お品書き




シニアになっても輝き続ける「筋肉ヒーロー」大活躍のアクション映画と、日常生活のお供・バッグ(鞄)について描かせていただきました。

今月も『GOETHE』(4月24日発売号)でご紹介しきれなかった新作映画をイラストにさせていただきました。ぜひ『GOETHE』とセットでご覧下さい!

 ついにこの時が来てしまいました…。こちらはアジアが誇る大スター、ジャッキー・チェン「最後の」アクション超大作。本編で見る限り、かなりキレのある動きを披露しているので(ジャッキー、あと3作くらいやれるんじゃ?)という気もちょっとしてしまいますが、ローラーブレードスーツ着用での疾走、南海の孤島での落下スタント、巨大地下アジトでのバトル、そして噴煙湧く火山(!)へのダイビングなど、「閉店大セール」ばりのサービス過剰なアクションを観ていると「やっぱ最後なんだなぁ…」としみじみ。
 エンドロールではお約束のNGシーン集に載せて、今回はなんと「ジャッキーから、ずっと応援してくれたみんなへ」のメッセージが! もう、本編はコレ流すための壮大な前フリだったのでは?と邪推してしまうほどに、ジャッキーの熱い言葉の数々が心に染み渡ります…。っていうか、よく考えたら私、そこまで熱心なファンじゃなかったけど、観終わる頃には筋金入りの「ジャッキーファン」になっていました。にわかファンが言う資格ないですけど、ジャッキーさん長い間、本当にお疲れ様でした!

映画「ライジング・ドラゴン」オフィシャルサイト
http://www.rd12.jp/

 ジャッキーがアクション超大作から退いた一方で、本作で10年ぶりに第一線に復帰したのが、アーノルド・シュワルツェネッガー。今回は、「片田舎の温厚な保安官…と見せかけて昔は凄腕刑事でした!」という複雑な役どころで、デラックス・カーで田舎町を突破し、メキシコ国境へ向かう凶悪逃走犯を仲間とともに取り押さえる!というお話。
 とにかく犯人の乗っている車が高性能で、全編に渡って「車すごいアピール」映像が続くのですが、目の前にターミネーター待ち構えてんのに察知できないカーナビっていうのも、ちょっとどうなんでしょうか…。まぁでもそんなことはさておき、それにしても映画『エクスペンダブルズ』のメンバーは、ソロのお仕事でも各々元気いっぱいでスゴイです。なんか、メンバーだけに支給される「特別なプロテイン」とかあるのかもしれないですね。いい機会なのでこのあたりでそろそろ、ジャッキーも『エクスペンダブルズ』に加入すればいいのに…とか本気で考えてしまうほど、シュワちゃんの活躍(と筋肉)が、輝かしい一本だなと思いました。

映画「ラスト・スタンド」オフィシャルサイト
http://laststand.jp/

社説

Webマガジン幻冬舎: 豊村真理 蛇いちご新聞 第38回

バッグ問題

バッグ問題

 満員電車やバスの中で「ルイ・ヴィトン」のモノグラム柄のバッグを持った人を見ると、急いで目をそらすようにしています。理由は、「酔ってしまうから」。(え?模様だけで?)とお思いになるかもしれませんが、ええ。模様だけで。長くなりますが、以下がその「モノグラム柄過剰反応体質」に私が陥るに至った経緯です。

 あれは小学2年生の春。私は祖母とタクシーに乗っていました。残念なことにそのタクシー内には、牛革のシート臭とココナッツの芳香剤、そして運転手さんのポマードが入り混じり、かなりキビしい臭いが充満していました。さらに田舎のデコボコ道から都市部を飛ばし、高速に入ってからは終わりの見えない渋滞に巻き込まれるという不安定感も相まって「アンタ…地獄に落ちるよ!」細木先生に宣告されるまでもなく、私は「激しい車酔い」という名の大殺界に勢い良く突き落とされていました。(このままではいけない…)少しでも状況を改善しようとハンドルを回して窓をこじ開け、空気の入れ替えを試みたのですが、このハンドルがまた鬼のように固い…。必死で回しても、やっと3センチほどが開いたばかり。するとその様子を見ていた運転手がすかさず「お嬢ちゃん、外、空気悪いから、窓空けちゃダメだよ〜」と、手元のスイッチでせっかくの3センチをピシャリ。(中の方がよっぽど悪いだろ…)心の中で反論を唱えつつも気力的に言い争いはできず、仕方ないのでなるべく摂取する空気量を減らそうと口元に手を持っていった瞬間、「大丈夫!?」異変を察知した祖母がこちらににじり寄ってきました。

 何というか祖母は当時、けっこう香水をバシャッとつける「張り切りオシャレさんタイプ」であったため、件の悪臭に芳醇な香水の香りがミキシングされ、異臭度数もマックスに…。しかし祖母は「あらら、どうしたの?」まったく空気が読めず、親切心からハードに背中をさすってきます。しかし人道的見地から考えても(おばーちゃんが元凶だよ!)と言い出すわけにもゆかず「…大丈夫だから」。やんわりその手を払いのけた瞬間、私の中で何かが弾けました。「ォウェェェェェー!」

 胃の中のモノすべてを放出し、事切れてシートに倒れ込んだところ、目の前にあったのが祖母のモノグラム柄バッグ。花や丸や四角がチカチカと乱れ飛び、目が回りました。その後のことは何も覚えていません。覚えていませんが、モノグラム柄のバッグを見ると当時の状況が鮮明にフラッシュバックし、「うううう…」となってしまうのです。女子垂涎の上等なブランドバッグに、憧れるどころかリバース感を催してしまう自分。非常に残念です。

 しかしながらいつの日か、『モノグラム柄のバッグが好きすぎて、ついついたくさん買っちゃって困ってるのー』みたいなセレブに出会ったら、自分ほど役に立てる人間もいないのではないか?と、密かに自負していたりもします。「とって置きの対処法がありますよ…?」そう言ってマダムに卑屈に笑いかけるのが、私の小さな夢なのです…。ニヤリ。



豊村真理(とよむら まり)プロフィール

豊村真理(とよむら まり)プロフィール

1981年生まれ。
「週刊TVガイド」編集部を経てイラストレーターに。第27回読売広告大賞優秀賞受賞。
余命半年から生きてます!」(相河ラズ著/幻冬舎刊)挿絵を担当。雑誌「GOETHE(ゲーテ)」で映画のイラストを連載中。
ブログもだいたい毎日更新中!

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