され、かもし出されているものなのではないでしょうか…。

 微力ながらイラストなどを描かせていただいている者としては(恐れ多いことですが)なんとかして自分も「そーゆー雰囲気のあるモノ」を用意したいものだと、常々考えております。しかしもちろん、難しい。そこへきて、それを完全にやりとげている存在を目の当たりにすると、相手が
たとえコーヒー屋であろうと遊園地であろうと、もうどーしようもなく「うらやまC!」。お門違いな嫉妬の念が渦巻いて、冒頭の感情に至る…というわけなのです。そんな時は、なにか別のことを考えて気持ちを切り替えるに限ります。例えば『雰囲気』という言葉の読み方は、一体どれが正しいのだったっけ?

①ふいんき ②ふんいき ③ふいーき ④ふぃんき

…そして今日も、ますます頭を抱えるのでした。



豊村真理(とよむら まり)プロフィール

豊村真理(とよむら まり)プロフィール

1981年生まれ。
「週刊TVガイド」編集部を経てイラストレーターに。第27回読売広告大賞優秀賞受賞。
余命半年から生きてます!」(相河ラズ著/幻冬舎刊)挿絵を担当。雑誌「GOETHE(ゲーテ)」で映画のイラストを連載中。
ブログもだいたい毎日更新中!

豊村真理オフィシャルブログ
New Nonsense
http://newnonsens.exblog.jp/